【スプリット】RE-2625

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洋画

作品データ

公開年月 2017/01/20
ジャンル ホラー/サスペンス
原作 なし
監督 M・ナイト・シャマラン
脚本 M・ナイト・シャマラン
製作 M・ナイト・シャマラン、ジェイソン・ブラム、ほか
製作国 アメリカ
鑑賞方法 レンタルDVD

あらすじ

ケイシー、クレア、マルシアの女子高生3人は、友達の誕生パーティの帰り道に見ず知らずの男に拉致監禁されてしまう。
やがてカギのかかった薄暗い部屋に閉じ込められた3人の前に誘拐犯が女性の格好で現れる。
その後も潔癖症の青年や9歳の無邪気な少年など、現れる度に格好ばかりか性格まで変わってしまう誘拐犯は23人もの人格が宿っており、24番目の“ビースト”と呼ばれる人格も潜んでいたのだった。

登場人物&出演者

ケヴィン/デニス/パトリシア/ヘドウィグ/ビースト(演:ジェームズ・マカヴォイ)

近年の出演作に『アトミック・ブロンド』、『X-MEN:アポカリプス』などがあります。

主人公。誘拐犯。解離性同一性障害を持つ。10年以上もカレンの元で治療を行っている。

無敵の人格である24番目のビーストを迎えるべく、デニスやパトリシアが準備をした。
結果としてフレッチャー先生が否定していたビーストの覚醒に助力する形で登場した。
先生、クレア、マルシアを殺し、ケイシーが虐待を受けて自分と同じと知り立ち去った。
最後はショットガンを至近距離から二発食らっても貫通せず、世間に自分たちを知らしめる。

ケイシー(演:アニヤ・テイラー=ジョイ)

代表作に『ウィッチ』、『モーガン/プロトタイプL-9』などがあります。

女子高生。クラスの誕生会で呼ばれるが浮いている。先生に逆らったりと問題の多い人物。

ケヴィンに誘拐されてから慌てる事なく、状況を冷静に分析して最適の対応策を考える。
幼い頃から叔父から性的な虐待を受けていて、父親が心臓発作で亡くなって引き取られる。
学校で問題を起こすのは叔父がいる家に帰りたくないという理由で心は相当病んでいる。
最後はビーストに銃弾を浴びせるが、自分と同じ境遇だと理解されて見逃して生き残った。

クレア(演:ヘイリー・ルー・リチャードソン)

代表作に『テキサス・ダウン』、『スウィート17モンスター』などがあります。

ケイシーのクラスメイト。誕生会を開いてクラスに浮いているケイシーも誘っていた。

ケヴィンに誘拐されてから動揺して、短絡的な行動に出ようとするもケイシーに止められる。
それでも換気口から脱出を図るが、結局はデニスに捕まって別の部屋に監禁されてしまう。
最後は逃げ出そうとするも、ビーストの登場で彼の食料として内臓を食われて死亡する。

マルシア(演:ジェシカ・スーラ)

代表作に『Honeytrap』、『The Lovers』などがあります。

ケイシーのクラスメイト。クレアと仲が良く、彼女の父親に家へ送ってもらうとしていた。

ケヴィンに誘拐されてから依存体質を発揮して、主体性のない行動で強い方に味方する。
パトリシアがキッチンで食事をさせるが、逃げ出そうとしてクレア同様に別の部屋に監禁。
最後はハンガーでカギを開けようとするも間に合わず、ビーストの食料になってしまう。

カレン・フレッチャー(演:ベティ・バックリー)

代表作に『キャリー』、『ハプニング』などがあります。

精神科医。何人もの精神障害を患った人間をみてきた。ケヴィンとは10年の付き合い。

学会に対して解離性同一性障害の高い能力を示唆し、彼らの潜在的な能力を発表する。
すべての人格を統率するバリーの異変に気づき、新たな人格のデニスが仕切っていると知る。
そこから24番目の超人的な力を持つビーストの存在を知るも、ありえないと否定する。
最後はケヴィンの自宅を訪れるが、覚醒したビーストによって背骨を折られて死亡。

感想

[個人的な評価]

評価 :3.5/5。

本作はM・ナイト・シャマランが監督、脚本、製作を務めた最新作となります。
M・ナイト・シャマラン監督と言えば、『シックス・センス』は大ヒットして一躍世界的に有名な人物となりました。
その後は『アンブレイカブル』、『サイン』などのサスペンスもヒットし、大物監督の仲間入りしています。
しかし、続く『ヴィレッジ』は不評を買い、『レディ・イン・ザ・ウォーター』はついに興行的に失敗して地位は失墜します。
近年は監督業からプロデューサー業に徹していたが、原点回帰となった『ヴィジット』は低予算ながら好評となりました。
そんなM・ナイト・シャマラン監督にとって本作も低予算映画となりますが、解離性同一性障害をテーマにした作品となります。
もちろん、本作はM・ナイト・シャマラン監督が得意とするサスペンス要素が組み込まれる。
解離性同一性障害はかつて“多重人格障害”と呼ばれていて、一人の人間に何人もの人格が宿る精神疾患の一つと言われています。
個人的にもかなり興味深い解離性障害だと思い、過去に調べて高い可能性を知っていました。
そんな個人的な考えをまさかM・ナイト・シャマラン監督が実写映画化したのは素晴らしい反面、先にやられてしまったという思いもあります。
とにかく、本作のカギを握っているのは解離性同一性障害を患うケヴィンを演じているジェームズ・マカヴォイだろう。
ただでさえマトモに一つの役を演じられない役者がいる中、本作でのジェームズ・マカヴォイは素晴らしい演技をしています。
服装だけじゃなく、表情や話し方などもまったくの別人を短い時間で演じ分けています。
特に潔癖症のデニス、女性のパトリシア、子供のヘドウィグ、そして、最後に登場したビーストとの違いはひと目ですぐに分かります。
同じ人間でありながら違った人格を持つキャラクターをジェームズ・マカヴォイは完璧に演じていると思います。
そんな圧倒的な存在感を持つ主人公に対して、ファイナルガールとなったケイシーを演じたアニヤ・テイラー=ジョイも負けていない。
どうしてもジェームズ・マカヴォイに注目されるが、アニヤ・テイラー=ジョイも過去に傷を持った女の子をきちんと演じている。
強さの中にある絶望的な現実を漂わせ、追い込まれて助かっても、そこにまた厳しい現状がある事を思わせる最後の表情も良かったです。
あとは精神科医のフレッチャーを演じたベティ・バックリーもいいバランスを保っています。
危険な一面を持ったケヴィンの人格たちに唯一踏み込める人物だったが、最後に存在を否定したビーストに倒されたのは残念でしたが。
本作はM・ナイト・シャマラン監督のセンスが再び光輝いていて、何よりラストに登場した『アンブレイカブル』のダンには正直痺れた。
M・ナイト・シャマラン監督はもうダメだと思っていたが、近年の原点回帰は素晴らしく、サスペンスにちょっとしたアメコミのテイストを加えたオリジナリティはさすがだと感じさせる作品でした。
欲を言えば、もっとケヴィンに宿る人格たちが観たかったし、もっと“動”の部分で感情を激しく揺さぶる場面があれば、緩急によってもっと楽しめたかもしれない。

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