作品データ
あらすじ
かつて強盗の襲撃で両親が惨殺され、弟のチトもショックで心を閉ざし入院療養を強いられ、兄であるマルコは生活費と治療費の為にクラブの用心棒をやっていた。
ある日、マルコはジョギング中に強盗団が邸宅に侵入する場面に遭遇し、強盗のマスクを奪って退治し、次の日にはワイドショーでニュースになっていた。
チトはそのニュースで大喜びし、マルコは覆面をかぶって悪者たちを倒す“ミラージュマン”として戦う事を決意するのだった。
登場人物&出演者
・マコ/ミラージュマン(演:マルコ・サロール)
代表作に『マチェーテ・キルズ』、『ザ・リディーマー』などがあります。
主人公。両親を通り魔に殺されて重傷を負ったが立ち直って、武道とトレーニングをして強い体を手に入れた。
クラブの用心棒をしていてトレーニング中に泥棒を見つけ、カロルを助けた事で有名となる。
弟が元気になった事で勇気づける為にミラージュマンとなり、街の悪者たちを退治していく。
フアンから犯罪組織に囚われる少女の救出をするも失敗し、挫折して活動をやめてしまう。
最後は弟の為に再び立ち上がって少女を救うが、重傷を負って死亡したという事になった。
・チト(演:アリエル・マテルーナ)
代表作に『殺せ』、『ネルーダ/大いなる愛の逃亡者』などがあります。
マコの弟。両親が通り魔に殺害され、性的暴行を受けた事で心の傷を負って精神病院に入院していた。
3年に渡って自分の病室から出る事をせず、誰とも口を利かず恐ろしい絵を描いていた。
ミラージュマンの活躍を見て覆面を作って見様見真似で空手の型をして兄の前で見せていた。
挫折したミラージュマンがいなくなり、その影響で更に自分の殻に閉じこもってしまう。
最後はミラージュマンの活躍を聞いて外に出て型をやって、彼の姿を見て笑顔を浮かべた。
・偽ロビン(演:イバン・ハラ)
本作が長編映画デビュー作となります。
ミラージュマンの活躍を見て触発された一般人。テレビのインタビューでファンと公言して相棒に名乗り出た。
テレビではたどたどしいしゃべり方で、相棒にしてくれるならオートバイを貸すと主張した。
ミラージュマンが姿を消していた間、その代わりとして活動するも弱すぎてボコボコになる。
カロルが誘拐された事からミラージュマンと組んで、乗り込むも入り口で倒されてしまう。
最後はミラージュマンが死亡し、テレビのインタビューでオートバイの返却を求めていた。
・フアン・モリ(演:マウリシオ・ペスティク)
代表作に『La estación del regreso』、『Fragmentos urbanos』などがあります。
地元の刑事。人身売買をする犯罪組織に潜入捜査している。ミラージュマンの噂を聞いて協力を求めた。
犯罪組織から誘拐された少女を救い出すべく、ミラージュマンにコンタクトを取っていた。
ミラージュマンが倒されてしあい、川に沈める時に同行し彼を助けて正体を明かさなかった。
カロルのせいで正体がバレそうになって自殺を考えていたマコの前に現れてもう一度助ける。
最後は少女を助けたミラージュマンが池に沈む姿を見て、マスコミに彼の死亡を流した。
・カロル(演:マリア・エレーナ・スウェット)
代表作に『XS, la peor talla』、『S.O.S Mamis, la película』などがあります。
テレビ局のキャスター。泥棒が家に押し入って縛られ、レイプされる寸前に覆面を被ったマコに助けられた。
ミラージュマンとなったマコの活躍を伝える第一人者となって、番組の視聴率が上昇した。
時の人となって雑誌を飾るほどの人気者となり、視聴率の為ならなんでもすると豪語する。
ミラージュマンの正体を明かす為に誘拐された事にして、彼を騙して視聴率を稼いでいた。
最後はミラージュマンが少女を助けて命を落としたと知り、謝罪するもバッシングを受けた。
感想
[個人的な評価]
本作はチリ映画を代表する映画監督、エルネスト・ディアス=エスピノーサが監督と脚本を務めています。
この作品は“ラテンドラゴン”とも呼ばれているマルコ・サロールにとって初映画出演の初主演を務めています。
過去に『ザ・リディーマー』でのアクションを観ているので、マルコ・サロールは相当の使い手だと分かるし本作でも期待しました。
さすがに映画初出演という事で演技はたどたどしく、ほとんどセリフがないけど、得意分野であるアクションはまったくキレが違っていました。
序盤はほとんどトレーニングする様子しか映していないが、これは演技がまだまだなマルコ・サロールにとっての救済措置だったのかもしれない。
筋トレをして空手の型を見せて強さに説得力を持たせてから、次に戦う動機として弟の為という分かりやすい展開も悪くなかったです。
ただ、絶望的に衣装がダサくてプロトタイプなんて紺色のタンクトップと覆面、スパッツや肘と膝というテレビのキャスターにも言われるほどでした。
そこからオリジナリティを出そうとする衣装に変わっていきますが、マイナスのダサさから0に戻したようなダサさになっただけです。
それでもアクションの方は悪者を一方的な暴力で倒していくが、なぜその構え方を選んだのか分からないぐらいダサいです。
大昔にダサいけど格好いいスタイリッシュなアクションを魅せた『ブレイド』のウェズリー・スナイプスがいますけど、それ以上のダサさでインパクトを残しています。
あくまで主人公は鍛えた体と習得している空手などの武道で悪者を倒すだけで、超人的な力や頭脳、金持ちでもないから痛い目に遭ってしまう。
特に本作ではマスコミならぬマスゴミ加減がいい感じで、ヒロインのはずが主人公を陥れるクズさも清々しかったです。
もう二度とマルコ・サロールは演じないだろうけど、チリ発のスーパーヒーローとしてまたやって欲しいと思いました。
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