作品データ
公開年月 | 2017/10/20 |
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ジャンル | ホラー |
原作 | スティーヴン・キング 『1922』 |
監督 | ザック・ヒルディッチ |
脚本 | ザック・ヒルディッチ |
製作 | ロス・M・ディナースタイン、ショーン・ウィリアムソン、ほか |
製作国 | アメリカ |
鑑賞方法 | 動画配信サービス |
あらすじ
初老の男ウィルフレッド・リーランド・ジェイムズはホテルの一室で、過去に犯した妻殺しの顛末を書き記していた。
1922年、ネブラスカ州の片田舎で農場を営むウィルフレッドは妻アルレットと14歳の息子ハンクは土地の問題を抱えていた。
アルレットが田舎暮らしを嫌い土地の権利を売って都会へ引っ越したいと言い出すと、農場を離れたくないウィルフレッドは妻の殺害を決意するのだった。
登場人物&出演者

近年の出演作に『アンチ・ライフ』、『ザ・プレデター』などがあります。
主人公。妻のアルレットと息子のハンクと農場を経営する。妻が父親から相続した土地を加えて広大な農地を持つ。
生活がギリギリで妻が土地を売って都会へ行きたい事に反対し、農場を守ろうと対立した。
息子も恋人と離れたくないとして利用して、一緒に妻を殺害して完璧に隠蔽して土地を守る。
恋人の妊娠で息子たちが駆け落ちし、死んだ妻の亡霊から事情を聞いて悲しい結末を迎える。
最後は罪を告白する手紙を書いていると、死んだ妻や息子とその恋人が出迎えに来ていた。

代表作に『バンクス』、『ミートボール&キャシー/こちらワンワン防犯課』などがあります。
ヒロイン。ウィルフレッドとアルレットの一人息子。農家として楽しんでいて、都会への憧れは一切ない。
母親が土地を売って都会へ行きたいが、恋人のシャノンと別れたくないから反発していた。
劣勢だった父親の味方になると、唯一土地を手放さない為に母親を一緒に殺害して隠蔽した。
シャノンの妊娠が発覚して修道院に入れられると、父親の反対を押し切って駆け落ちをした。
最後は各地で強盗を働いて指名手配され、シャノンが銃弾で倒れると後を追うように自殺。

代表作に『ウィッカーマン/2006年版』、『私というパズル』などがあります。
ウィルの妻でハンクの母親。父親から100エーカーの土地を相続するが、都会への暮らしに憧れている。
土地を売って都会に行く決意を持っているが、夫から強く反対されてその度に口論している。
都会で洋服店を開こうとしてハンクを連れて行こうとしたが、息子から口答えをされる。
夫と息子が都会に行くと意見を変えると、嬉しくなって祝うも結局は彼らに殺されてしまう。
最後は亡霊として何度も夫の前に出てくると、息子の運命を話して最終的に迎えに来ていた。

代表作に『30日のセックス』、『七つの大罪クラブ/生贄になった少女たち』などがあります。
ハーランの一人娘。ジェイムズ家の隣人として家族ぐるみで付き合っていた。ハンクと同級生でお互いに惹かれる。
ハンクと自分の両親たちの公認で付き合っていて、彼に付いていくと決めて一緒にいた。
アルレットが失踪してからハンクの様子がおかしいと分かり、ウィルに相談して納得した。
妊娠した事が発覚すると、若いという理由で修道院に入れられるもハンクと駆け落ちをした。
最後は各地で強盗を繰り返して指名手配となり、最終的に撃たれて赤ん坊とともに死亡した。

近年の出演作に『ノー・セインツ/報復の果て』、『バイオハザード/ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』などがあります。
ウィルの友人で広大な農地を持っている。地元で最も成功している農家で、最新の農機や車を所有している。
娘がハンクと付き合っている事を認めていて、ウィルのコーン畑でも一緒に手伝っていた。
ハンクのせいで娘が若くして妊娠が発覚すると、修道院に入れて子供を養子に出すと決める。
修道院から娘と駆け落ちしたハンクを憎んでいて、友人のウィルとは会わないようにした。
最後は娘が死んで妻も家から出ると、ウィルに皮肉を言って結局は家や農地を売却した。

代表作に『スポットライト/世紀のスクープ』、『ファースト・マン』などがあります。
地元の保安官。ウィルがどんな人物なのか知っているが、アルレットとの問題についてまで把握していない。
アルレットが土地を売ろうとした会社の弁護士に頼まれ、ウィルの自宅まで来て質問をした。
あくまでウィルを信用した前提で形式上だけで来て、アルレットが失踪したと信じている。
ハンクが家出をして強盗が発生すると、似ている事からウィルに話しをするも別人だと認定。
最後は感染症で倒れたウィルを助け出し、アルレットに似た女性の遺体を報告して確認した。
感想
[個人的な評価]
本作はNetflixで独占配信された作品となります。
この作品は『ファイナル・アワーズ』や『ラトルスネーク』で知られるザック・ヒルディッチが監督と脚本を務めています。
さすがにスティーヴン・キングが脚本を書いているだけあって、淡々と物語が進む中でずっと不気味な雰囲気をまとわせています。
物語としては非常にスケールの小さな家族間での問題であるけど、そこには「因果応報」という理を描いています。
選択肢を間違えてしまった場合の悲惨な結末をじっくりと描いていて、一つの決断によって運命が変わる事を見せています。
スティーヴン・キングの作品というのは派手な描写はないですが、徐々に侵食していくイメージがあって本作はまさに王道と言えます。
みんな自分が正しいと思って行動した結果、すべてが裏面に出て悲劇的な結末を迎える意味でスティーヴン・キングらしい作品だと言えます。
息子の為だという主人公の動機はなんとなく分かるが、それは結局自分のワガママで巻き込んでしまっただけというオチ。
そこにはしっかりと「因果応報」が襲いかかって、巻き込まれた方は命を失い、死んでいない方は生地獄を味わうのが分かりやすい。
そもそも1922年のアメリカはどのような時代か分からないが、人を一人殺してもバレないからこそ「因果応報」という意味合いが強くなります。
いくら意見が対立しても殺害という方法は罪深いモノであり、決して許されない行為なのは本作からの描写で分かります。
全体的にまとまっているのはスティーヴン・キングだからこそですが、地味すぎるせいでそれ以上の面白さはなかったです。
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