作品データ
あらすじ
郊外に暮らす中年男のハッチは、自宅と職場を路線バスで往復するだけの退屈な毎日を送っていた。
地味で特徴のないハッチは暴力や衝突を避けて平和的に生きようとしただけなのに、ついには妻いも息子にもバカにされてしまう。
そんな時、バスでチンピラのグループと遭遇し、冷静だったハッチは理性のタガが外れて暴力への快感を得ていくのだった。
登場人物&出演者
・ハッチ・マンセル(演:ボブ・オデンカーク)
代表作に『ケーブルガイ』、『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』などがあります。
主人公。金型工場に勤める会計士。平凡で退屈な毎日を送っている。将来は勤めている会社を買い取ろうとする。
泥棒に入られても相手の心理状況をすぐに見抜いて何もしないが、息子に腰抜けと呼ばれる。
過去に従軍した経験を持つ程度しか知られておらず、その正体は標的を抹殺する危険人物と判明。
金型工場を買い取って罠を仕掛け、ユリアンの資金をすべて焼いて、父親とハリーと合流した。
最後はロシアン・マフィアを全滅させ、新たな家の購入で妻とは以前よりも絆が深まっていた。
・ベッカ・マンセル(演:コニー・ニールセン)
近年の出演作に『インヘリタンス』、『ワンダーウーマン/1984』などがあります。
ハッチの妻。キャリアウーマンとして働いている。ハッチとは微妙な距離となっている。
ハッチは平凡な男だとずっと思っていて、泥棒が入っても彼が反撃しなかった事に何も言わず。
ロシアン・マフィアをボコボコにしたハッチにより、家がメチャクチャになって呆然としていた。
ハッチに危険だと言われて安全な場所に行くが、彼が戻ってくる事を願って去っていった。
最後は新たな家を購入する為に下見すると、ハッチの裏を認めて地下室があるか確認していた。
・ブレイク・マンセル(演:ゲージ・マンロー)
代表作に『あの頃、ティファニーでの』、『ゲスト・オブ・オナー』などがあります。
ハッチの息子。平凡で退屈な父親に嫌気が差している。いつもスマホに集中して父親の話を聞かない。
泥棒に侵入された夜に起きていて、父親が何もしない代わりに犯人に飛びついて捕まえていた。
父親が何もせずに泥棒たちを逃した事で更にガッカリして、以前よりも軽蔑する視線を向ける。
サミーのネックレスを取り戻そうと暴走してケガした父親を見て、雰囲気の違いに圧倒される。
最後はロシアン・マフィアとの激闘で家がメチャクチャになり、母親と妹と安全な場所に行った。
・サミー・マンセル(演:ペイズリー・カドラス)
代表作に『Harland Manor』などがあります。
ハッチの娘。平凡で退屈な父親を家族の中で一番認めている。見下すような兄とは違って親しい。
泥棒に侵入された夜には熟睡していて、警察がやって来てから起こされて恐怖を覚えてしまう。
次の日にはなかなか寝る事ができず、リビングで寝ていた父親の元に行って猫が欲しいと語る。
父親からもらったネックレスがないと話し、泥棒が盗んだという早合点を生む原因を作る。
最後はロシアン・マフィアとの激闘で家がメチャクチャになり、母親と兄と安全な場所に行った。
・エディ・ウィリアムズ(演:マイケル・アイアンサイド)
近年の出演作に『グラビティ/繰り返される宇宙』、『ザ・コンフェント』などがあります。
ハッチの義父で金型工場のオーナー。一代で工場を作っている誇りを持っている。
ハッチの家に泥棒が入った事を知って、彼が最小限の被害にしようとした考え方に賛同した。
以前からハッチに工場を買い取りたいという話しを出されるが、金額にあまり満足しておらず。
最後はハッチが持ってきた金塊で売却をすぐに承諾し、困惑していた息子とすぐに出て行った。
・デヴィッド・マンセル(演:クリストファー・ロイド)
近年の出演作に『キリング・タウン/殺人鬼が潜む町』、『ミューズ』などがあります。
ハッチの父親。元FBI捜査官。老人ホームに入っている。一日中テレビの前に座ってボーッと見ている。
泥棒に入られて一瞬昔の自分に戻ろうとしたハッチが訪ねてくると、その状況を察していた。
ハッチが来て昔のIDと銃を取られるが、過去の自分に戻ろうとする彼の行動に賛同した。
ロシアン・マフィアに狙われるとハッチに言われると、万全の態勢で迎撃して姿を一時的に消す。
最後は金型工場でハリーとともに助力し、唯一無傷で乗り切って楽しかったと言って逃げた。
・ハリー・マンセル(演:RZA)
近年の出演作に『ライフ・イン・ア・イヤー/君と生きた時間』、『デット・ドント・ダイ』などがあります。
ハッチの異母兄弟。平凡の男を演じ続けていたハッチと連絡を取り合う。バイオリンの練習をずっとしていた。
ハッチの自宅に泥棒が入って何もしなかった事を知っていて、詳しい状況を聞いて安堵した。
ロシアン・マフィアを叩きのめしたハッチに忠告し、理髪師に会うように助言をしていた。
金型工場でロシアン・マフィアに追い詰められたハッチを助け、狙撃銃で敵を次々と射殺した。
最後は左肩を撃たれてしまうが、ロシアン・マフィアを全滅させて、満足する父親と去った。
・理髪師(演:コリン・サーモン)
近年の出演作に『エンド・オブ・キングダム』、『バイオハザードⅤ:リトリビューション』などがあります。
ハッチの過去を知っている謎の人物。理容室で必要な情報を渡す存在としてハリーに行くよう言われた。
仕方なくハッチがやって来ると、ちょうどヒゲを剃ってもらっているところで話しを始める。
相手がロシアン・マフィアでユリアンは危険な悪党だと説明し、厄介な相手だと評していた。
最後はハッチにロシアン・マフィアのユリアンの危険さを改めて話すも真剣に聞いてもらえず。
・ユリアン・クズネツォフ(演:アレクセイ・セレブリャコフ)
代表作に『棺材200』『裁かれるは善人のみ』などがあります。
ロシアン・マフィアのボス。ロシアン・マフィアの年金基金を管理している。ナイトクラブを経営している。
自分が世界の中心という立ち回りをして、反抗的な態度を取る者には容赦ない死を与えている。
実は年金基金の管理という仕事にウンザリしていて、すぐにでも辞めたいとずっと思っている。
弟がハッチによって瀕死状態にされると、メンツを潰されたとして手下を使って生け捕りを図る。
最後はハッチたちの反撃で手下が全員殺られると、地雷を正面から食らって爆死してしまう。
感想
[個人的な評価]
本作は新型コロナウイルスの影響で半年後の劇場公開となります。
この作品はタイトルの「NOBODY」の意味は「何者でもない」となっています。
これは主人公であるハッチというキャラクターを表していて、実は二つの意味を持っています。
物語の冒頭では同じような生活のサイクルを見せており、主人公のハッチが平凡な日々を送っているシーンが連続します。
つまり、それこそハッチは「何者でもない」と言えるぐらい、個性を感じさせない冴えない男に感じさせる展開です。
ただ、泥棒が家に入った時からハッチが心の奥に封じ込めた凶暴性が顔を出し、娘の言葉でついに封印を解いてしまいます。
本作はいわゆる復讐劇に近い要素を持っていて、似たような作品では『ジョン・ウィック』や『イコライザー』などがあります。
過去に伝説級の活躍してきた人を殺すスペシャリストが平凡な生活をしていたが、ある事がキッカケで昔の自分を取り戻すという系譜です。
特に本作では主人公の正体はしっかりと明言しないが、それだからこそ、彼がどこまでやるのか分からない危険性がありました。
大抵の場合、どこかで追い詰められたり、仲間が死んでしまったりと、どこかリスクを背負う場面が存在します。
しかし、本作はそんな心配などする必要性がなく、あくまで主人公側はずっと強くて安心して鑑賞できます。
当初は頼りない平凡な男だったが、段々と正体を表していく中で、徹底した残虐さは他よりも圧倒的だったと思います。
本作でほぼ初めてみる主人公のハッチを演じたボブ・オデンカークが今後、アクション映画への下地を作ったと言っても過言じゃない。
それまでアクション映画と無縁だったリーアム・ニーソンも無敵の父親を演じて、今ではアクション俳優という認識になっています。
今後はボブ・オデンカークも同じような道を歩む可能性があるだろうし、何より続編があってもいい作品だと感じました。
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