作品データ
あらすじ
近未来、最新鋭の機能を備えたスパイダーヘッド刑務所では、ある天才科学者が管理する施設で人間の感情を操作する薬の治験が秘密裏に行われていた。
薬を与えられた者は、欲望の抑制ができず耐え難い恐怖を感じるなど、様々な症状が生じ、最悪の場合は死に至ってしまう。
ある日、過去の罪に苦しむ青年が治験参加に志願し、人体実験が繰り返される中で、彼は施設管理者の目的に疑問を持ち始めるのだった。
登場人物&出演者
・ジェフ(演:マイルズ・テラー)
近年の出演作に『トップガン/マーヴェリック』、『アメリカン・ソルジャー』などがあります。
主人公。2件の過失致死で有罪になって刑務所に服役するが、贖罪の為に薬の治験を受ける被験者となっていた。
軽食係としてリジーと気が合って仲良くなるが、スティーヴの指示で薬の作用で不満を持つ。
ヘザーと強制的な肉体関係と、過去に妻と友人を事故死させた贖罪でリジーと離れていく。
ダークフロックスの危険さを知るが、仕方なくヘザーに承認させるも彼女が死んで後悔する。
最後はマークを味方にしてスティーヴを裏切り、リジーを助けて二人だけで島を脱出した。
・リジー(演:ジャーニー・スモレット=ベル)
代表作に『ジャック』、『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒/BIRDS OF PREY』などがあります。
ヒロイン。軽食係として抜群の料理を作っている。同じ軽食係のジェフと気が合って毎回談笑していた。
施設に来てから一度も外に出た事がなく、妻に電話する為に外へ出るジェフを羨ましがる。
ヘザーがダークフロックスの液漏れで自殺し、傷心していたジェフを励まし親密な仲になる。
ジェフに窃盗罪だと言っていたが、実は赤ん坊を放置したせいで死なせた事がバラされる。
最後はダークフロックスを打ち込まれ、ジェフに自殺を阻止され、一緒に島を脱出した。
・ヘザー(演:テス・ハウブリック)
代表作に『ポリス・ストーリー/REBORN』、『サイバー・ゴースト・セキュリティ』などがあります。
治験に参加している女性。被験者の中で美人として通っていて、実験が始まってからジェフとは一度も会っていない。
実験でジェフと初対面を果たすと、ラヴアクチンにより強制的に肉体関係を持ってしまう。
その後、ラウンジでジェフと会っても気まずい雰囲気となり、結果的に一度も会話しない。
実はジェフと大柄の被験者が同じ部屋にいて、ダークフロックスを打たせる事を拒んでいた。
最後はダークフロックスをジェフが承認して打つが、液漏れで暴走して自殺を遂げてしまう。
・マーク(演:マーク・パギオ)
代表作に『Lonesome』などがあります。
アブネスティ製薬会社でスティーヴの助手を務めている。天才的な頭脳を持つスティーヴに黙って従っている。
被験者たちに直接薬を補充する担当でもあり、あくまで主導権はスティーヴが持ち従う。
N-40の効果にスティーヴと喜び、ラヴアクチンによる媚薬効果を見て欲しいと話していた。
事情を知ったジェフから治験が非人道的だと説得され、スティーヴの薬を勝手に変更した。
最後は警察を連れて施設まで向かい、飛行機で逃げたスティーヴが山に衝突する様子を見た。
・スティーヴ・アブネスティ(演:クリス・ヘムズワース)
近年の出演作に『ソー:ラブ&サンダー』、『タイラー・レイク/命の奪還』などがあります。
天才科学者。製薬委員会の指示に従って、治験の被験者たちに行われる実験について責任者として振る舞っていた。
規約のギリギリで被験者たちに快適な環境を与え、薬ごとに名前をつけて効果に一喜一憂。
実は自分自身にも薬を投与して楽しんでいたが、あくまで人を命令通りに従わせる事が目的。
その正体はアブネスティ製薬会社の社長で、薬の効果を示して世界を安全にしようとした。
最後はマークの裏切りでジェフの言いなりになり、飛行機で脱出するも薬で山に衝突し死亡。
感想
[個人的な評価]
本作はNetflixで独占配信された作品となります。
この作品はジョージ・ソンダーズの短編小説『Escape from Spiderhead』を実写映画化舌作品となっています。
現在、大ヒットしている『トップガン:マーヴェリック』のジョセフ・コシンスキーが監督を務めています。
話題のジョセフ・コシンスキーがNetflixのオリジナル映画に監督した作品という事で、それなりに注目されています。
更にクリス・ヘムズワース、マイルズ・テラー、ジャーニー・スモレット=ベルなどが出演している事から少しだけ期待しました。
近未来の治験で被験者は犯罪者となっていて、彼らに薬の効果を試す代わりにある程度の自由がある生活を与えるという感じになります。
主人公はマイルズ・テラーであるが、それ以上に存在感を出しているのは実験の責任者を演じているクリス・ヘムズワースだろう。
今では雷神ソーのイメージが強いクリス・ヘムズワースだが、実は地味にいろんな作品で製作などにも関わっていて、映画製作の方面でも活躍しています。
本作では主演と言ってもいい感じであるが、雷神ソーと違って己の利益を考えている製薬会社の社長として悪役に徹している。
一見して無邪気な笑顔であるけど、その裏にある独りよがりな実験の恐ろしさ、被験者を単なる実験道具としてしか考えないサイコな思考はなかなか良い。
それに対して、過去に犯した過ちへの贖罪をずっと抱える主人公やヒロインなど、彼らの持つ闇もそれなりに描写していました。
世界観や設定は悪くないですが、決定的にストーリーが面白くない上に、治験を行う世界の状況がまったく分からないから実験に説得力がない。
最終的な目的は上辺だけを取り繕っているのか、本気で言っているのか、それを裏付けするような描写が一切ないのは微妙でした。
それでも、雷神ソーとはまったく違うイメージを出そうとするクリス・ヘムズワースの挑戦は非常に面白いと感じさせる作品でした。
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