作品データ
あらすじ
富豪で天才科学者の恋人エイドリアンの度を越した束縛に恐怖を抱き苦悩するセシリア。
ある夜、ついに豪邸からの脱出に成功したセシリアだったが、彼女を失ったエイドリアンは自殺を遂げてしまう。
安堵していたセシリアの周囲で不可解な現象が起こり始めると、死んだはずのエイドリアンの存在を確信していくのだった。
登場人物&出演者
・セシリア・カス(演:エリザベス・モス)
代表作に『17歳のカルテ』、『ザ・スクエア/思いやりの聖域』などがあります。
主人公。夫で天才的な光学学者のエイドリアンの支配から逃れるべく計画を立てて成功。
友人のジェームズの家でしばらく隠れていると、エミリーからエイドリアンの死を知る。
エイドリアンが透明人間になって襲っている主張するが、誰にも信じてもらえずに孤立。
シドニーやジェームズを襲ったトムを射殺し、エイドリアンを黙らせようと動き出す。
最後はエイドリアンを自殺に見せかけ、ジェームズも味方にして、晴れやかに家を去る。
・ジェームズ・レイニア(演:オルディス・ホッジ)
代表作に『ダイ・ハード3』、『ストレイト・アウタ・コンプトン』 などがあります。
セシリアの友人。警察官。娘のシドニーと二人暮らしだが、頼ってきたセシリアの匿っていた。
外に出るのも怖がっていたセシリアの心情を理解し、立ち直ろうとする彼女を励ます。
経済的な問題で美大へ行かせられなかったが、支援してくれたセシリアに感謝する。
セシリアが妹を殺害した容疑者になり、彼女を放っておいた自分に責任があると認めた。
最後はエイドリアンを自殺に見せかけたセシリアに反論できず、彼女の無実を証明する。
・シドニー・レイニア(演:ストーム・リード)
代表作に『インフィニット』、『ドント・レット・ゴー/過去からの叫び』などがあります。
ジェームズの一人娘。お金がかかる美術大学に進学したいが、経済的な理由で断念する。
セシリアとは上手くやっていて、精神が不安定な彼女をなんとか支えようとしていた。
エイドリアンから資産が入ったセシリアから援助を受け、念願の大学へ目指す事になる。
透明になったエイドリアンに殴られるが、セシリアだと思って有り得ないぐらい怯えた。
最後はすべてがトムの仕業だという事になって、セシリアと和解して再び友人に戻る。
・エミリー・カス(演:ハリエット・ダイアー)
代表作に『キリング・グラウンド』、『Down Under』などがあります。
セシリアの妹。エイドリアンの元から逃げようとした姉から連絡を受けて彼女を助けた。
エイドリアンに居場所を知られない為、セシリアとは一切の連絡を取らずに待っていた。
ニュースでエイドリアンが自殺したと伝えに来ると、恐怖から解放されたと喜んでいた。
メールでセシリアから罵倒されてしまい、姉妹の縁を切ろうとするも再び会っていた。
最後は透明人間となったエイドリアンにより、ナイフで首を切られて失血死を遂げる。
・トム・グリフィン(演:マイケル・ドーマン)
代表作に『デイブレイカー』、『トライアングル』などがあります。
エイドリアンの兄で弁護士。兄が亡くなって遺言をセシリアに読むという義務を果たす。
実際はセシリアと同じく兄によって支配されていて、彼女が持っていた感情を理解する。
妹を殺害した疑いで精神病院に収容されたセシリアに赤ん坊を産めば、万事解決と話す。
透明スーツを着てシドニーを襲い、助けに来たジェームズもボコボコにしてしまう。
最後は駆けつけたセシリアに消火剤を撒かれ、姿が見えて彼女に射殺されてしまう。
・エイドリアン・グリフィン(演:オリヴァー・ジャクソン=コーエン)
代表作に『遠距離恋愛/彼女の決断』、『ファースター/怒りの銃弾』などがあります。
セシリアの夫。天才的な光学学者で大富豪。妻のセシリアを束縛して絶対に逃がさない。
セシリアが計画を立てて逃げ出してしまい、絶望から自殺してニュースにも取り上がる。
実は死んでおらず、完成させた透明になれるスーツを着てセシリアを見つけて監視する。
実際はずっと家の地下室に監禁されていて、踏み込んで来た警察によって保護された。
最後はセシリアが透明スーツを着て自殺に見せかけられ、笑っていた彼女を見て死亡。
感想
[個人的な評価]
本作はH・G・ウェルズの同名SF小説を基に作られています。
更に1933年に公開された同名映画のリメイクという形にもなっています。
自分の中で「透明人間」の作品と言えば、ポール・バーホーベン監督作で、ケヴィン・ベーコンが主演した『インビジブル』です。
あとは『リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い』のスキナーなどと、あくまで薬を開発して肉体が透明化するイメージでした。
しかし、本作は現代的なアレンジがされていて、あくまで機械の技術で透明化します。
全身に小型のカメラが備え付けられた少しグロいスーツとなるが、物語の中では中心ではなく道具の一つに過ぎなかった。
主人公が支配的で束縛する夫ととの問題がメインとなっていて、透明人間というのはオマケみたいな印象でした。
物語としては主人公が精神病だと周りに勘違いされ、彼女を自分のモノにしたい束縛夫に振り回されていきます。
最終的に主人公が透明化スーツを使って憎い束縛夫に復讐する展開となります。
一見して主人公の機転が効いた逆転劇に感じられるが、個人的にはまったく違う感想を持ちました。
束縛する夫はまさしくソシオパスの特性を持っていて、自分を理解できるのは主人公だけだと考えて異様な執着心を見せます。
自殺したとニュースになるが、実際は地下室に監禁されていたという事実が分かる。
主人公はそれこそ彼の手口だと強く言うが、ラストではそんな片鱗は感じなかった。
そこで違和感を持ったが、ラストで主人公か夫を始末した用意周到さから、実は彼女はサイコパスで最初から演技だったと考えた。
ソシオパスがサイコパスと対決すると、残念ながら後者の方が計画性があって、他人に共感できないからこそ演技かできるんじゃないかと思ってしまいました。
もし、この作品の裏設定でソシオパスを操るサイコパスならば、監督と脚本を務めたリー・ワネルは只者じゃないと再認識できる。
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