【騙し絵の牙】VD-657

スポンサーリンク
▼メインジャンル

作品データ

公開年月 2021/03/26
ジャンル サスペンス
原作 塩田武士 『騙し絵の牙』
監督 吉田大八
脚本 楠野一郎、吉田大八
製作 新垣弘隆、池田史嗣、ほか
製作国 日本
鑑賞方法 動画配信サービス

あらすじ

大手出版会社“薫風社”で創業一族の社長が急逝し、次期社長をめぐる権力争いが勃発する。
そんな中、カルチャー雑誌“トリニティ”を率いる変わり者編集長の速水輝は、強引な改革を進める専務の東松によって廃刊の危機に直面していた。
薫風社の看板雑誌“小説薫風”から迎えた新人編集者の高野恵とともに新人作家を大抜擢するなど、速水は次々と目玉企画を打ち出していくのだった。

登場人物&出演者

速水輝(演:大泉洋)

近年の出演作に『劇場版 がんばれ!TEAM NACS』、『浅草キッド』などがあります。

主人公。「薫風社」の雑誌「トリニティ」の編集長。別の出版会社から引き抜かれたばかりのやり手。

かつて様々な種類の雑誌を担当していて、圧倒的な経験値を持ち、売上至上主義を体現している。
「トリニティ」のやり方を押し通そうとする編集者たちと違い、面白ければなんでもいい考え。
東松と組んで邪魔な宮藤を辞任に追いやるが、更に惟高の味方となって「KIBA」を中止させた。
最後は高野に期待を寄せるも裏切られ、神座を持っていかれるが、城島咲に次の賭けをした。

高野恵(演:松岡茉優)

近年の出演作に『劇場』、『ひとよ』などがあります。

ヒロイン。「薫風社」の「小説薫風」にいた新人編集者。実家は小さな書店を父親が経営している。

新人賞で矢代聖の尖った作品を発見して、一人だけ推すも雰囲気に合わないとして却下された。
二階堂のパーティで速水にそそのかされて失言をしてしまい、そのせいで別の部署に異動した。
雑誌「トリニティ」に期待する速水からスカウトされ、神座を自力で探し出すも逃げられた。
最後は速水のウソに激怒するも許すが、辞職をして出版する本屋で神座を引き抜いて立ち上げた。

矢代聖(演:宮沢氷魚)

代表作に『映画 賭ケグルイ』、『ムーンライト・シャドウ』などがあります。

「小説薫風」の新人賞に応募したアマチュアの小説家。選考段階で高野だけが新人賞に推していた。

連絡を取ろうとして電話が通じず、何者か分からなかったが、速水が意図も簡単に見つけ出した。
イケメンという事から城島咲とともに「トリニティ」の表紙を飾り、芸能人のような扱いとなる。
速水の路線に対して不満を持ち、城島咲が逮捕された事で仲違いして宮藤の方に裏切った。
最後は記者会見で矢代じゃないと告白し、宮藤を辞任する大掛かりな騙し合いに一役を買った。

城島咲(演:池田エライザ)

近年の出演作に『真夜中乙女戦争』、『映画 賭ケグルイ/絶体絶命ロシアンルーレット』などがあります。

ファッション誌の表紙を何度も飾る人気のモデル。ストーカーに付きまとわれ、マネージャーの対応が間に合わない。

そのせいで不安を持った撮影をしていたが、目をつけた速水が接触して銃好きだと見破られる。
速水が「トリニティ」の表紙としてオファーを出すが、実は過去に小説を書いていた事がバレる。
「トリニティ」で小説を出す事になって矢代とツーショットで動くが、ストーカーに追われる。
最後は3Dプリンターで銃を作った事から逮捕されるが、速水が切り札として小説の誘いを受ける。

二階堂大作(演:國村隼)

近年の出演作に『ちょっと思い出しただけ』、『映画 太陽の子』などがあります。

大物小説家。「薫風社」の先代社長とは旧知の仲で、何度も文学について語り合った友人のような関係でもあった。

先代社長が亡くなった日にパーティを開いていて、当然ながらお悔やみの言葉をかけていた。
速水とは過去にちょっとした因縁を持ち、その場で高野から作品に意見を言われてムッとした。
テレビでは薫風社の後継者争いではコメンテーターとして登場し、古き良きを説いていた。
最後は「トリニティ」の目玉企画として過去の小説を漫画家する速水のアイデアに飛び込んだ。

神座詠一(演:リリー・フランキー)

近年の出演作に『その日、カレーライスができるまで』、『鳩の撃退法』などがあります。

以前の「薫風社」で大ヒット小説を書いていた謎の多い人物。編集に手直しを許さない完璧主義者。

22年前に何度も手直していた小説を勝手に編集部が出版してしまい、そのせいで仲違いをした。
久谷が駆け出しの頃に一度だけインタビューをした程度で、現在はどこにいるのか分からない。
実は矢代聖の小説を書いた人物であり、純粋に作品としての評価をしてもらおうとしていた。
最後は一度速水の雑誌での連載を引き受けるが、高野の独自路線に惹かれて彼女に寝返った。

久谷ありさ(演:小林聡美)

近年の出演作に『閉鎖病棟/それぞれの朝』、『海よりもまだ深く』などがあります。

文芸評論家。テレビのコメンテーターとして、薫風社の先代社長が亡くなった影響について語っていた。

速水とは旧知の仲でお互いに貸し借りの関係を持っていて、彼のやり方を誰よりも良く知る。
雑誌「トリニティ」を盛り上げるべく、速水に頼まれて称賛するようなコメントを出した。
速水が宮藤を辞任に追いやるような大舞台を達成し、話しをしようと編集部を訪れていた。
最後は何も知らない高野に速水が何をやるのか遠回しに説明し、大きな賭けに出ると予想した。

伊庭惟高(演:中村倫也)

代表作に『やるっきゃ騎士』、『星ガ丘ワンダーランド』などがあります。

「薫風社」の先代社長の息子。先代社長が急死した事で宮藤の後ろ盾を得て次期社長候補となる。

役員会によって東松が社長に就任すると、左遷されるような形でアメリカの方に飛ばされた。
しばらく動きが分からなかったが、実はアメリカで新たな事業展開する為に動いていた。
「KIBA」のプロジェクトで調子に乗っていた東松の前に現れ、新たな事業について説明をした。
最後は自ら社長に就任して「KIBA」のプロジェクトを中止させ、速水と新たな賭けに出た。

宮藤和生(演:佐野史郎)

代表作に『夢みるように眠りたい』、『感染』などがあります。

「薫風社」の常務。先代社長に対して慕っていて、息子の惟高の後見人として強い立場を持っていた。

会社の看板である「小説薫風」による文学に絶対の自信を持ち、新しい手法を一切認めない。
若い頃は高級クラブで小説家たちと文学で語り合い、古き良きやり方こそが正論だと考えている。
売上至上主義の東松とは徹底的に対立し、ついに大型新人の矢代聖を自分の味方につけた。
最後は記者会見で小説薫風から連載すると発表するが、まさかの裏切りで責任を取って辞任した。

江波百合子(演:木村佳乃)

近年の出演作に『マスカレード・ナイト』、『ファーストラヴ』などがあります。

「薫風社」の看板である「小説薫風」の編集長。常務であった宮藤の意志を受け継ぐ者として君臨する。

宮藤の影響を受けて文学を第一に考え、薫風社の社風に合った作品や小説家たちを優遇していた。
高野が見つけた矢代の作品の新人賞を見送って、二階堂への無礼から別の課へ異動を命じた。
社長に就任した東松の収益構造の改革により、小説薫風を休刊にされて総務課に異動させられる。
最後は出版する本屋を展開する高野の書店に転職し、一緒に新たな本の売り方を手伝っていた。

東松龍司(演:佐藤浩市)

近年の出演作に『ザ・ファブル/殺さない殺し屋』、『桶狭間/織田信長 覇王の誕生』などがあります。

「薫風社」の専務。裏では「機関車トーマツ」とも呼ばれ、今まで多くの出版会社を潰してきた壊し屋でもある。

先代社長が亡くなった事で社長に就任すると、速水と組んで邪魔な「小説薫風」の排除を企む。
速水が出すアイデアに同調して、犯罪者となった城島咲を逆に雑誌の表紙に使う指示を出した。
対立した宮藤が辞任した事により、長年に渡って温めてきた「KIBA」のプロジェクトを進める。
最後は先代社長の息子がアメリカでの契約を成功させ、新たな事業により社長の座を追われた。

感想

[個人的な評価]

評価 :3.5/5。

本作は塩田武士の同名小説を実写映画化した作品となります。
この作品は新型コロナウイルスの影響で10ヶ月の延期を経て公開されました。
豪華なキャストを使った「騙し合い」を展開する内容について、邦画としては悪くない部類だと感じました。
基本的に邦画というのはどうでもいいエピソードを足し算するので、どうしても上映時間が2時間を超える事が多いです。
本作についてもギリギリで2時間を切っているが、なんと言っても騙し合いがメインとなっているから緊張感が漂っています。
その中で主人公を演じる大泉洋は常に何か隠し玉を持っているような立ち回りで、やはり、彼の演技は自然体でスッと入ってきます。
老舗の出版会社が舞台となっているが、現代の波に勝てない状態になっていて、大きな転換期となっています。
ここで昔ながらのやり方で押し通すのか、それともまったく新しいやり方で立て直していくのか見ものとなります。
売上至上主義の主人公と会社を守ろうとする古株の対決が騙し合いで制して、更にそこからもう一つの騙し合いが気持ち良かったです。
そんな駆け引きの中で愚直に良い作品をもっと磨こうとする新人編集者を演じた松岡茉優が非常に良かったです。
特に大泉洋と松岡茉優の演じたキャラクターの対比が面白く、この二人だからこそ物語を盛り上げたと思いました。
豪華なキャストであっても邦画のつまらない要素をなるべく排除して、鑑賞する側を意識した演出は好印象となりました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました