作品データ
あらすじ
数百年に一度目覚める強大な不死の大蛇“禍蛇”は、封印しなければ世界を混沌に陥れると言われた。
ある日、ついに禍蛇が復活を遂げ、陰陽師の忠行が毒矢に射たれ倒れると、弟子の晴明に本体を封印するよう託した。
晴明は師匠の遺言に従って禍蛇を封じる儀式に参加し、静雲台の術戦士である笛吹の博雅と協力して不死の大蛇に挑むのだった。
登場人物&出演者
・晴明(演:マーク・チャオ)
代表作に『ライズ・オブ・シードラゴン/謎の鉄の爪』、『ドラゴン・クロニクル/妖魔塔の伝説』などがあります。
主人公。忠行を師匠に持つ陰陽師。母親がキツネたと噂されていて、周囲から警戒される。
防御する「呪」より通り抜けの術を使い、そのせいで師匠が禍蛇の毒を食らって死亡した。
師匠の遺言で司天監に赴いて、博雅が妖魔を滅しようとして助けた事で因縁が生まれる。
阿瀧が髪の妖魔に襲われ、犯人が公主だと知って、鶴守月もグルで博雅とともに戦う。
最後は師匠の遺言て芳月の死で油断した鶴守月を倒し、博雅と友情を築いて家へ戻っていた。
・博雅(演:ダン・ルン)
本作が長編映画デビュー作となります。
静雲台の術戦士。過去に母親をキツネに殺されており、そのせいで妖魔に嫌悪感を持つ。
妖魔を式神にして許す晴明のやり方が気に食わず、何かと疑いながら衝突してしまう。
晴明の考え方について理解していくが、公主に対して疑っていた事には納得できなかった。
禍蛇を解放する公主と鶴守月と戦うべく、朱雀に力を与えて一時的に晴明の式神になる。
最後は晴明のおかげで肉体へ戻り、すべてが解決した時に友情を築いて帰る彼を見送った。
・阿瀧(演:ジェシー・リー)
代表作に『九龍猟奇殺人事件』、『モンスターランナー/怪物大戦争』などがあります。
南疆の陰陽師。司天監へ禍蛇を封印する為にやって来た。虫やオタマジャクシを使役する。
晴明と博雅が到着して早々に揉めていると、間に割って入ってそれぞれの良さを語った。
前回の儀式に参加した陰陽師か殺害され、妖魔を感知するオタマジャクシを使っていた。
オタマジャクシが公主に反応した事から怪しく思い、寝床に侵入して真実を知ってしまう。
最後は鶴守月に邪魔され、髪の妖魔に致命傷を負わされ、晴明に公主が犯人と伝えて死亡。
・長平公主/芳月(演:ワン・ズーウェン)
代表作に『おばさんのポストモダン生活』、『唐山大地震』などがあります。
司天監の取り仕切る偉い人。禍蛇を封印するべく各地から集まった陰陽師たちに指示する。
一人の陰陽師が妖魔に殺されると、女帝から禍蛇を封印する儀式を取り仕切る役を与えらる。
その正体は女帝で不老不死の肉体を持ち、永遠と禍蛇を封印し続ける運命を持っている。
鶴守月が永遠の命を手にするべく禍蛇を解放させようとして、秘密を知った阿瀧を殺害した。
最後は晴明を通して忠行の遺言を聞いて、暴走する鶴守月を止める為に自ら死を選んだ。
・鶴守月(演:ワン・デュオ)
代表作に『西遊記2/妖怪の逆襲』、『L.O.R.D: Legend of Ravaging Dynasties 2』などがあります。
司天監の陰陽師。長らく内廷の守護をしてきて、司天監の上空に結界を張らせている。
当初から晴明に不審な印象を与えるが、翌日に一人の陰陽師が殺されて真っ先に疑われた。
その正体は晴明の師匠が女帝を守る為に残した式神で、主人が死んだ事で消滅する運命。
女帝であった芳月を守ろうと禍蛇を解放して永遠の命を手に入れようと暴走を始めた。
最後は晴明と博雅の連携と、芳月が死を選んだ事で剣に貫かれ、そのまま消滅をした。
・忠行(演:ワン・デュオ)
代表作に『西遊記2/妖怪の逆襲』、『L.O.R.D: Legend of Ravaging Dynasties 2』などがあります。
陰陽師で晴明の師匠。過去に禍蛇を斬って封印した経験を持ち、晴明に防御術の大切さを教える。
晴明の修行中に禍蛇が復活すると、式神を召喚して通り抜けの術でやって来た弟子たちと止める。
防御術を張れなかった晴明を助けたせいで禍蛇の毒を食らってしまい、そのまま逃す事になる。
禍蛇の毒は治す事ができないと悟り、晴明に消滅する前に記憶を植えつけさせて遺言を託した。
最後が気持ちが揺らぐ芳月に過去の記憶から語りかけ、鶴守月の暴走を止めさせる言葉を送った。
感想
[個人的な評価]
本作はNetflixで独占配信された作品となります。
この作品は夢枕獏の『陰陽師』を原作にしているが、世界観が架空で時代もハッキリと設定されていません。
登場人物についても晴明と博雅という名前を借りているだけで、かなり脚色されて別物になっていました。
過去に邦画で実写映画化された時は日本の平安時代か舞台になっていて、ファンタジックな世界観ながら親近感がありました。
しかし、本作は最近の「お金アルヨ、チャイニーズ・ファンタジー」のような展開で、CGに関して相当の金がかかっています。
圧倒的な映像によって表現された世界観に不思議な気持ちを与え、なんだか夢のような世界を味わっている感じになりました。
ただ、そんな圧倒的なスケールで描かれる世界観だが、物語が微妙に回りくどい事になって置いてけぼりを食らってしまう。
完全に登場人物たちだけで勝手に盛り上がっていて、鑑賞している側の事に一切の配慮がなくて物語に入り込めなかったです。
クライマックスでは泣かせようという場面をたくさん用意しているが、そもそも物語に入り込めない時点で何一つ心に響かなかった。
そのせいで執拗に入れてくる泣かせようとするシーンをしつこく感じて、逆効果を生んでいるような印象を持ちました。
そして、なんと言っても既視感のある陰陽師の術はちょっとばかりやり過ぎでした。
邦画の実写映画化では映像はそこまで派手じゃないが、オリジナリティはありました。
ですが、本作に関して『ドクター・ストレンジ』のアクションをそのまま使っているような印象が強く、パクリとは言わなくても影響を受けすぎていると思いました。
それと晴明が使役する式神たちも便利な道具程度でしかなく、本来ならもっと彼らを使って欲しかったてす。
あとは晴明に欠点をつけた設定も微妙で、どうしても個人的にはミステリアスな方がキャラクターとして魅力的に感じました。
なので、本作の設定はキャラクターの魅力を半減させていたと思います。
二部構成となっているが、監督の別の作品でパクリ疑惑が出てしまい、今後日本で配信されるのか少しだけ心配です。
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