【ヒメアノ~ル】RE-2370

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作品データ

公開年月 2016/05/28
ジャンル サスペンス
原作 古谷実 『ヒメアノ~ル』
監督 吉田恵輔
脚本 吉田恵輔
製作 由利敬三、藤岡修、ほか
製作国 日本
鑑賞方法 レンタルDVD

あらすじ

ビル清掃会社でパートタイマーとして働くお人好しの青年・岡田は、夢も希望もない退屈で孤独な毎日を送っていた。
ある日、職場に風変わりな先輩・安藤にキューピッド役を頼まれ、彼が想いを寄せるユカが働くカフェに向かう。
するとそこで高校時代の同級生・森田正一と出会い、かつてイジメに遭っていたとは思えないほど別人のような雰囲気になっていたのだった。

登場人物&出演者

岡田進(演:濱田岳)

近年の出演作に『本能寺ホテル』、『グッドモーニングショー』などがあります。

主人公。清掃の底辺アルバイトで夢も希望もなく、趣味もなく不安な日々を抱いている。

仕事の先輩・安藤からカフェに誘われ、彼が片思いするユカと高校の同級生の森田に遭遇。
ユカから突然の告白を受けて童貞を捨てるが、片思いしている安藤には黙って付き合う。
森田にバレて追われている事を知らず、警察から殺人を繰り返していると聞いて驚いた。
最後は襲われるユカを助け出すも人質にされ、車が衝突して昔の森田に戻った事を知った。

阿部ユカ(佐津川愛美)

代表作に『蝉しぐれ』、『海と夕陽と彼女の涙/ストロベリーフィールズ』などがあります。

ヒロイン。カフェの店員で安藤に片想いされ、森田にストーカーされるモテモテの女。

カフェに毎回来ている森田のストーカーに引いてしまい、岡田との接触で一目惚れする。
安藤に対して気持ち悪い理由で付き合う事はないと決めて、岡田と隠れて付き合っていた。
森田に岡田と付き合っている事がバレて、家に押しかけれると怖くなって引っ越した。
最後は森田に住所がバレてレイプされそうになるが、岡田が帰ってきた助け出された。

安藤勇次(演:ムロツヨシ)

代表作に『踊る大捜査線』シリーズ、『幕が上がる』などがあります。

ビル清掃業の職長。岡田と同様に趣味はないが、ユカを見る事で恋をしている。

無趣味で将来に絶望している岡田と違って、ユカと付き合い希望を持っていると話した。
ほぼ毎日カフェに通って森田が危険だと岡田に相談し、彼を代わりにして色々聞き出した。
ユカが岡田と付き合っている事を知って、ショックで変な髪型になって絶好を宣言していた。
最後は職場を訪れた森田を追い、股間と背中に銃弾を受けるもギリギリで一命を取り留めた。

久美子(演:山田真歩)

代表作に『モテキ』、『アレノ』などがあります。

和草の恋人。将来は結婚を約束している。和草の父親が経営しているホテルで経理を担当している。

森田から定期的にお金を頼まれている事に疑問を持ち、その理由をずっと問いただしていた。
覚悟を決めた和草から過去にイジメを受けて、その相手を一緒に殺した共犯だと聞かされた。
ユカと付き合っていた岡田を殺そうとした森田から連絡を受け、和草と一緒に向かっていた。
最後は森田を始末しようとしたが、失敗して逆に撲殺され、アパートとともに燃やされた。

和草浩介(演:駒木根隆介)

代表作に『SR/サイタマラッパー』、『アフロ田中』などがあります。

森田正一と高校時代いじめられていた。父親がホテルを経営する跡継ぎのドラ息子。

高校時代は森田と遺書にイジメを受けていて、誰にも話せずにトラウマとして抱えていた。
過去に森田がイジメを受けた主犯格を捕まえて、一緒に殺して埋める共犯にされていた。
そのせいで何かあると金を強請られる状況が続いて、恋人の久美子に相談して殺害を計画。
最後は森田のアパートに行って奇襲するも失敗し、殴り倒され、久美子と一緒に燃やされた。

森田正一(演:森田剛)

代表作に『COSMIC RESCUE』、『人間失格』などがあります。

岡田とは高校一年生のクラスメイト。喫茶店で働くユカに対してストーカー行為する。

底辺である事を自覚して人生に対して諦めているが、普段の態度が危険な雰囲気を出す。
高校時代にイジメを受けていたが、主犯格を捕まえて、和草と一緒に殺して山に埋めていた。
ユカをストーカーして付き合う岡田に逆恨みして、殺人を繰り返しながら暴走していく。
最後はユカたちの住所を知って襲い、岡田を人質にして逃げるも、結局は捕まってしまう。

感想

[個人的な評価]

評価 :3/5。

古谷実の漫画を実写映画化した作品。
残念ながら原作は未読だが、古谷実の漫画は『行け!稲中卓球部』と『僕といっしょ』を過去に読んでいます。
独特なギャグセンスと個性豊かなキャラクターが躍動する作風の漫画家でした。
近年ではギャグ漫画からシリアスな漫画へと移行しているようです。
タイトルの『ヒメアノ~ル』とは「ヒメトカゲ」という小型爬虫類であり、そこから「強者のエサとなる弱者」という意味合いを持つ。
つまり、本作に登場する主人公である岡田進と、仲が良かった森田正一の事を指し示す。
主人公の岡田は何もない自分に不安感を持つ一方で、すでに諦めている森田との対比が本作で色濃く表現されている。
お互いに底辺の人間であるが、岡田は一つの出会いで人生が明るくなり、森田はその出会いで人生が暗く沈んでいくのです。
平凡な日常が一人の狂気によって一瞬にして別世界になる描写がなかなかでした。
主人公の岡田を演じた濱田岳はハマリ役と言っても過言じゃないぐらい合っていました。
その反対にアイドルとしてイメージを持っていた森田剛が演じた森田正一は、強烈なインパクトを与えてくれています。
人生に絶望して明日の希望もない死んだ目をした森田正一を森田剛は好演しています。
更に岡田の先輩として登場するムロツヨシのコミカルな演技もなかなか良い。
ただ、気になったのはヒロインである阿部ユカというキャラクターに意味がないという点。
最初は森田と何か接点があると思えば、まったく関係ないの人物で重要性がなかったように感じてしまった。
岡田と森田は過去に繋がりがあって、それが最後に見せ場となるが、その途中にあるヒロインは単なる繋ぎ役にしかなっていない。
もう少し因果関係があればヒロインの重要性に説得力が出ただけに残念でならない。
全体的にサイコキラー森田正一を描いているが、主人公の岡田があまりにも影が薄い。
なんだか最後だけ取って付けたように森田と接触するけど、そこで展開するドラマが一番の薄味というのは頂けない。
原作ではそうなのかもしれないが、もっと岡田と森田、それを繋げたヒロインの因果関係を掘り下げて欲しかったです。

コメント

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