【パラサイト/半地下の家族】RE-3363

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作品データ

公開年月 2019/05/30
ジャンル サスペンス/コメディ
原作 なし
監督 ボン・ジュノ
脚本 ボン・ジュノ、ハン・ジンウォン
製作 クァク・シネ、ムン・ヤングォン、ほか
製作国 韓国
鑑賞方法 レンタルDVD

あらすじ

仕事も計画性もない楽天的な父キム・ギテク、甲斐性なしの夫に強く当たる母チュンスク、大学受験に落ち続ける息子ギウ、美大を目指すも予備校に通う金がない娘ギジョン。
内職で日々を繋ぐ一家は“半地下住宅”に暮らす貧しい家族で、ある時、ギウはエリート大学生の友人から家庭教師のアルバイトを頼まれる。
それはIT企業の社長パク・ドンイク一家が暮らす高台の大豪邸で、パク一家の心を掴み、ギジョンを家庭教師として紹介し、そこである仕掛けをしていくのだった。

登場人物&出演者

【キム家】

ギテク(演:ソン・ガンホ)

近年の出演作に『麻薬王』、『タクシー運転手/約束は海を越えて』がある。

キム一家の大黒柱。以前はタクシーの運転手をしていたが、今では失職して家にずっといる。

内職で日銭を稼ぐ貧乏な状態でも一切悲観せず、家族に前向きな生き方を説いていた。
ギウが家庭教師になってから生活が潤い、息子の計画をこなしてパク家の運転手となる。
真面目に運転手をするが、ドンイクの貧乏人が放つニオイを嫌う言葉を聞いて気にしていた。
最後はドンイクの貧乏人のニオイを嫌う姿でキレて刺し殺し、地下室で逃亡生活を送る。

チュンスク(演:チャン・ヘジン)

代表作に『シークレット・サンシャイン』、『我が家』などがあります。

キム一家の母親。元女子ハンマー投げのメダリスト。現在はみんなで内職をして食い繋ぐ。

内職の不出来に業者から文句を言われるが、先頭に立って反論するもギウに止められた。
次々とパク家に寄生する家族で最後に家政婦として加入し、計画がほぼ完成を迎えていく。
前の家政婦だったムングァンに脅されるが、反撃して地下室に突き落とし、パク家に留まる。
最後はグンセの暴走では果敢にも攻撃し、悪事がバレてギウと執行猶予の有罪を受けた。

ギウ(演:チェ・ウシク)

代表作に『巨人』、『新感染/ファイナル・エクスプレス』などがあります。

キム一家の長男。フリーター。兵役の前後で4回大学入試を受けるもすべて落ちてしまっている。

ミニョクから家庭教師とウソをつく必要性を言われ、寄生する計画を立てて動いていく。
ダヘの心を掴んでパク家の情報を引き出しながら、両親や妹に完璧な演技をさせていった。
地下室のグンセたちを見て少し同情し、誕生日会で山水景石を持っていって反撃を受ける。
最後は反射的に笑う後遺症を残すが、地下室で生きる父親を知って、家を買おうと計画した。

ギジョン(演:パク・ソダム)

代表作に『京城学校:消えた少女たち』、『プリースト/悪魔を葬る者』などがあります。

キム一家の長女。美大の入試に失敗する。書類偽造が得意。お金がないせいで予備校に通えず。

ギウの大学卒業証書を偽装し、ダソンの家庭教師を求めるヨンギョに美術の先生として来る。
ネットで調べた適当な学術を並べ、ダソンのトラウマを話すと信頼を得て仕事を獲得する。
計画を立てるギウと組んでパク家を上手く騙し、家族全員を寄生させる事に成功させる。
最後は誕生日会でグンセが現れると、真っ先に狙われて包丁で刺されるとそのまま死亡した。

【パク家】

ドンイク(演:イ・ソンギュン)

代表作に『ひとまず走れ』、『最後まで行く』があります。

IT企業の社長。豪邸を買ってから会社の業績が伸びる。何不自由ない生活を送っている。

ギウの有能さを妻から聞いて、運転手や家政婦が変わっても疑うような思考力はない。
唯一、ギテクから漂っている貧乏人特有のニオイだけに気づくが、本人には一切言わない。
キム家が隠れるリビングで妻に貧乏人のニオイを話し、ちょっとばかり小バカにしていた。
最後は誕生日会でグンセのニオイに不快感を出し、それを見たギテクに刺されて死亡した。

ヨンギョ(演:チョ・ヨジョン)

代表作に『いい人がいれば紹介して』、『ワーキング・ガール』がある。

ドンイクの妻。若くスタイルもいいが、簡単に人を信じてしまう。家事は一切できない。

ミニョクから紹介されたギウの授業に感心すると、報酬を更に高くして簡単に受け入れた。
ギウから紹介されたギジョンを本物の先生だと騙され、ダソンのトラウマを聞いて信じる。
運転手や家政婦まで追い出すが、新しく雇ったキム家の貧乏人が持つニオイが気になった。
最後はグンセの暴走で誕生日会が台無しになり、夫もギテクに殺され、子供たちと家を去る。

ダヘ(演:チョン・ジソ)

代表作に『ドーター』、『隻眼の虎』などがあります。

ドンイクとヨンギョの娘。高校二年生。受験生でミニョクを気に入っていて不安を募らせる。

代わりにやって来たギウの計画によって接触を受けて、そのまま彼を気に入ってしまう。
ミニョクを捨ててギウを選ぶと、親密になっていき、弟の天才じゃないと告げ口をしていた。
キャンプに行く時は家に残りたいと両親に言うが、結局は説得されて仕方なく行ってきた。
最後はダソンの誕生日会に参加せず、グンセに頭を割られたギウを力強く担いでいた。

ダソン(演:チョン・ヒョンジュン)

本作が長編映画デビュー作となります。

ドンイクとヨンギョの息子。アメリカのインディアン好き。ボーイスカウトもしている。

広い豪邸をオモチャの弓矢で遊んで落ち着きがないが、両親からは厳しい言葉は言われない。
ギジョンが家庭教師となってから大人しくなり、それまでの奇行がすべてなくなっていく。
実は家政婦のムングァンとメールのやり取りをして、キャンプで家を空けると話していた。
最後は両親が華やかな誕生日会をするが、トラウマとなったグンセを見て卒倒した。

【その他】

ミニョク(演:パク・ソジュン)

代表作に『ビューティフル・インサイド』、『ミッドナイト・ランナー』などがあります。

ギウの友人。名門大学に通うダヘの家庭教師。留学が決まってギウに家庭教師を頼もうとした。

祖父の山水景石を持ってきて挨拶すると、意外にも知っていたギテクに驚いていた。
最後は留学から帰ったらダヘと付き合うと宣言し、信頼するギウに家庭教師を任さた。

ムングァン(演:イ・ジョンウン)

代表作に『ワニ&ジュナ/揺れる想い』、『焼肉ドラゴン』などがあります。

パク家に家政婦として働いている。パク家が豪邸に来る前からも家政婦をずっとしていた。

家政婦としてパク家に忠実に対して忠実な仕事をして、ダソンにも好かれていた。
しっかり仕事をするが、二倍も食べる事が問題と言われ、実は桃アレルギーだと判明する。
キム家の策略で家政婦をクビになるが、夫の為に食べ物を持ってきて地下室をバラした。
最後はキム家を脅すが、反撃に遭って地下室に落とされ、頭を打ったせいでそのまま死んだ。

オ・グンセ(演:パク・ミョンフン)

代表作に『Ash Flower』、『雪路』などがあります。

ムングァンの夫。パク家の地下室に4年以上も住んでいた。ムングァンしか存在を知らない。

家政婦をクビになったムングァンがやって来ると、食料を持ってきて一生懸命食べていた。
実は数年前にカステラの店を潰してしまい、借金取りから逃げる為に地下室で暮らしていた。
過去に地下から出てダソンに姿を見られ、幽霊としてトラウマを植え付けた張本人と判明。
最後は地下に来たギウに反撃して頭を割り、ギジョンを刺し殺すが、ギテクに殺された。

感想

[個人的な評価]

評価 :3.5/5。

本作は『第72回カンヌ国際映画祭』にてパルム・ドールを受賞し、『第92回アカデミー賞』にて作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞を受賞しています。
アカデミー作品賞とカンヌのパルム・ドールを同時に受賞した作品として1955年に公開された『マーティ』以来の快挙となります。
この作品によって韓国映画というモノが世界に認知され、国策とも言える文化を広める結果をしっかりと出しています。
ただ、個人的に話題となった作品に関して毎度のように懐疑的な考えを持ってしまい、話題になっているうちは鑑賞しません。
どうしても気になる作品なら、自分から鑑賞していきますが、正当な評価と感じない場合は時間を開けてしまいます。
確かに韓国映画は高いクォリティーを持っていて、特に近年の作品はすべてにおいて面白さもしっかりと付いてきている。
そんな本作をついに鑑賞する時が来ましたが、率直な感想として、一生懸命ロビー活動をした結果がちゃんと出たと感心しました。
ハッキリ言って、作品としての面白さは中盤までで、どういうオチになるのか期待したが、まさかの強引な力業に持っていくのはガッカリでした。
あれだけ半地下で暮らすキム家、豪邸に暮らすパク家の対比を皮肉っていたのに、なぜラストのオチをすべてぶっ壊す方向にしたのか分かりません。
多分、これをすべて打ち壊したいというメッセージがあるかもしれないが、作品の性質から考えると、それは違うのではないかと感じた。
そもそも、本作はそこまで深く練り込まれているワケじゃなく、単純な韓国における貧富の差を風刺しているだけなので、崇高な内容とは違っていると思います。
中盤以降では順調に行っていた状況が崩壊していくが、それによってオチに繋がるけど、あの綿密な計画と比べてあまりにも雑に感じたところがある。
すべてを完璧な計画にする必要はないが、どうせなら最後まで計画で通して欲しかったです。
父親が無計画こそが最強とか言っているけど、個人的にはそれだと彼らが積み上げてきたモノがすべて無意味になってしまう。
敢えてそうやっているならスゴイが、そうじゃないならば、最後まで計画を意識した展開ならば満足できたかもしれない。
とにかく、アカデミー賞をとる作品というのはロビー活動の他に、社会風刺があれば受けがいいところもまた狙い通りだったと思います。
ですが、今までアカデミー賞をとった作品で面白いよりも期待ハズレが多かった分、本作は比較的マシな方でした。

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