作品データ
あらすじ
落ち目のテレビ俳優リック・ダルトンは、復活の道が拓けず焦りと不安を募らせる中、スタントマンとして公私に渡って支えてきたクリフ・ブースが彼を慰めていた。
高級住宅地にあるリックの豪邸を手放さなければならなり、クリフはヒッチハイクをしていたヒッピーの少女との出会いコミューンまで送り届けていた。
いよいよ追い詰められたリックはイタリアにチャンスを求め、マカロニ・ウェスタン映画への出演を決意するのだった。
登場人物&出演者
・リック・ダルトン(演:レオナルド・ディカプリオ)
近年の出演作に『地球が壊れる前に』、『レヴェナント:蘇えりし者』などがあります。
主人公。西部劇ドラマ『賞金稼ぎの掟』シリーズで人気を博したテレビ俳優。現在はスランプ状態で悩んでいる。
悪役としてインパクトを残すが、落ち目だと自覚していて役者として先に不安を持っている。
シュワーズからイタリア映画に誘われ、悩みながらも悪役として再興の演技で決意を果たす。
半年間もイタリアで成功を収め結婚までするが、クリフとのコンビを解消すると決めていた。
最後は自宅にテックスたちが襲撃し、セイディを火炎放射器で倒してシャロンに挨拶した。
・クリフ・ブース(演:ブラッド・ピット)
近年の出演作に『アド・アストラ』、『ビューティフル・ボーイ』などがあります。
リックの親友で専属のスタントマン兼付き人を務める。戦争の帰還兵。トレーラーハウスで暮らしている。
落ち目だと自覚するリックの悩みを聞いていて、何があっても彼をサポートすると宣言する。
『グリーン・ホーネット』のブルース・リーと対決し、互角の勝負をするクビになった。
リックとともにイタリアへ渡りスタントマンとして活躍し、コンビ解消の話しに納得した。
最後はテックスたちの襲撃を受けて平然と倒し、重傷を負うもリックに心配させず病院へ。
・シャロン・テート(演:マーゴット・ロビー)
近年の出演作に『スキャンダル』、『ふたりの女王/メアリーとエリザベス』などがあります。
ハリウッドで売り出し中の若手女優。ロマン・ポランスキー監督と結婚し、リックの隣に引っ越してきた。
隣人であったリックたちとは一切の面識がなく、ハリウッドの派手な世界を楽しんでいた。
元恋人で付き添い人となったジェイといつも家にいて、良き友人として一緒に過ごしていた。
チャールズ・マンソンが前の住人に恨みを持っていたが、事情を知らずジェイが追い返した。
最後はリックたちがテックスたちを倒し、彼らの無事を知って挨拶する為に家へ迎えた。
・ジェイ・シブリング(演:エミール・ハーシュ)
近年の出演作に『ミッドナイト・キラー』、『カムバック・トゥ・ハリウッド!!』などがあります。
シャロンの元婚約者。現在は友人でヘアスタイリスト。他にスティーヴ・マックイーンのヘアメイクを担当している。
家を留守にするポランスキーの代わりとしてシャロンの世話役を担い、友人として接する。
実際はポランスキーがやらかして、シャロンと離婚すると目論んでチャンスを待っている。
リックの家にテックスたちが襲撃して、警察などの騒ぎを聞いて正門越しに声をかけた。
最後はリックの出演作を知っていて、インターホンからシャロンが誘って彼を家に招いた。
・トルーディ・フレイザー(演:ジュリア・バターズ)
代表作に『クレイマン』、『フェイブルマンズ』などがあります。
『対決ランサー牧場』でリックと共演した子役の役者。8歳でありながらプロ意識が高く強いこだわりを持っている。
撮影の合間に「ウォルト・ディズニーの伝記」を読んでいて、そこにリックが来て挨拶した。
リックが読んでいた小説について聞くと、自分の人生に重ね合わせた彼の心情を汲んでいた。
ドラマの撮影が始まると、人質として捕らわれた状態でリックによる熱演を間近で受けた。
最後は圧倒的な存在感を示したリックの演技を高く評価し、彼を励ますような形となった。
・マーヴィン・シュワーズ(演:アル・パチーノ)
近年の出演作に『アイリッシュマン』、『ボーダーライン:ソマリア・ウォー』などがあります。
映画プロデューサー。テレビ映画の悪役として活躍していたリックを高く評価し、イタリア映画の誘いをする。
リックが悪役として自分の価値を貶めているという正論を言って、彼に新たな道を示した。
西部劇こそリックにとって最も輝ける場所で、本場であるイタリアに行くべきだと説得した。
リックが主演していたテレビドラマを見ていると、その演技こそ説得力があるとして認める。
最後はイタリアでマカロニ・ウェスタンの映画監督に電話し、リックをスカウトさせた。
・プッシーキャット(演:マーガレット・クアリー)
代表作に『DeahtNote/デスノート』、『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』などがあります。
「マンソン・ファミリー」のメンバー。他の仲間と街中でゴミを漁りながら、いつもヒッチハイクをしていた。
リックの家に帰る為に車を運転していたクリフを見かけ、笑顔を向けて軽く挨拶していた。
二度目は仲間とベンチでヒッチハイクをしていて、クリフを見かけるも拒否されてしまう。
一人でヒッチハイクしているとクリフに拾われ、牧場まで送ってもらい家まで迎え入れた。
最後はクリフによって仲間が殴られてしまい、恥をかいたとして文句を言うも無視される。
・ケイティ/パトリシア・クレンウィンケル(演:マディセン・ベイティ)
代表作に『ザ・マスター』、『降霊会/血塗られた女子寮』などがあります。
「マンソン・ファミリー」のメンバー。赤毛でウェーブのかかった長髪が特徴。チャールズを信奉している一人。
チャールズの指示でシャロンの殺害に来るが、私道に入ってブチ切れたリックを睨んでいた。
リックが有名な俳優だと思い出してテックスと盛り上がると、殺す価値があると認めていた。
テレビのような残酷な殺害を提案したセイディに乗って、襲撃してリックの妻を連れ出した。
最後はクリフに重傷を負わせるも効かず、顔面を何度も叩きつけられて呆気なく死亡した。
・セイディ/スーザン・アトキンス(演:マイキー・マディソン)
代表作に『モンスター:その瞳の奥に』、『スクリーム/2022年版』などがあります。
「マンソン・ファミリー」のメンバー。黒髪と青白い顔が特徴。チャールズを強く信奉している一人となる。
チャールズの指示でシャロンの殺害に向かうと、私道に入ってリックにブチ切れてしまう。
リックが有名な俳優でテックスとセイディが盛り上がるが、まったく知らず苛ついていた。
テレビで殺しについて見せてきた役者を逆に殺すべきだと提案し、みんなを焚き付けた。
最後は襲撃するもクリフの反撃と飼い犬の攻撃で重傷を負い、リックに焼き殺されてしまう。
・テックス/チャールズ・ワトソン(演:オースティン・バトラー)
代表作に『コンビニ・ウォーズ/バイトJKvsミニナチ軍』、『デッド・ドント・ダイ』などがあります。
「マンソン・ファミリー」のメンバーでチャールズに次ぐ地位を持つ。乗馬にやって来た客人の相手をする。
誰よりもチャールズを信奉していて、彼の言う事に対して疑う事なく信じて実行をしている。
牧場で仲間がクリフに殴り倒されると、呼び出されて慌てて駆けつけるも間に合わなかった。
チャールズに言われシャロンの殺害に向かうが、私道に入ってリックにブチ切れられていた。
最後はリックを殺害しようと襲撃するが、クリフと飼い犬による反撃であっさり殺された。
感想
[個人的な評価]
本作は『第92回アカデミー賞』では助演男優賞、美術賞を受賞しています。
この作品は他に『第77回ゴールデングローブ賞』にてミュージカル・コメディ武門で作品賞、脚本賞、助演男優賞を受賞し、『第72回カンヌ国際映画祭にも出品されています。
もはや、単なる映画オタクだったクエンティン・タランティーノが監督として名を知らしめるブランド力による勢いがあった作品でした。
個人的にはクエンティン・タランティーノ監督の作品はほぼハマる事がなく、ムダに長い意味のない会話シーン、映画オタクなギミックについて好きにはなれません。
ただ、批評家の間で高い評価を受けている意味が未だに分からず、娯楽映画を第一にする自分とは相性が悪いと思っています。
そんな本作は3時間も近い上映時間という事でずっと避けていましたが、とある企画によって仕方なく鑑賞する事にしました。
やはり、タランティーノ節が随所に現れていて、大量に出てくるちょい役の有名な役者たちで意味のない尺を取られ、本来のストーリーも少し分かりづらい感じでした。
あまりにも贅肉がついた作品というイメージがあって、編集でカットできる部分が非常に多いけど、これを敢えてやっているのはタランティーノ監督だからだろう。
それこそ、この贅肉こそがタランティーノ監督の持ち味であり、スマートな映画など彼のやり方じゃないと分かっています。
だからこそ退屈に感じてしまう部分が大半で、ブラックユーモアは笑えないし、感動するワケでもないし、感心を持たせるような仕掛けがあるワケじゃない。
では、なぜ評価されているのか分かりませんし、単純に感性が合わないので何をしたって個人的に面白いと思えなかったのです。
ただ、贅肉を削ぎ落としていくと、単純に主人公と相棒による男の友情、ハリウッドを変えてしまった悲惨な事件を変えたいというタランティーノ監督のメッセージを感じた。
ラストの20分ぐらいから物語がようやく動き出すが、そこには緊張感はなく、グロテスクなシーンを面白おかしくするところもタランティーノ監督らしい印象でした。
長丁場の上映時間と面白さが割に合っていないと最初から分かっていたが、レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットの演技力と共演だけでも充分でした。
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