作品データ
あらすじ
女子高生の沙織は幼い頃、死ぬまで引きずられ続けるという妖女「ひきこさん」に襲われるも奇跡的に生還した過去があった。
そんな沙織はイジメを受けていた同級生の恵美の復讐をする為に行った「こっくりさん」がきっかけで「ひきこさん」も呼び起こしてしまう。
恵美は「こっくりさん」の根源であるキツネの霊に取り憑かれ、イジメっ子たちを次々と呪い殺していくのだった。
登場人物&出演者
・南沙織(演:阪本麻美)
代表作に『逆鱗組/上州路に春を見た』、『特命係長只野仁/ファイナル』がある。
主人公。女子高生。霊感が強い。小さい頃に「ひきこさん」に遭遇するも生還を果たす。
「ひきこさん」から生還した事を覚えておらず、霊感が強いという認識しかなかった。
ついに恵美が「こっくりさん」に取り憑かれ、内なる「ひきこさん」が表に出てしまう。
「ひきこさん」の世界に行ってしまうと、襲ってきた恵美を反射的に殺してしまう事に。
最後は亜紀を助ける為に「ひきこさん」の前で自分の喉を切って、自己犠牲で助け出した。
・麻丘恵美(演:野崎亜里沙)
代表作に『サンブンノイチ』などがあります。
女子高生。沙織とは仲良し。普段はイジメを受けていて、友達たちにも助けてもらえない。
イジメがエスカレートしていき、自殺をしようとするも勇気が出ずに立ち止まってしまう。
黒マントの女から「こっくりさん」のノートを渡されると、憑依されて復讐を開始する。
沙織の中にいた「ひきこさん」を引き出すも、強すぎて黒マントの女を裏切って暴走する。
最後は「ひきこさん」の世界で沙織を襲ったが、木片に腹を刺されて呆気なく死んだ。
・水沢亜紀(演:生田晴香)
本作が長編映画デビュー作となります。
女子高生。仲良し四人組の一人。恵美がイジメを受けても他と同じく止められずにいる。
恵美の机に遺影に似せたイタズラがされ、すぐに写真を取るも久美子にビビって戻した。
強制的に恵美たちと「こっくりさん」し、取り憑かれたと亜紀が言うもすぐに否定した。
ずっと信じていなかったが、目の前でみどりが死ぬと「ひきこさん」を認識してしまう。
最後は「ひきこさん」の世界に引きずられるが、沙織の犠牲によって生還を果たした。
・木之内碧(演:青山路代)
本作が長編映画デビュー作となります。
女子高生。仲良し四人組の一人。恵美がイジメを受けても何もせずに見ているだけ。
亜紀とともに恵美の机にあった遺影のイタズラに怒るが、久美子にビビって元に戻した。
様子が変わった恵美と「こっくりさん」して、取り憑かれたと話すもみどりに否定された。
恵美たちによって「ひきこさん」が出てくると、その姿を見て逃げ出すも追いつかれる。
最後は亜紀の目の前で引きずられてしまい、どうする事もできずに結局は殺されてしまう。
・和地美沙子(演:春野こころ)
本作が長編映画デビュー作となります。
女子高生。見た目はギャルで久美子の部下。イジメグループでは久美子に次ぐ地位を持つ。
恵美へのイジメがエスカレートしていき、率先して体操着を切ったり水をかけたりした。
教師にイジメの事を沙織たちが告発するもバレず、久美子とともに恵美へ暴力を振るった。
「こっくりさん」に憑依された恵美に仲間が舌を噛んで死ぬと、恐ろしくなって逃げた。
最後は仲間を増やした恵美たちに殺害され、「ひきこさん」を出す為に死体が利用された。
・後藤久美子(演:佐藤由加理)
本作が長編映画デビュー作となります。
女子高生。お金持ちで成績が良く教師たちから高い評価を受けている。イジメグループのリーダー。
恵美をターゲットにしたイジメグループのリーダーで、貧乏な彼女に非道なイジメをする。
教師にイジメの事を沙織たちに告発されるもバレず、彼女たちの前で恵美に暴力を振るう。
恵美が「こっくりさん」の力で仲間を殺され、追い詰められるとあっさりと殺害された。
最後は死体を引きずられ、沙織の中にいた「ひきこさん」を召喚する為に死体を使われた。
・黒マントの女(演:相元晴名)
代表作に『田園のユーウツ』、『無意識』などがあります。
過去に息子を「ひきこさん」に引きずられ、目の前でどこかへ連れ去られてしまう。
それ以降、「こっくりさん」を通じて「ひきこさん」に連れ去られた息子を探していた。
イジメを受け自殺を思い留まった恵美に「こっくりさん」を召喚する儀式のノートを渡す。
「ひきこさん」を沙織の中から出して戦うも、一度目は圧倒的な力の差で逃げでした。
最後は「ひきこさん」の世界に入り、息子と再会を果たすも背後から心臓を取られて死亡。
・ひきこさん(演:三宅綾子)
代表作に『ひきこさん vs 口裂け女』などがあります。
都市伝説として知られている妖怪の一種。過去に沙織を襲うも失敗して生還させてしまう。
実は沙織の中に入り込んで、記憶が蘇るまで長年に渡って表に出る機会を窺っていた。
「こっくりさん」の力を借りた恵美たちにより復活し、黒マントの女をあっさりと倒した。
沙織が瀕死になり力が弱まり、黒マントの女に劣勢となるが全員を自分の世界に連れ出す。
最後は黒マントの女を倒したが、沙織の自己犠牲によって自分の世界に閉じ込められた。
感想
[個人的な評価]
本作は『ひきこさん』をモチーフにしたシリーズの作品となります。
もちろん、一作目から携わっている永岡久明が監督と脚本を務めています。
ついに「ひきこさん」が有名な都市伝説の一つである「こっくりさん」と対決します。
前作は素人演技が目立っていた上にストーリーも雑で、何より「口裂け女」の設定を自分たちの都合で改悪したのは残念でした。
そもそも本シリーズは「ひきこさん」がメインで、対決する相手はあくまで引き立て役になってしまっている。
今回の「こっくりさん」も結局は「ひきこさん」の強さを再認識させる為に出てきたような感じで可哀想でした。
実際に召喚されるまで結構な時間をかけた割に弱くて、圧倒的な「ひきこさん」のアイアンクローにあっさりと一度目は逃げ出してしまう。
二度目は仲違いした「こっくりさん」グループだが、リーダー格の黒マント女が力をつけ、逆に「ひきこさん」の媒体となる沙織が弱体化して形勢逆転となる。
とは言っても、相変わらずアクションはプロレス的なキャットファイトで迫力がなく、カメラアングルや演出がクソすぎて期待には応えてくれません。
しかし、本作は意外にも演技がちゃんとしていた出演者がいて、それだけでも底上げしてくれて結構ちゃんと鑑賞ができました。
物語の中心にいるイジメを受けて「こっくりさん」を召喚する恵美役の野崎亜里沙と、イジメグループのリーダー格を演じる佐藤由加理が非常に良かったです。
イジメを受けて惨めな状態になっていく恵美役の野崎亜里沙と、とても演技とは思えないほどリアルなイジメ役をした佐藤由加理の頑張りを素直に評価するべきです。
特に野崎亜里沙は「こっくりさん」が憑依した恵美の演技もなかなか良くて、主人公と言ってもいいぐらい存在感がありました。
この『ひきこさん』シリーズでは一作目から右肩下がりに劣化していたが、ストーリーも前作よりマシになっているので持ち直したと思います。
ただし、今回の評価については底辺での話しであって、ちゃんとしたホラー映画を観たいならば本作はオススメしません。
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