作品データ
公開年月 | 2017/06/10 |
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ジャンル | サスペンス |
原作 | チョン・ピョンギル 『殺人の告白』 |
監督 | 入江悠 |
脚本 | 入江悠、平田研也 |
製作 | 北島直明、小出真佐樹 |
製作国 | 日本 |
鑑賞方法 | 動画配信サービス |
あらすじ
1995年、同一犯による5件の連続殺人事件が日本中を震撼させ、犯人はいずれも被害者と親しい者に殺人の瞬間を見せつけていた。
一連の殺害を見せた後、目撃者は殺さずに犯行の様子をメディアに証言させるという独自のルールに従って犯行を重ね、必死の捜査でも捕まらずにいた。
そして、事件から22年後、犯人を名乗る男・曾根崎が執筆した殺人手記「私が殺人犯です」が出版され、一躍時の人となるのだった。
登場人物&出演者

近年の出演作に『ノイズ』、『鳩の撃退法』などがあります。
主人公。容姿端麗で22年前に起きた「東京連続絞殺事件」の犯人を名乗り、事件にまつわる本を出版した。
体中に無数の傷を負っていて、積極的にメディアを使って本を売り出すような姿勢を貫く。
被害者である山縣の前に出て土下座をすると、その場にいた牧村も挑発するような態度を取る。
その正体は飛び降り自殺を図った小野寺拓巳であり、整形して戸籍を変えて真犯人を追った。
最後は仙堂を追い詰めるが、里香の苦しむビデオを見て諦め、海外へ旅に出る事になった。

近年の出演作に『燃えよ剣』、『ドアマン』などがあります。
主人公。「東京連続絞殺事件」で先輩刑事と担当していた。妹の里香が大震災で居住を失って面倒をみる。
時効前は必死に犯人の手がかりを探し、罠で誘い出そうとして先輩刑事が犠牲になってしまう。
曾根崎の言動に怒りを覚えて、殺害しようとした美晴の暴走をなんとか食い止めて逃した。
実は拓巳と真犯人を誘い出す罠を仕掛けるが、狙いが外れるも妹の死に時効が有効と見抜く。
最後は仙堂を殺そうとした拓巳を止め、法の下で裁く事になり、ようやく事件を解決に導いた。

代表作に『orange』、『泣き虫ピエロの結婚式』などがあります。
牧村航の後輩刑事。「東京連続絞殺事件」について担当ではなく、時効後に牧村と組んでいた。
逃げていた橘組の戸田を牧村と追っていて、ようやく捕まえるも別件によって解放する事に。
「東京連続絞殺事件」の真犯人と名乗る曾根崎が記者会見を開き、その事実に唖然としていた。
曾根崎が山縣の病院を訪れると、挑発された牧村の暴走をテレビで見て慌てて取り押さえた。
最後は真犯人が出したビデオを見ていた牧村に時効のヒントを与え、意味が分からずにいた。

代表作に『ちはやふる』シリーズ、『帝一の國』などがあります。
里香の恋人。1995年に起きた「阪神・淡路大震災」で被災した。里香と同棲していたが家を失った。
里香の兄である航に呼ばれ、東京のアパートに同居する事になってやり直そうと考えていた。
震災に対するトラウマを持つ里香をなんとか支え、一緒に出直そうとプロポーズをした。
連続絞殺事件によって里香が誘拐され、航たちの捜査も空振りで時効を迎えた事でブチ切れる。
最後は捜査が打ち切りになった事を航から聞くと、生きる意味を失って飛び降り自殺を図った。

代表作に『きみの友だち』、『泥棒役者』などがあります。
航の妹。22年前に関西で看護婦をしていた。1995年に起きた「阪神・淡路大震災」で居住を失った。
同棲していた拓巳とともに兄のアパートに引っ越し、散らかり放題の状態に文句を言っていた。
電気のヒモが揺れる光景にトラウマが呼び起こされると、それに気付いた拓巳が宥めていた。
仙堂が個人的に航を殺害しようとアパートを爆破され、現場が見える屋上まで誘拐された。
最後は真犯人である仙堂に絞殺されるが、生きる気力がなく死を望んでいていたという。

代表作に『天然コケッコー』、『海街diary』などがあります。
「東京連続絞殺事件」の2件目の遺族。父親が母親の前で絞殺され、その苦しむ声を聞いていた。
現在は本屋で働いているが、真犯人である事を告白して本を出版した曾根崎に恨みを抱いた。
そのせいで本屋への影響を与え、店長からクビを宣告され、牧村に悔しさを爆発させた。
サイン会を開催した曾根崎を殺害しようとナイフを持ち出すが、牧村が阻止して逃された。
最後は真犯人である仙堂が逮捕され、山縣と空港へ来て海外へ出ようとした拓巳に謝罪した。

代表作に『土竜の唄』シリーズ、『HiGH&LOW』シリーズなどがあります。
「東京連続絞殺事件」における3件目の目撃者。橘組の組長。目の前で妻を真犯人に絞殺されている。
目撃者として生き残った事に対して悔いを持っていて、曾根崎の登場で動き出そうとしていた。
サイン会を開いた曾根崎を殺害する為、鉄砲玉として若者を使おうとした噂が流れていた。
牧村から電話をもらうと、止めるように言われるが、あくまで噂であると無視していた。
最後は仙堂の番組で牧村の妹が犠牲いなった事を知るが、それでも曾根崎の殺害を固辞した。

代表作に『ゼブラーマン』、『クロユリ団地』などがあります。
「東京連続絞殺事件」における4件目の目撃者。共立中央病院の院長。真犯人によって妻を目の前で絞殺された。
事件を担当した牧村とは知り合いのような関係であり、名乗り出た曾根崎に殺意を持っている。
曾根崎がメディアを引き連れて病院に来ると、土下座されても逆上して殴りかかろうとした。
実は拓巳の整形を担当して曾根崎という人物を作り上げる協力をして、一芝居を打っていた。
最後は真犯人である仙堂が逮捕され、役目を終えた拓巳が海外へ行く時に空港へ見送りに来た。

代表作に『ビー・バップ・ハイスクール』、『64/ロクヨン』などがあります。
フリーのジャーナリスト。テレビ局で人気の報道番組である「ニュースアイ」のキャスターを務めている。
過去に戦場ジャーナリストとして活躍したが、反政府組織に捕まって仲間を目の前で殺された。
帰国後に「東京連続絞殺事件」について独自に追って、その功績が認められて今の地位を築く。
真犯人として名乗り出た曾根崎を番組に招き、牧村や別の真犯人により新事実が発覚した。
最後は真犯人だと拓巳に見抜かれ、里香の殺害は時効が成立しない事から法の下で裁かれる。
感想
[個人的な評価]
本作は2012年に公開されたチョン・ピョンギルの映画『殺人の告白』のリメイクとなります。
この作品は『第41回日本アカデミー賞』にて優秀主演賞、『エランドール賞』でプロデューサー奨励賞を受賞しています。
残念ながらオリジナルである『殺人の告白』はまったく知らなかったので、フラットな感じで鑑賞をしました。
最初から真犯人である事に引っかるところがあって、何かの意図を感じられる展開を予想していました。
殺人犯が時の人のような感じで騒がれる事は決してフィクションではなく、実際にありえるようなモノだと思っています。
特に見た目が良ければ、どれだけ残酷な殺人を犯したとしても、何も知らず無関係な人間はそのようには感じないだろうと思う。
なので、遺族たちが相当の苦しみを得ても、世の中は無関係な立場ならば、本当に他人事のように面白おかしく扱うと分かります。
本作では序盤と終盤では展開の速さが大きく違っていて、ラストで見せる怒涛の展開に思わず唸ってしまいました。
劣勢に立たされていた主人公たちが結託して真犯人を誘き出そうとした計画は凄まじいと思わせるが、その上を行ってしまった真犯人もまた凄まじい。
ただ、そこからちょっとした違和感から真犯人が見つかり、その動機についても身勝手すぎて理不尽としか思えないだろう。
あの怒涛の展開まで持っていく緊張感について、その雰囲気を作り出した藤原竜也、伊藤英明、仲村トオルの上手さが冴え渡っていました。
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