【9人の翻訳家/囚われたベストセラー】VD-624

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洋画

作品データ

公開年月 2020/01/24
ジャンル サスペンス
原作 なし
監督 レジス・ロワンサル
脚本 レジス・ロワンサル、ダニエル・プレスリー、ほか
製作 アラン・アタル
製作国 フランス、ベルギー
鑑賞方法 動画配信サービス

あらすじ

世界的ベストセラー『デダリュス』三部作の完結編『死にたくなかった男』の出版権を社長のエリック・アングスロームは、世界同時シュッお庵を大々的に発表した。
早速と各言語の翻訳者9人がフランスの豪邸に集められ、一斉に翻訳作業を始めるが、情報流出を考えて通信機器を没収され地下室に彼らは監禁された。
ところが、そんな厳重な漏洩対策が敷かれる中で冒頭の10ページが流出し、更にアングスロームへ500万ユーロの支払いをしないと100ページを公開する脅迫メールが届くのだった。

登場人物&出演者

カテリーナ・アニシノバ(演:オルガ・キュリレンコ)

近年の出演作に『サンティネル』、『ブラック・ウィドウ』などがあります。

『デダリュス』の完結編『死にたくなかった男』のロシア語を担当する。小説に最も感化された女性。

小説の中に登場する女性と同じ服装をして、物語にあるシーンでプールに入って共感を図った。
アレックスに声をかけられ、感化されている事を言われて彼から一番理解できると言われる。
情報を流した人間を疑うアングストロームに対し、勝手に原稿を読もうとしたが途中で辞めた。
最後は暴走するアングストロームに腹部を撃たれるが、病院に運ばれて一命を取り留めた。

ダリオ・ファレッリ(演:リッカルド・スカマルチョ)

代表作に『輝ける青春』、『ジョン・ウィック:チャプター2』などがあります。

『デダリュス』の完結編『死にたくなかった男』のイタリア語を担当する。自分の宣伝をしたい男性。

空港ではアングストロームの部下に迎えられるまで電話をして、スマホを没収されて怒っていた。
オスカル・ブラックに会うとSNSに情報を流してしまい、アングストロームから警告を受けた。
情報を流した人間を疑うアングストロームに賛同し、誰が犯人なのか強い態度を責めていた。
最後は犯人探しをしようと暗い中を歩くが、首吊り自殺したエレーヌを見つけてみんなを呼んだ。

エレーヌ・トゥクセン(演:シセ・バベッド・クヌッセン)

代表作に『アフター・ウェディング』、『インフェルノ』などがあります。

『デダリュス』の完結編『死にたくなかった男』のデンマーク語を担当する。息子と夫がいる普通の女性。

情報を流した人間を疑うアングストロームの部下に小説が見つかり、長年書いていると説明した。
デンマーク語が読めるアングストロームからゴミと罵られ、そのまま燃やされてしまう。
生きる唯一の支えだった小説の現実を言われ、家族に愛情がないとみんなに本音を吐き捨てた。
最後は電気を止められた中で、誰にも知られず首吊り自殺をして犯人を探すダリオに発見された。

ハビエル・カサル(演:エドゥアルド・ノリエガ)

代表作に『デビルズ・バックボーン』、『ラストスタンド』などがあります。

『デダリュス』の完結編『死にたくなかった男』のスペイン語を担当する。吃音症を持ち、左腕をケガした男。

翻訳を行う場所でチェンを見かけると、すぐに中国から来たのかと聞いて親しく話していた。
情報を流した人間を疑うアングストロームに見られ、テルマがギブスを調べられて痛がっていた。
実は集められる前からアレックスと接触していて、チェンと原稿を印刷する担当を担っていた。
最後はガマンの限界に達してしまい、正体をバラそうとしてチェンが声をかけて思い留まった。

アレックス・グッドマン(演:アレックス・ロウザー)

代表作に『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』、『最後の決闘裁判』などがあります。

『デダリュス』の完結編『死にたくなかった男』の英語を担当する。9人の中で一番若くスケボーを持つ男性。

小説の中に登場する女性に感化されたカテリーナに話しかけ、自分こそが一番理解できると豪語。
集められる前からアングストロームと接触し、そのせいで情報を流した犯人として疑われる。
その正体はオスカル・ブラックで、アングストロームに作品を穢され、師を殺した復讐を計画。
最後はオスカル・ブラック殺害の自白を誘導し、見事に復讐を果たしてその場を立ち去った。

イングリット・コルベル(演:アンナ・マリア・シュトルム)

代表作に『Good Times』、『Best Chance』などがあります。

『デダリュス』の完結編『死にたくなかった男』のドイツ語を担当する。小説や思想から言葉を引用する女性。

子供がすでに成人して疎遠状態になっていて、家族と仲良くしているエレーヌを幸せと話した。
情報を流した人間を疑うアングストロームには触れられず、部屋を部下に荒らされていた。
実は集められる前からアレックスと接触していて、アングストロームを電車で見張る役を担う。
最後はエレーヌの自殺にショックを受け、彼女の机にあった子供たちの写真を見て悲しんでいた。

チェン・ヤオ(演:フレデリック・チョー)

代表作に『パリ・エキスプレス』、『最高の花婿』シリーズなどがあります。

『デダリュス』の完結編『死にたくなかった男』の中国語を担当する。パリに20年も住んでいる男性。

翻訳を行う場所に別行動で集合していて、中国から来たのかと尋ねられてパリ在住と答えていた。
情報を流した人間を疑うアングストロームから中国人だと目をつけられるが、証拠は何も出ず。
実は集められる前からアレックスと接触していて、ハビエルと奪った原稿を印刷する役を担う。
最後はアレックスの事をバラそうとしたハビエルを引き止め、アングストロームにバレなかった。

テルマ・アルヴェス(演:マリア・レイチ)

代表作に『Mutant Blast』、『ディアマンティーノ/未知との遭遇』などがあります。

『デダリュス』の完結編『死にたくなかった男』のポルトガル語を担当する。丸坊主でタトゥーを入れている若い女性。

電話をしながら空港で慌てて荷物を通して、なんとかギリギリで間に合って車に乗っていた。
情報を流した人間を疑うアングストロームの部下に荷物を荒らされ、悲鳴を上げながら抵抗した。
実は集められる前からアレックスと接触していて、原稿を奪う計画では車の運転を担当していた。
最後はエレーヌの自殺とカテリーナの負傷により、翻訳どころじゃなくてずっと泣いていた。

コンスタンティノス・ケドリノス(演:マノリス・マヴロマタキス)

代表作に『ウラニャ』、『我が内なる敵』などがあります。

『デダリュス』の完結編『死にたくなかった男』のギリシア語を担当する。初老の少し太った男性。

ローズマリーに作業部屋へ連れて来られると、正直に「デダリュス」を評価しないと話した。
同じ部屋で翻訳をする事を嫌うが、アングストロームに注意されて仕方なく作業をしていた。
情報を流した人間を疑うアングストロームの言動を笑っていたが、警備員に頭を殴れてしまう。
最後はエレーヌが自殺し、カテリーナがアングストロームに撃たれ、何も言えずに立ち尽くした。

ローズマリー・ウエクス(演:サラ・ジロドー)

代表作に『美女と野獣/2014年版』、『ブラッディ・ミルク』などがあります。

アングストロームの助手。オスカル・ブラックの完結編を翻訳する9人の翻訳家たちを作業部屋に案内する。

状況がよく分からない9人に細かい説明をしながら、彼らが作業する場所について紹介していた。
元々は文学に対して多大な敬意を評していて、今回の助手もそれに携わる事に喜びを感じる。
情報を流した疑われるアレックスの自宅を調べるが、アングストロームから無能呼ばわりされる。
最後はアレックスの本当の自宅に行くが、アングストロームの利益追求に辟易して仕事を放棄。

ジョルジュ・フォンテーヌ(演:パトリック・ボーショー)

代表作に『コレクションする女』、『殺意のキャンバス』などがあります。

フランスの田舎にある書店の経営者。アングストロームとは大学時代から文学を教えていた師となっている。

ベストセラー作家であるオスカル・ブラックを称していて、完結編をアングストロームに教える。
当初はアングストロームに賛同するが、文学の魅力より金に取り憑かれた彼に嫌気が差していた。
完結編の交渉を持ちかけられるが、ちゃんと文学として売ってくれる他の出版社に話しを出す。
最後はアレックスの才能に気付いた人物だったが、アングストロームによって殺されている。

エリック・アングストローム(演:ランベール・ウィルスソン)

近年の出演作に『マトリックス/レザレクションズ』、『ココ・シャネル/時代と闘った女』などがあります。

『デダリュス』の完結編『死にたくなかった男』の出版権を獲得した出版会社の社長。9ヶ国語の同時翻訳を敢行する。

小説の作者であるオスカル・ブラックを唯一知る人物で、長い交渉の末に権利を獲得しています。
9人の翻訳家を地下室に監禁する方法を取るが、何者かが内容を漏らしたせいで疑いの目を持つ。
誰が犯人か徹底的に探らせるが、それでも止まらない脅迫に一線を越えてカテリーナに発砲する。
最後は本物のオスカル・ブラックであったアレックスの罠にハマり、自白によって殺人を認めた。

感想

[個人的な評価]

評価 :3.5/5。

本作は『タイピスト!』で知られるレジス・ロワンサルが監督と共同脚本を務めています。
この作品はダン・ブラウンの『ロバート・ラングドン』シリーズの4作目『インフェルノ』で実際にあった出来事をモデルにしています。
上記の小説は『ダ・ヴィンチ・コード』を筆頭に世界中でベストセラーになったシリーズで、本作のヒントになった意味で説得力があると思います。
当初は情報を流した犯人探しという単純な内容だと思っていたら、終盤にかけての怒涛の展開は予想を上回りました。
本作で取り扱うベストセラー小説である「デダリュス」が中心となっているが、ミステリーとして多くのファンを獲得している設定です。
残念ながらミステリー小説はほぼ読んだ事がないので、そこまで心酔する気持ちはあまり理解できないところがありました。
しかし、本作で語られる小説に対する翻訳家たちの思いがそれぞれ違っていて、純粋に心酔する人や金の為にやっているなど立場が違って面白い。
基本的にヨーロッパ圏を中心に翻訳家が集められるが、これはある意味、フランスから見て関係性の強い国々を象徴しています。
特に面白いのはアメリカと日本の翻訳家がおらず、そこにロシアや中国の翻訳家がいる点でもフランスらしいところを垣間見る事ができます。
誰が犯人なのかすぐに分かってしまうが、本作はそこからが物語の本番になっていて、これは上手くミスリードを誘っていると思います。
本作のテーマは犯人探しではなく、その小説に対する文学的な魅力を持つ者と、単なる金儲けの道具にしか見えない者の対決のように感じました。
更に一つの復讐劇とも言えるような作品で、パズルを上手く組み合わせたオチについても非常に面白くて予想を外されました。
さすがにミステリー小説をテーマにしているだけに、本作自体もそれを意識したトリックを使った展開はとても良かったと思います。

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