作品データ
あらすじ
第二次世界大戦中の1943年8月、ニュージランドのオークランド空軍基地から17大型爆撃機「フールズ・エランド号」に、モード・ギャレット空軍大尉が乗り込んだ。
モードはある最高機密をサモアまで運ぶ任務を帯びるが、乗組員7名は女性が搭乗する事に大きな反発をして嘲笑するような言葉を投げていた。
離陸したフールズ・エランド号は高度2500メートルの上空に達し、モードは右翼の下部で不気味な生き物を目撃すると銃座に閉じ込められた彼女に襲いかかるのだった。
登場人物&出演者
・モード・ギャレット(演:クロエ・グレース・モレッツ)
近年の出演作に『マザー/アンドロイド』、『トムとジェリー』などがあります。
主人公。アメリカ空軍将校。整備と操縦ができる。過去に航空輸送補助隊として200時間以上も空を飛んだ経験を持つ。
乗組員たちからずっと怪しまれていて、極秘任務が偽装だとバレるも未知の生物を目撃した。
銃座を襲う未知の生物に追い返し、日本軍の襲撃を受けて銃座などで二機を撃ち落とした。
ウィリアムズと航空機を不時着させると、生きていたウォルターからプロポーズを受けた。
最後はしつこい未知の生物から赤ん坊を奪い返し、圧倒的な力で倒して乳をあげて安堵した。
・ウォルター・クエイド(演:テイラー・ジョン・スミス)
代表作に『アウトポスト』、『ザリガニの鳴くところ』などがあります。
「フールズ・エランド号」の二等空曹。航空機に乗り込んできたモードを見て、他の人よりも優しく接する。
銃座に押し込められる事になったモードの代わりとして、カバンを必ず守ると誓って預かる。
モードの正体がバレて、実は不倫相手でカバンの中身が赤ん坊と知られて必死に守っていた。
未知の生物に襲われて死んだと思われたが、実は生きていてモードの代わりに赤ん坊を見る。
最後は不時着してモードに結婚を申込み、未知の生物を倒した彼女を見て圧倒されていた。
・ベッケル(演:ニック・ロビンソン)
代表作に『ジュラシック・ワールド』、『フィフス・ウェイブ』などがあります。
「フールズ・エランド号」の二等兵で尾部銃座にいる。童貞で航空機に乗り込んできたモードが気になっていた。
モードを直接見る事ができず通信で積極的に会話して、好きな女性がいると振り返っていた。
日本軍の奇襲で応戦する中、未知の生物を目撃してモードの話は本当だとみんなに話した。
モードが機内へ戻ってきた姿を見て驚き、日本軍の航空機を撃墜させた姿に驚いていた。
最後は不時着し未知の生物をモードが倒し、偽装した事をウィリアムズとなかった事にした。
・ウィリアムズ(演:ビューラ・コアレ)
代表作に『アメリカン・ソルジャー』、『デュアル』などがあります。
「フールズ・エランド号」の大尉で副操縦士。元々はニュージーランド空軍の兵士で褐色の肌を持っている。
人種のせいで他の乗組員からあまり信用されていないが、副操縦士として機長に従っていた。
日本軍の奇襲を受けて機長と対応していたが、モードが一機を撃墜させた事から認めていた。
機長が銃撃で死亡してモードに不時着を提案されると、戸惑いながら準備をして成功させた。
最後は赤ん坊を奪おうとした未知の生物をモードが倒し、彼女の偽装について黙ると誓った。
・ドーン(演:ベネディクト・ウォール)
代表作に『The Pretend One』、『パーキングエリア』などがあります。
「フールズ・エランド号」の二等兵。モードが航空機に乗り込むと、ニヤけた顔を見せながら声をかけていた。
タガートと一緒になってモードに下ネタを遠慮なく言って、ずっと侮辱する言葉を口にする。
モードの正体がバレてウォルターと関係があると分かり、ガッカリする罵詈雑言を浴びせる。
未知の生物を目撃してタガートに言っていたが、信じてもらえず日本軍の奇襲に応戦した。
最後は銃座から戻ったモードを女神だと口にしたが、直後に日本軍の銃撃を食らって死亡。
・タガート(演:バイロン・コール)
代表作に『Daffodils』、『Home by Christmas』などがあります。
「フールズ・エランド号」の二等空曹で通信士。航空機に乗り込んできたモードから油圧器の調子が悪いと言われる。
勝手に乗り込んできたと最初は思っていたが、少佐からの極秘任務だと機長に知らせに行く。
搭乗を許されたモードを銃座に押し込む間、ずっとドーンとともに暴言を吐いてバカにする。
未知の生物に発砲したモードを出そうとするが、手動に切り替えられて機長に報告していた。
最後は未知の生物に襲われるモードを助け、赤ん坊を守るように言うも機外へ飛ばされ死亡。
・フィンチ(演:ジョー・ウィロコフスキー)
代表作に『ガンズ・アキンボ』などがあります。
「フールズ・エランド号」の中尉で航空士。航空機に乗り込んできたモードを見て、ドーンと同じく下心で見ていた。
搭乗を許されたモードを銃座に押し込む間、ドーンやタガートと同じく暴言を吐いていた。
日本軍による奇襲を受けて銃撃で応戦し、銃座から来たモードを見て素直に驚いていた。
モードの正体がバレると、カバンを横取りしようとウォルターから無理やり奪い取っていた。
最後は不時着するとモードから聞いてパニックになるが、直後に日本軍の銃撃で死亡した。
・リーヴス(演:カラン・マルウェイ)
近年の出演作に『グレイマン』、『ティル・デス』などがあります。
「フールズ・エランド号」の機長。出発ギリギリで乗り込んできたモードの極秘任務を見て仕方なく乗せた。
身元確認するまで信用できず、タガートたちに銃座へ待機するように命令して出発していく。
通信のやり取りで未知の生物を見たというモードの言葉を信じず、彼女の素性に疑問を持つ。
モードの正体が分かって極秘任務が偽装だと判明し、基地に引き返す決断をして旋回させた。
最後は日本軍の奇襲で応戦し、コクピックまで来たモードに驚いた直後に銃撃で死亡した。
感想
[個人的な評価]
本作は『第45回トロント国際映画祭』にてプレミア上映された作品となります。
この作品は脚本のマックス・ランディスが過去に問題を起こし、クレジットから名前を消すリライト作業するも結局は残っています。
時代背景が第二次世界大戦の真っ只中という事もあって、女性が兵士というのは当時は認められていない感じが伝わってきました。
特に序盤では主人公のモードに対する乗組員たちの暴言とも言える女性を差別した言葉の数々は聞いていてもいい気分はしない。
ただ、これは当時だと当たり前だった事を考えると、戦争で男たちが心を疲弊している裏返しとも言えるだろう。
そんな環境の中で目的を果たそうとする主人公を演じるクロエ・グレース・モレッツの存在感が圧倒的でした。
銃座に入ってから主人公がずっと画面に映りながら、様々な暴言を聞いている状態で反論なんかもして異変に気づいていく感じになります。
物語において3つの事実が同時進行して、主人公の極秘任務、日本軍の襲撃、そしてメインとなる未知の怪物による航空機の破壊工作となります。
同時進行だと人が絡んでややこしくなるが、そこは主人公だけに視点を置いた構成は非常に上手く作用していたと思います。
何よりクロエ・グレース・モレッツを起用した意味が大きく、序盤で見せられる一人芝居に説得力を持たせてくれています。
日本軍の襲撃と未知の怪物という脅威の中、主人公自身の素性がバレて、3つの視点から危険が及ぶところも上手く終着点を合わせているのは面白いです。
特に主人公の正体が明かされてからのテンポが早くなり、メインとなる未知の怪物との対決もまた引きつけるところがあります。
ただ、いくら主人公が赤ん坊を守るという強い目的があるとしても、さすがにムリのある展開についてはツッコミを入れたら負けだろう。
予想外の展開となった終盤、主人公のあまりにも強すぎる身体能力と運について、なんだか80年代や90年代の映画を思い出させます。
ラストで未知の怪物が主人公にビビって逃げようとする展開も、ありそうで実はなかったオチもまた良かったです。
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