作品データ
あらすじ
ブラック企業に勤めている天道輝は、連日の徹夜や上司のパワハラによって心身ともに疲れ切っていた。
ある朝、街中にゾンビが溢れ返った光景を見た輝は、会社に行かなくてもいいと歓喜して本来のポジティブさを取り戻す。
家に帰った輝は部屋を大掃除しながら先延ばしした目標や夢を叶えるべく、「ゾンビになるまでにしたい100のこと」をリスト化し、ゾンビを回避しながら達成していくのだった。
登場人物&出演者
・天道輝(演:赤楚衛二)
代表作に『通学シリーズ』、『思い、思われ、ふり、ふられ』などがあります。
主人公。制作会社のCM制作部に入社した24歳の青年。初日の期待から地獄のような仕事の日々に振り回される。
ゾンビパンデミックが発生して仕事に行く必要がないと知り、リストを作って自由に生きる。
コンビニで閑に遭遇するものん気な事を指摘され、ケンチョを助ける為に覚悟を決めた。
ケンチョと一緒にスーパーヒーローとなるべく行動するが、閑に再び会うもまた注意された。
水族館を目指して三人で旅していると、やりたい事を次々と消化して楽しい時間を過ごした。
目的の水族館に到着すると、上司の小杉が支配して洗脳が発動して従う奴隷になっていた。
ゾンビが侵入してスーツを着て生存者を助け出し、閑とケンチョとゾンビシャークを倒した。
最後は小杉に退職を突きつけると、閑とケンチョたちと人助けをすると宣言して旅立った。
・三日月閑(演:白石麻衣)
代表作に『闇金ウシジマくんPart3』、『スマホを落としただけなのに/囚われの殺人鬼』などがあります。
ヒロイン。外資系金融ウーマン。ゾンビパンデミックが発生すると、単独で行動してリスクヘッジを優先する。
コンビニで調味料を求める輝に出会うと、のん気すぎる言動に飽きられて一人で出ていった。
安全な場所を目指したバスから逃げ出すと、再び輝たちに遭遇してドン・キホーテに逃げた。
バスの運転手がゾンビ化して、一緒に逃げた女性たちもゾンビ化すると輝たちと逃げ出した。
水族館まで一緒に向かう間に単独よりも三人で楽しいと感じて、考え方が簡単に変わった。
パワハラを振りまく小杉のやり方に不満を持ち、洗脳される輝を説得するも失敗してしまう。
ゾンビが侵入してくると戦う輝をサポートしてゾンビシャークを倒し、みんなで脱出をした。
最後は小杉の洗脳から抜けた輝とケンチョたちと旅立ち、人助けをしたいとリストに書いた。
・ケンチョ/竜崎憲一朗(演:柳俊太郎)
代表作に『東京喰種/トーキョーグール』シリーズ、『るろうに剣心/最終章The Final』などがあります。
輝の親友。大学時代は同じアメフト部でクォーターバックをしていた。現在は不動産会社に勤めている。
ブラック会社について相談する輝に対して、簡単に辞めるべきと助言して別の事をしていた。
ブチ切れた輝に大学時代の失敗を問い詰められると、逆ギレするもケンカにはならなかった。
ゾンビパンデミックが発生すると、歌舞伎町のラブホテルにいて輝の電話がかかって答えた。
輝が助けに来ると謝罪を受けて逆に感謝すると、スーパーヒーローになる後押ししてしまう。
水族館に来て小杉のパワハラぶりにキレそうになるが、同じグループの人に止められていた。
ゾンビが侵入して輝と一緒にゾンビシャークを止め、大学時代の失敗を克服して倒していた。
最後は輝と閑たちと旅に出る決意をして、リストに人を笑わせる芸人になりたいと書き込む。
・小杉権蔵(演:北村一輝)
近年の出演作に『夏色ダンス』、『世界の終わりから』などがあります。
輝が就職した制作会社のCM制作部のリーダー。周囲から頼れる上司として君臨し、輝が憧れる一人となっていた。
その正体はパワハラによる無茶な仕事を振って、自身は指示するだけでほとんど仕事をせず。
ゾンビパンデミックが発生すると、ロケしていた水族館を拠点に安全な避難所を作っていた。
輝たちが避難してくると、以前のように上司として登場して自分の子分として従えていた。
奴隷たちが反抗しないようにグループの連帯責任制度を作り、完璧な王国を築き上げていた。
外に出ようとする閑やケンチョが輝を説得すると、すでに洗脳が完了して拒否させていた。
ゾンビが水族館へ侵入すると手下を囮にして逃げ回り、主人公補正の輝にも助けられた。
最後は生存者が出ていくと逆ギレするも無視され、輝にも見捨てられ一人だけ残ってしまう。
感想
[個人的な評価]
本作はNetflixで独占配信された作品となります。
この作品は麻生羽呂と高田康太郎による同名漫画を実写映画化しています。
原作が漫画なので同じく日本のゾンビ映画『アイアムアヒーロー』とどうして比較してしまう部分があります。
まず『アイアムアヒーロー』の場合、王道のゾンビ映画でありながら、主人公のキャラクターと最後まで一貫しているところに面白さががありました。
特に気弱だった主人公が成長して勇気を持って人を助けていく展開に説得力があり、なるべく現実から足を離さないようにしていました。
それに対して、本作はコメディ要素があるせいでリアリティから出発しているはずなのに、主人公が覚悟を決めた瞬間からファンタジーになってしまう。
あくまで漫画だから許される展開であって、リアリティをベースにしている本作では明らかにおかしな状況がいくつも出てきてしまう。
主人公がブラック会社に勤めて洗脳されていく展開はリアリティとリンクするのに、ゾンビを相手にサバイバルする描写があまりにもリアリティに欠ける。
この辺のバランスは『アイアムアヒーロー』の方がしっかりと取っていて、本作との大きな違いになってします。
特に主人公の設定が顕著になっていて、本作では緩い感じでサバイバルするから緊張感がほぼないという点が裏目に出てしまった。
前半の雰囲気はそれなりに良かったけど、後半で水族館になってから一気に物語のテンポが悪くなってしまっている。
それに原作でも登場しないゾンビシャークの悪ノリは明らかに間違っていて、序盤での期待を見事に裏切ってしまっている。
登場人物たちについてもヒロインとなる閑がリスクヘッジを重要視しているのに、後半では別人のようにリスクがあっても人を助けるまでの心変わりに描写が足りない。
もう一人の親友であるケンチョはマシな方で、ビビリから勇気を持つ展開は本作で唯一ちゃんと成長していると分かりました。
ブラック会社から解放された主人公が前半で見せた展開の方が面白く、最終的にゾンビとなっても良かったとすら思ってしまいました。
所詮はNetflixが映画化した作品と考えると、そうなってしまうのは仕方ないにしても、もう少し上手くできはずでした。
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