作品データ
あらすじ
鬼殺隊員の竈門炭治郎、我妻善逸、嘴平伊之助は無限列車に乗り込み、炎柱・煉獄杏寿郎と合流を果たした。
無限列車では、短期間のうちに40人以上の行方不明者が出ており、送り込まれた鬼滅隊員たちも全員が消息を断っていた。
杏寿郎は列車内に現れた鬼を次々と斬り捨て、炭治郎たちを驚かせるが、下弦の壱である魘夢の術で眠らされて夢の中に閉じ込められるのだった。
登場人物&出演者
・竈門炭治郎(声:花江夏樹)
代表作に『黒の栖/クロノス』、『漁港の肉子ちゃん』などがあります。
主人公。鬼殺隊の剣士。鬼に家族を惨殺され、禰豆子が鬼化して、なんとか助けようと鬼殺隊の剣士となる。
鎹鴉の連絡で列車に鬼がいると聞いて駆けつけると、待機していた煉獄杏寿郎と合流を果たす。
魘夢の血塊術によって夢を見せられると、自力で打ち破って本体を倒そうとするも失敗する。
目を覚ました伊之助と本体を探し出し、お互いに連携をして見事に頸を切断して乗客を助けた。
最後は柱と上弦の月の異次元の戦いを見て、死にゆく杏寿郎の言葉で強くなろうと決意する。
・竈門禰豆子(声:鬼頭明里)
代表作に『音楽少女』、『猫企画』などがあります。
ヒロイン。炭治郎の妹。鬼の血が体内に入ったせいで鬼化した。昼間は体を小さくして炭治郎の背負い箱に入っている。
炭治郎たちが列車内に入っても背負い箱の中で眠っていて、魘夢の血塊術が発動してから出た。
目を覚まさない炭治郎に頭突きを食らわせて出血し、それに怒って爆血を発動して助け出す。
炭治郎の指示で乗客を魘夢から守っていくが、ピンチになると半覚醒の善逸に助け出された。
最後は太陽が登ると、近くにいた善逸に言われて背負い箱に入って彼に背負われていた。
・我妻善逸(声:下野紘)
代表作に『ラーゼフォン/多元変奏曲』、『漁港の肉子ちゃん』などがあります。
鬼殺隊の剣士。黄色い髪の毛と羽織をしている。常に弱気でなんとか禰豆子に近づこうと隙を狙っている。
列車に対して興奮気味な伊之助が他の乗客に迷惑をかけると、それを止める役割を担っていた。
魘夢の血塊術によって夢を見せられると、念願だった禰豆子と一緒に過ごす幸せを味わっていた。
目覚めた炭治郎により夢から中途半端に抜け出し、ピンチだった禰豆子を無意識で助けていた。
最後は杏寿郎が猗窩座に倒された事を知り、鬼の強さに絶望して伊之助に気絶させられてしまう。
・嘴平伊之助(声:松岡禎丞)
代表作に『アルモニ』、『復興応援/政宗ダテニクル合体版+』などがあります。
鬼殺隊の剣士。イノシシの被り物をして常に上半身裸。列車を洞窟の「主」として興奮気味に乗り込んだ。
列車内に入っても興奮は止まらず、他の乗客への迷惑を顧みず善逸に何度も止められていた。
魘夢の血塊術によって夢を見せられると、炭治郎たちを子分として列車である主の退治に向かう。
目覚めた炭治郎と禰豆子により夢から抜け出し、列車と融合した魘夢に連携を使って倒した。
最後は圧倒的な柱と上弦の月による戦いで動けず、杏寿郎の死で炭治郎たちと強くなると誓う。
・煉獄杏寿郎(声:日野聡)
代表作に『NITABOH仁太坊/津軽三味線始祖外聞』、『アイの歌声を聴かせて』などがあります。
鬼殺隊の炎柱で「炎の呼吸」を使用する。常に真っ直ぐ視線を向けて、瞬きを一切せず目は見開いている。
隊員が消息を断つ列車で待機し、用意された多くの弁当を同じ表情でずっと食べていた。
炭治郎たちと合流すると、禰豆子が認められた事に対して素直に従い、弟子にしようとする。
魘夢の血塊術で夢に陥ってしまうが、核を破壊される寸前に体が動いて阻止していた。
最後は現れた猗窩座と対決して倒れるが、炭治郎たちの将来に期待する言葉をかけて昇天した。
・魘夢(声:平川大輔)
代表作に『スカイ・クロラ/The Sky Crawlers』、『モンスターストライク THE MOVIE/ルシファー 絶望の夜明け』などがあります。
下弦の壱。特徴的な刺青を顔に持ち、スーツを着ている優男。左手に口があって夢を見せる事ができて自在に分離する。
現実に絶望を持った人間に幸せな夢を見せる代わりに、血塊術を施した術を列車内に拡散させる。
あくまで万全を期した戦術を用いて、炭治郎が夢から覚めて攻撃される列車と融合を果たした。
何度も術を炭治郎にかけても解かれてしまい、伊之助とともに弱点である頸の場所がバレる。
最後は強制的に夢を見せさせる術で対抗するが、炭治郎と伊之助の連携で頸を断たれて消滅した。
・猗窩座(声:石田彰)
代表作に『スレイヤーズぷれみあむ』、『銀魂/THE FINAL』などがあります。
上弦の参。全身に特徴的な刺青をしている。武道を極める事が至高の喜びであり、鬼として選ばれた存在だと自負する。
魘夢を倒して列車が脱線した炭治郎たちの前に現れると、弱者は滅べきとして真っ先に狙った。
当然のように杏寿郎に止められると、強者である彼と永遠に戦おうと鬼の仲間へ誘っていた。
負傷して力が衰えてくる杏寿郎に鬼へ誘うが、断られて致命的な一撃を加えるも動けなくなる。
最後は陽光から逃げる為に両腕を引き裂き、森の中へ走ると炭治郎に侮辱されてブチ切れていた。
感想
[個人的な評価]
本作は「週刊少年ジャンプ」にて連載された吾峠呼世晴の同名漫画を劇場版アニメとして製作されました。
この作品は日本歴代興行収入で第1位になって記録を塗り替え、2020年の年間興行収入では世界第1位を記録しています。
アニメシリーズの方は第1シーズンはすでに鑑賞していて、時代を象徴するようなヒット作と言っても過言じゃない。
そして、何より本作は日本で歴代1位の興行収入を記録していて、2位の『千と千尋の神隠し』と圧倒的な差を与えています。
基本的に流行して大ヒットしている作品に対して、懐疑的な感想を持ってしまうが、実際に鑑賞しないと何も判断できないとも考えている。
そこで世間と比べて1年も遅れて鑑賞したが、時代の波になったブーストがあったとして良作である事は間違えないだろう。
まず、最大の魅力は主人公の竈門炭治郎が心の核に持つ正義であり、あまりにも凄惨な体験した彼だからこそ説得力を生んでいる。
あれだけ強い精神力を持つ意味づけとしても説得力があって、ワケの分からない覚醒パワーアップとは意味が違っています。
更に本作を支えたのは炎柱である煉獄杏寿郎の存在で、登場した時とラストではその大きな器はキャラクターの魅力として強かったです。
ハッキリ言って、この『鬼滅の刃』は歴代のアクション漫画と比べて地味であるが、本質はそこではないと思っています。
各キャラクターがどういう動機で動いて、目的を持って突き進んでいく心情をしっかりと描いていて、考えさせられるところもあります。
物語全体として非常に暗くて重たいが、それだけ主人公たちが立たされている状況がリアルに伝わり、その為に何をしなければならない明確な目標があります。
特に本作ではその側面を強く描いていて、まさに『鬼滅の刃』で伝えたいモノが上手い構成で展開されていたと思います。
予想以上に心へ刺さるようなキャラクターの言動はヒットするのは当然であり、これだけ時代の波に乗って歴代1位になった理由は分かりました。
この「無限列車編」を劇場アニメにしたのは正解であり、TVアニメシリーズにしなかった製作側の上手い戦略も光っていたと思います。
日本歴代興行収入第1位を記録した作品として決して間違いだろうが、やはり、この国は実写映画ではできない芸当と改めて感じてしまいました。
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