作品データ
あらすじ
ランバート家を襲ったおぞましい事件から10年後、大学生となった長男のダルトンに再び悪霊の影が迫り、怪奇現象が降りかかる。
ダルトンと父親のジョシュは一家に取り憑く者たちを永遠に葬り去るべく、これまで以上に深く“向こう側”へと入り込んでいく。
しかし、その“赤い扉”の向こうには、一家の暗い過去と新たな恐怖が待ち受けるのだった。
登場人物&出演者
・ダルトン・ランバート(演:タイ・シンプキンス)
近年の出演作に『ザ・ホエール』、『アベンジャーズ/エンドゲーム』などがあります。
9年前に起きた出来事を催眠術で忘れている。絵を描く事が好きで美術を専攻するが、父親とは不仲にある。
大学の手違いで女性のクリスと一緒の部屋になり、1年間だけの記憶がないと告白していた。
無理やり友愛会のパーティに行くと、過去に死んだ学生の幽霊を見て記憶が戻っていった。
向こう側の世界で過去を見て父親を危険人物に見えて、そのまま体を乗っ取られてしまう。
最後は父親がやって来て事実を知って、扉を絵の具で塗り潰して塞ぎ、家族の絆を取り戻す。
・ジョシュ・ランバート(演:パトリック・ウィルソン)
代表作に『アクアマン/失われた王国』、『ムーンフォール』などがあります。
9年前の出来事を催眠術で忘れている。家族の事よりも自分を優先した結果、離婚されて子供たちと離れ離れに。
ダルトンを大学まで送っていくが、家族を放っておいたせいで口喧嘩になって去ってしまう。
少し反省をしてから検査をする為に病院へ行くが、忘れていた怪奇現象を見るようになる。
断片的な記憶と霊が見えるようになり、ルネから話しを聞くと向こう側へダルトンを助ける。
最後は自己犠牲を選ぼうとしてダルトンが扉を塞ぎ、元の世界に戻ってエリーズと話した。
・ルネ・ランバート(演:ローズ・バーン)
近年の出演作に『パフ/サンゴ礁の神秘』、『スイング・ステート』などがあります。
ジョシュの元妻。現在は夫と離婚して子供たちを引き取っている。過去の出来事を覚えていて黙っている。
夫の母親が亡くなって代わりに葬式の手配をして、ダルトンを大学へ送るように言っていた。
過去に夫が取り憑かれて襲われた記憶を持ち、危険だとしてみんなで同意して記憶を消した。
夫が思い出そうとして家に来ると、催眠術で記憶を消したと説明して危険な存在だと説明。
最後は夫が向こう側の世界でダルトンを助け出し、もっと家族の時間を取るべきだと話した。
・クリス・ウィンスロー(演:シンクレア・ダニエル)
代表作に『One December Night』などがあります。
10歳の時に両親を亡くし祖母に育ててもらった。大学では数学を専攻。名前のせいでダルトンと同じ部屋に。
最初は気づかず部屋に来ると、問題だとして事務所へ話しを通して一夜だけ寝る事になる。
せっかく同じ部屋になったダルトンに興味を持ち、友愛会のパーティへ無理やり連れ出す。
ダルトンが幽体離脱できると分かると、嫌がる彼を焚き付けるも悪霊に襲われて逃げ出した。
最後は見捨てられず戻るが、ダルトンが憑依されてビビっていたが、元に戻って安堵した。
・エリーズ・レイニア(演:リン・シェイ)
近年の出演作に『ザ・グラッジ/死霊の棲む屋敷』、『ドリームキャッチャー/呪われた魔除け』などがあります。
霊能者で故人。過去にランバート家が怪奇現象に悩まされ、それを助ける為に助手たちと奮闘していた。
なんとかランバート家を助け出したが、悪霊に憑依されたジョシュによって殺されてしまう。
過去の映像で講演に来ていた人々に話しを始め、ダルトンはそれを見て思い出していく。
最後はすべてが解決して家族の絆が少し戻ったジョシュの前に現れ、優しく語りかけていた。
感想
[個人的な評価]
本作は『インシディアス』シリーズの5作目にして完結編となります。
この作品は『インシディアス/第2章』の続編となっていて、シリーズの主人公を演じるパトリック・ウィルソンが監督を務めています。
今回はパトリック・ウィルソンにとって映画初監督となりましたが、シリーズを長くやっているからこそできる芸当だと思います。
今までの内容を総括するような内容と言いたいところだが、1作目とは雰囲気がだいぶ変わってしまったと思います。
やはり、今でもホラー映画を牽引するジェームズ・ワンが監督、リー・ワネルが脚本というコンビの足元に及ばなかったです。
1作目は静かな邦画とうるさいアメリカ映画を上手く融合させていて、独特な怖さの演出が秀逸でした。
しかし、この二人がコンビじゃなくなった作品は右肩下がりとなり、アメリカン・ホラーのテイストが強くなって独自性を失いました。
本作はまさにその遺産だけで作っているような作品であり、唯一キャストが変わらなかっただけしか取り柄がなくなりました。
すでに世界観ができていて、シリーズを観ている人ならば理解できるが、初見の人間は完全に蚊帳の外になっています。
肝心の怖さはほとんどなく、どこかで見た事がある演出が何度も続けていくので、ホラー映画としての面白さはほぼありません。
監督を務めるパトリック・ウィルソンの代わりに主人公となったタイ・シンプキンスは、それなりの演技でフォローしていた感じです。
これ以上ダラダラ続けるのは良くないと思うので、本作で区切りをつけたのはいいが、竜頭蛇尾という言葉が似合います。
監督や脚本が違うだけで作品の面白さが大きく変わる見本であり、長く続くシリーズは早めに終わらせるべきだと感じさせる凡作でした。
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