作品データ
あらすじ
スパイダーマンの人気は頂点に達し、ピーターも順調な生活を送る中で宇宙から謎の黒い液体がスーツに取り付いてしまう。
黒く変色したスーツを着たピーターは凄まじいパワーを持ち、性格も自己中心的になってメリー・ジェーンやハリーたちを傷つけていく。
同じ頃、物理実験場に迷い込んだピーターの伯父を殺したマルコは、体を砂の怪物に変えるパワーを手に入れてしまうのだった。
登場人物&出演者
・ピーター・パーカー/スパイダーマン(演:トビー・マグワイア)
代表作に『カラー・オブ・ハート』、『シービスケット』などがあります。
主人公。ニューヨークからスーパーヒーローに認められ、プライベートも充実している。
メリー・ジェーンが女優として落ち目になり、シンビオートのスーツで性格が自己中に。
大学の同級生グウェンを誘い、メリー・ジェーンに見せつけ、ハリーもボコボコにしていた。
ブラックスーツを脱ぎ捨てるが、エディに拾われてメリー・ジェーンが捕まってしまう。
最後はハリーと共闘してヴェノムを倒し、サンドマンを許し、再出発を親友に誓っていた。
・メリー・ジェーン・ワトソン(演:キルステン・ダンスト)
代表作に『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』、『マリー・アントワネット』などがあります。
ヒロイン。舞台女優。スパイダーマンが認めらる中で、舞台の評価が悪くなって悩み出す。
舞台の評判についてピーターに相談しようとするが、充実している彼に聞けずにいた。
舞台を降板させられ、お金を稼ぐ為にバーで歌うもピーターとグウェンのデートを知る。
以前のピーターとは別人になっている事を言って、飛び出すもヴェノムに捕まってしまう。
最後はハリーがヴェノムの攻撃で倒れ、ピーターと再出発を死にゆく親友の前で誓った。
・ハリー・オズボーン/ニュー・ゴブリン(演:ジェームズ・フランコ)
代表作に『DEAN/ディーン』、『スモーキング・ハイ』などがあります。
オズコープ社の社長。父親の負の遺産を引き継いで、ニュー・ゴブリンになってしまう。
ピーターがスパイダーマンだと知って、襲撃するも頭をケガして高校以降の記憶を失う。
記憶喪失でピーターとの友情が復活し、メリー・ジェーンの相談するも危うく一線を超える。
父親の亡霊が登場して記憶を取り戻すが、ブラックスーツのピーターにボコボコにされた。
最後は苦戦するピーターに加勢し、ヴェノム攻撃を食らって和解して穏やかに亡くなった。
・メイ・パーカー(演:ローズマリー・ハリス)
代表作に『愛しすぎて/詩人の妻』、『太陽の雫』などがあります。
ピーターの叔母。現在はアパートで一人暮らし。生活が充実するピーターに助言している。
最後はピーターがメリー・ジェーンにプロポーズすると知って喜び、自分の指輪を託した。
・グウェン・ステイシー(演:ブライス・ダラス・ハワード)
近年の出演作に『ヒアアフター』、『エクリプス/トワイライト・サーガ』などがあります。
ピーターと同じ講義を受けている。ピーターと意見が合うが、恋人がいると知っている。
写真撮影のビルがクレーンに破壊され、落ちそうになってスパイダーマンに助け出された。
スパイダーマンに市民権を与えて、公衆の面前でメリー・ジェーンとのキスを奪ってしまう。
シンビオートの影響で自己中になったピーターに誘われ、何も知らずにバーへやって来る。
最後はメリー・ジェーンに見せつける為だけに利用され、そのせいでピーターから離れた。
・ベティ・ブラント(演:エリザベス・バンクス)
代表作に『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』、『スリザー』などがあります。
「デイリー・ビューグル」の経理担当。ストレスで持病が悪化する編集長に薬の時間を管理。
写真を持ち込むエディとは顔見知りだが、変な香水をつけていた事を指摘するも無視された。
最後はエディの写真が偽物と悪いピーターから聞いて、驚いたような様子を見せていた。
・ジョセフ・“ロビー”・ロビンソン(演:ビル・ナン)
代表作に『天使にラブソングを…』、『海の上のピアニスト』などがあります。
「デイリー・ビューグル」の幹部社員。スパイダーマンか市民権を得て、素直に喜んでいた。
スパイダーマンが強盗している写真をエディが持ってくると、信じられないという表情に。
最後は悪いピーターにエディの写真は合成だとバラされ、証拠の資料を手渡された。
・J・ジョナ・ジェイムソン(演:J・K・シモンズ)
代表作に『ジャッカル』、『JUNO/ジュノ』などがあります。
「デイリー・ビューグル」の編集長。スパイダーマンが市民権を得て誰よりも納得しない。
ストレスのせいで持病が悪化し、ベティに管理されて大量の薬を飲む状態になってしまう。
スパイダーマンが強盗する写真をエディが持ってくると、採用して高らかに笑っていた。
最後は悪いピーターに合成だとバラされ、新聞で謝罪文を出し、エディを即刻クビにした。
・フリント・マルコ/サンドマン(演:トーマス・ヘイデン・チャーチ)
代表作に『ジャングル・ジョージ』シリーズ、『サイドウェイ』などがあります。
犯罪者。ベン伯父さんの殺害と銀行強盗の罪で服役する。娘に会う為に脱獄してしまう。
逃げ込んだ電子分解実験場で体を砂に変える怪人となるが、娘の元に来て手紙を手渡す。
病気の娘の為に強盗するがスパイダーマンに止められ、ヴェノムから手を組む話をされる。
ピーターとハリーの共闘で苦戦を強いられ、一時的に戦闘不能になって離脱していた。
最後は親友を亡くしたピーターから許され、砂になってどこかへ飛び去って行った。
・エディ・ブロック・Jr/ヴェノム(演:トファー・グレイス)
近年の出演作に『トラフィック』、『プレデターズ』などがあります。
カメラマン。ピーターと同じくスパイダーマンの写真を取って正社員にしてもらおうとする。
グウェン・ステーシーと付き合っていると勘違いし、自分はピーターより有能だと信じ込む。
スパイダーマンが強盗する写真で正社員になるが、悪いピーターにより合成とバラされる、
すべてを失って教会でブラックスーツを手に入れ、サンドマンと結託して復讐を開始する。
最後はピーターとハリーの共闘に反撃され、剥がされたシンビオートと爆死して消滅した。
感想
[個人的な評価]
本作はサム・ライミが監督を務めてきたシリーズの最終作となります。
当時は映画史上最高額の製作費を投じており、現在では第4位にランクされています。
この作品に関しては、今までの2作と大きく雰囲気が違っていて、ファンの間でも意見が別れているようです。
それまでうだつの上がらない人生を送っていたピーター・パーカーだが、前作でメリー・ジェーンと結ばれ、仕事も順調で充実した日々を送ります。
更にスパイダーマンも世間にスーパーヒーローとして認められ、ピーター・パーカーにとって人生の絶頂とも言える状況になっています。
逆にそれまでスポットライトに当たり続けていたヒロインのメリー・ジェーンが落ち目になって、ピーター・パーカーと立場が入れ替わってしまいます。
作品としての雰囲気が非常に暗くなっていて、それを象徴するように原作でも登場したスパイダーマンのブラックスーツが出てきます。
スパイダーマンの強力な敵として登場するサンドマンに加え、今回は原作ファンの中で人気が高いヴェノムまで登場します。
予告編が流れた時はみんな期待しましたが、実際に公開されると悪役たちの設定が変更されて不満が噴出しました。
サンドマンに関しては上手く映画の中で変更されているが、一番の問題はヴェノムの軽い扱いだったと思います。
サム・ライミ監督は原作に対する愛を作品に投影していますが、実はヴェノムというキャラクターは新参者なのです。
昔からのファンであるサム・ライミ監督自身はヴェノムというキャラクターがあまり好きじゃなかったらしく、その結果が本作の扱いそのままになったと思います。
そのせいでヴェノムファンから反感を買われたが、どうやら元々の悪役はバルチャーの予定だったというのです。
つまり、これはサム・ライミ監督がやりたかった内容ではなく、製作会社の意向に仕方なく従った結果になります。
作品自体はシリーズの人気から大ヒットしましたが、前2作と比べると、サム・ライミ監督の愛が薄かったのは明白でした。
サム・ライミ監督が作品を壊しにいっているような印象があって、ピーター・パーカーの性格が悪人みたいになるのはそういう関係性があると邪推したくなります。
それぐらい作品の中に余裕がなく、何か見えない力に流されている雰囲気があって、これはサム・ライミ監督と製作会社との関係性だと予想しています。
結局、4作目の企画があったようですが、サム・ライミは監督を降板して、結果的にリブートする事になったのです。
やはり、このシリーズはサム・ライミ監督による原作への愛で支えられており、そのまま作品の質に反映しているのが丸分かりです。
サム・ライミ監督が悪役にバルチャーを使っていたら、どうなっていたのか気になるが、もう二度と実現する事がないと考えると少し寂しいです。
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