作品データ
公開年月 | 2016/01/09 |
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ジャンル | SF/アクション |
原作 | なし |
監督 | ドミトリー・グラチェフ |
脚本 | ドミトリー・グラチェフ |
製作 | フョードル・ポンダルチューク、アレクセイ・クレンコフ、ほか |
製作国 | ロシア |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
底知れぬ沼が広がる惑星XT-59に住み着いた人類は、管理システム下で命令通りに生きなければならなかった。
命令に背いて囚人となった者たちは死刑の代わりに生存困難な大地に追放されてしまう。
エルヴィン、ユストを始めとした囚人たちは、生き残る唯一の方法である300キロも離れた“伝説の島”を目指すのだった。
登場人物&出演者

代表作に『太陽に灼かれて』、『変身』などがあります。
主人公。流刑に処された男性。冷静に状況を見極めてリーダーシップを取っていく。
高圧的な態度を示すユストと正反対であり、彼の脅しに対しても一切動じる事がない。
実は総統の顧問官だったが、惑星システムを変えるべくウイルスを仕込んで流刑を希望。
クリスティは使える人材だと判断し、彼女に振り回されながらも幸福の島を目指す。
最後は殺しに来たマティアス大尉を倒し、クリスティとともに惑星を脱出する事ができた。

代表作に『ラン・スルー・ザ・ナイト』、『不倫の果て』などがあります。
ヒロイン。流刑に処された女性。惑星システムを毛嫌いして脱出の為に囚人となった。
流刑により幸福の島を目指すべくユストより、エルヴィンの冷静さを信じて付いていく。
みんなを助けたいが、生き残る知識や力すらないクセにエルヴィンを振り回すだけ。
流刑を考え出したエルヴィンを非難して、危うく彼が自殺をしようとする愚行を起こす。
最後は都合良くエルヴィンが導き出せない答えを出して、惑星を脱出する事ができた。

近年の出演作に『クロス・ウォーズ』、『ミッドナイトマン』などがあります。
流刑に処された男性。通称“北極オオカミ”と呼ばれ、服役歴があって沼を知り尽くす。
流刑に対する負い目がまったくなく、一緒にいた囚人たちに高圧的な態度を取っている。
エルヴィンとクリスティとは別行動を取り、その目的は以前支配していた旧刑務所。
道中で沼にハマって死にかけるが、神を信じるヤンに救われて再び旧刑務所を目指した。
最後はマティアスと取引するも裏切られ致命傷を負うが、油断した彼を殺して服毒自殺した。

代表作に『Anna Karenina. Istoriya Vronskogo』などがあります。
流刑に処された男性。銀行家。自己紹介の時にユストから最初に死ぬと言われた。
旧刑務所の直前にノコギリ樹に襲われるも助かり、兵士が落とした銃を手に入れた。
最後はエルヴィンに協力して旧刑務所を脱出するが、ケガで運命を知って自ら死を選んだ。

代表作に『炎628』、『The Edge』などがあります。
流刑に処された男性。メンバーの中では年長者だが、ユストに黙って付いて行った。
途中でレイラが暴走して止めようとしたユストが沼にハマり、それを見て助けた。
最後は旧刑務所にたどり着くが、裏切ったマティアスに見つかり呆気なく殺された。

代表作に『ノマド』などがあります。
流刑に処された女性。他の囚人と同様に存在を主張せず、エルヴィンとユストを見ていた。
先に行っていたエルヴィンとクリスティに追いつき、一緒に行きたいと申し出る。
しかし、すぐに勘づいたエルヴィンから拒否され、そのままユストの元に戻っていった。
実はエルヴィンを殺せば自由になる取引を信じ、彼を見失いそうになって勝手な行動に出る。
最後はユストに追いかけるが、殺人カビの餌食になってしまい、そのまま死亡した。

代表作に『ヴァーサス』、『Salyut 7』などがあります。
流刑に処された男性。右目に切り傷を持つ。刑が執行されるまで薄笑いを浮かべるだけ。
みんな出発する中で一人だけ残ってやり過ごすと言ったが、光線銃で死んだと思わせた。
実は惑星システムに加担する軍人の一人で、アクセスコードを知るエルヴィンを追う事に。
旧刑務所に到着して生き残った人間を抹殺し、エルヴィンを連れて来たユストと取引する。
最後はクリスティに麻酔弾を撃ち込むが、背後から重傷を負わせたユストに刺され死亡。

代表作に『Arbitr』、『Eclipse』などがあります。
惑星システムに属する軍人。流刑の囚人たちに直接刑を言い渡し、命令を出す幹部。
エルヴィンをシールドで殺そうとするも失敗し、そのまま不機嫌になりながらも刑を執行。
実はエルヴィンが惑星システムにウイルスを流し、その解除コードを聞き出すべく手を打つ。
しかし、すべてはエルヴィンの手のひらに踊らせてしまい、ついにはシステムが停止寸前に。
最後はエルヴィンを処刑しようとするが、システムがダウンして飛行機が水中に墜落した。
感想
[個人的な評価]
本作はロシア映画の鬼才と呼ばれるティムール・ベクマンベトフの再来と評価されるドミトリー・グラチョフが監督を務めています。
ロシア映画というと『ナイト・ウォッチ』や近年公開された『オーガストウォーズ』など、独自の世界観を持つ作品が多いです。
そんな本作は宇宙にある辺境の惑星で、厳しい管理システムが敷かれる都市で犯罪を犯した者が死刑同然の流刑に処されるという物語。
都市部はほとんど描かれず、あくまで広大な沼地を舞台にしているので、絵的には代わり映えのない退屈なモノでした。
しかし、そこに棲んでいる独特な生き物たちの造形は面白く、それを実現しているCGもなかなか悪くない仕上がりだったと思います。
『オーガストウォーズ』のような金をかけた作品もできるロシア映画として、新たな世代の可能性を見出していると感じさせる。
ただ、本作はどうにも主人公とヒロインのバランスが悪く、ストーリー展開は地味で抑揚が少なかったです。
とにかく、ヒロインは無知で非力なのにみんなを助けたいという自分ができない事をやろうとして主人公を振り回します。
明らかに主人公の言っている事が正論で間違っていないのに、単なる感情論しか吐けないヒロインの存在にかなり苛立たされる。
ですが、ヒロインは「美人は許される」という事で、ヒステリックな一面を許せるほど魅力的な女性でした。
本作のタイトル「カリキュレーター」で意味は「計算機」だが、これは主人公を現し、彼がいなければ物語は成立しません。
なので、ヒロインというのは単なる付属品に過ぎないが、ラストで都合良く存在の意味合いを出したのはさすがに笑った。
確かに主人公だけだと淡々と物語をこなしてしまい、何より映像的に“華”がないのでしょうがないと思います。
本作からは男性の合理的な一面、女性の感情的な一面を強く押し出した印象があって、なんだか時代遅れなステレオタイプに見えてしまった。
悪い意味で見てしまうと、男は賢く行動力があるけど、女は見た目だけで中身がないように感じてしまった。
それが最後まで感じてしまい、映像はなかなか良かっただけに、キャラクターの設定がどうにも気に食わなかった作品となりました。
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