作品データ
あらすじ
オーブンで焼き殺されそうになる寸前に助けられた10歳の少女リリーが、児童専門のソーシャルワーカー・エミリーの家でしばらく暮らす事になる。
エミリーの恋人でセラピストのダグも協力し、リリーは第二の人生をスタートさせた。
だがその直後、エミリーたちの周りで不審死が続発し、ついにリリーの言動に対して強い不信感を持つようになるのだった。
登場人物&出演者
・エミリー・ジェンキンズ(演:レネー・ゼルウィガー)
近年の出演作に『ジュディ/虹の彼方に』、『私のニューヨーク』などがあります。
主人公。児童保護局に勤めるソーシャルワーカー。38件のケースを抱え、上司から39件目を渡されて気になって取り組む。
リリーが両親からネグレクトを受けていると連絡が入り、両親に会うも軽くあしらわれた。
保護局からもネグレクトの認定が下りず、独自の判断でリリーを助け出して二人暮らしする。
ダグの事故死からリリーを疑うと、エドワードから話しを聞いて彼女の恐ろしさを知った。
最後は恐怖を乗り越えてリリーを車ごと水の中に落とし、始末をつけて生還を果たした。
・リリー/リリス・サリヴァン(演:ジョデル・フェルランド)
近年の出演作に『呪われた家/The UNSPOKEN』、『トールマン』などがあります。
両親にネグレクトされている少女。両親が自分を殺そうとしているとエミリーに話して助けを求めていた。
オーブンに焼き殺される前にエミリーへ助けを求め、ギリギリで助け出されて施設に行く。
里親が見つかるまでエミリーと二人暮らしするが、ダグのカウンセリングで彼を脅迫した。
エミリーに正体がバレても慌てず、先に用済みとなった両親を処分してから脅迫をした。
最後は恐怖を凌駕したエミリーに車ごと水へ突き落とされ、抵抗するも一緒に沈んで死んだ。
・マイク・バーノン刑事(演:イアン・マクシェーン)
近年の出演作に『デッドウッド/決戦のワイルドタウン』、『ジョン・ウィック:パラベラム』などがあります。
エミリーと親しい刑事。仕事熱心で子供を助けたいエミリーにムリを言われ、危うくクビになりそうになった。
今回のリリーについて両親を疑うエミリーに協力し、証拠を提示すれば立件すると話した。
リリーをオーブンで焼き殺そうとした連絡を受け、エミリーと一緒に止めて彼女を助けた。
エミリーからリリーの正体を聞かされ、最初は信じなかったが、電話を受け信じて協力する。
最後は警察署を出ようとして犬に襲われる幻覚を見て、散弾銃で自分の頭を撃って死亡した。
・ダグ/ダグラス・J・エームズ(演:ブラッドレイ・クーパー)
近年の出演作に『ナイトメア・アリー』、『リコリス・ピザ』などがあります。
カウンセラー。エミリーの親しい友人。仕事に忙殺されるリリーに進展したいと条件を出して待っていた。
リリーを引き取りたいエミリーが一生懸命な様子に驚き、なんとか叶えるように応援した。
グループセラピーにリリーを迎え、エミリーが担当した子供が両親を殺害して励ましていた。
リリーの心理状態を確かめようとするが、逆に脅迫を受けて彼女から大きな恐怖を感じた。
最後はリリーからの電話を受け、大量の蜂が発生し、コケて頭を打ってそのまま死亡した。
・ウェイン(演:エイドリアン・レスター)
代表作に『デイ・アフター・トゥモロー』、『ドゥームズデイ』などがあります。
児童保護局のソーシャルワーカーでエミリーの上司。38件掛け持ちをしているエミリーに39件目の問題を持ってきた。
リリーの家庭を調査したエミリーが戻ってくると、事情を聞く為に保護局へ来るようにした。
直接リリーたちの両親から事情を聞いていると、特に問題ないという判断を下していた。
リリーの里親が見つかるまでエミリーが預ける事になり、事件の担当を外れると言い渡した。
最後はリリーがベッドの下に隠していた携帯電話から、マイクの死をエミリーに伝えた。
・マーガレット・サリヴァン(演:ケリー・オマリー)
代表作に『アース・トゥ・エコー』、『アナベル/死霊館の人形』などがあります。
リリーの母親。近所からリリーがネグレクトを受けているという通報をされる。顔色が悪く他者を寄せ付けない。
リリーをオーブンで殺そうとするもマイクたちに阻止され、精神異常鑑定を受ける事になる。
夫と同じくリリーが生まれてから兄弟を二人亡くし、すでに娘じゃないと自覚していた。
精神病院で体が燃える幻覚を見て掻きむしり、エミリーが面会に来るも話しできない状態に。
最後は用無しになって遠隔で体が燃える幻覚を魅せられて、そのまま精神崩壊してしまう。
・エドワード・サリヴァン(演:カラム・キース・レニー)
代表作に『タイムコップ』、『ジグソウ:ソウ・レガシー』などがあります。
リリーの父親。近所からリリーがネグレクトを受けている通報される。常に怒ったような態度を見せている。
リリーをオーブンで殺そうとしてマイクたちに阻止され、精神異常の鑑定を受ける事になる。
実はリリーが生まれてから姉妹を三人亡くしていて、すべては彼女が原因だと分かっていた。
リリーの正体を知ったエミリーが相談に来ると、寝た時に殺すしかないとアドバイスした。
最後は用無しになって遠隔で幻覚を見せられ、コケてフォークで自分の目を貫いて死亡した。
感想
[個人的な評価]
本作はWOWOで放映時には『ケース39/招かざる少女』という邦題となっていました。
この作品は日本で劇場未公開となって、DVDスルーとして発売されました。
いわゆる子供が悪魔のような類というジャンルで、その代表作と言えば『オーメン』シリーズだろうと思います。
ただ、『オーメン』シリーズの場合はハッキリと悪魔の子と言われていて、直接手を下さずにターゲットを自発的に自殺へ追い込む手法を持つ。
本作におけるリリーも当初は両親から虐待を受ける被害者のような感じで、主人公が当然のように同情して助けるパターンとなります。
これが常識だと思わせる展開であるけど、次第にリリーの言動がおかしくなっていて、単なる子供じゃないと分かってきます。
心理学をマスターしたカウンセラーすら逆に脅迫する話術を出した時、そこで明らかに只者じゃないと判明する瞬間がなかなかエグいと感じました。
主にターゲットが恐怖する幻覚を見せて、精神的に追い詰めながら最終的に物理的に死を与える展開が『オーメン』に非常に似ていました。
そんなリリーを演じるジョデル・フェルランドは、『サイレントヒル』で似たような役をやっていたので納得できる配役でした。
上記にも書いたカウンセラーを追い込む演技が素晴らしく、10歳の少女とは思えないような言動で追い詰める姿は単純に恐ろしいと感じました。
主人公の善意に付け込んで利用される側になって、次々と友人を失っていく窮地で相手があまりにも大きいと分かっていきます。
しかし、そこから恐怖を凌駕すれば悪魔の子であっても、逆に圧倒できる逆転劇はそれなりのスッキリ感を与えていたと思います。
ラストのオチについて強引な力技すぎて、あれだけ周りを策略で陥れていた最期としてはちょっとムリがあるような気がしました。
主人公の逆転劇についても終わらせないといけなかったので、かなり強引な展開に持ち込んだのは雑に感じてしまい、非常にもっとないと思いました。
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