作品データ
あらすじ
シングルファーザーのデレクは、ある日幼い一人娘を無惨にも殺されてしまう。
復讐を誓ったデレクは犯人を見つけ出すと、自宅の地下室に監禁してあらゆる拷問を加える。
捕まっていた犯人は想像を絶する苦痛に悶えるが、優しかった父親が残忍な本性を徐々に表していくのだった。
登場人物&出演者
・デレク(演:マイケル・トムソン)
代表作に『ハリー・ポッターと謎のプリンス』、『Battalion』があります。
主人公。共同経営者のコリンとサーフボードの専門店を営む。弟のトミーも雇っている。
経営不振でコリンからトミーのクビを宣告され、仕方なく自らの口で弟に事実を伝えた。
愛娘のジョージアが何者か殺され、半年も立ち直れないでいると、弟が犯人だと知る事に。
警察には突き出さず、弟を自家製の器具で六日間に渡って気絶しない程度まで拷問を続ける。
最後はジョージアの拷問をトミーに課すが、娘の事を想って殺さずに刑務所送りとなる。
・トミー(演:クリスチャン・ラドフォード)
代表作に『Vigilante』、『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』などがあります。
デレクの弟。毎回遅刻するせいでデレクの共同経営者であるコリンと折り合いが非常に悪い。
何度も注意されても真面目に働かず、経営不振となった事でデレクからクビを宣言される。
ジョージアが何者かに殺されると、葬式に参列するもそれ以降はデレクと会っておらず。
実は以前から小さい子供をレイプしていて、クビになった腹いせにジョージアを殺害した。
最後はあらゆる拷問を受けて死を望むが、デレクが娘の事を想って殺されず刑務所送りに。
・コリン(演:ショーン・ギャノン)
代表作に『Wolf Creek』、『Boar』などがあります。
デレクとサーフボードの専門店を共同経営している。経営不振にずっと頭を抱えている。
遅刻魔であるトミーが厄介者だと以前から注意していたが、デレクにも厳しく注意していた。
トミーをクビにしないと店が潰れるとデレクに話し、弟のクビ宣言を彼に任せた。
ジョージアが亡くなってから半年後、以前として立ち直れないデレクをなんとか励ました。
最後はデレクの自宅で行われた拷問を見せつけられ、彼から警察を呼ぶように言われた。
・ステイシー(演:アリーラ・ジャクエス)
代表作に『Come and Get Me』、『Charlie’s Farm』があります。
デレクの元妻。ジョージアを出産する時にデレクの無神経な態度にずっとイライラしていた。
ジョージアが生まれてからデレクとは仲違いして、今では離婚して娘を引き取っていた。
治安の悪い地域に住んでいて、窓が壊れたまま修理せず、デレクが直すと言っても断った。
ジョージアが部屋からいなくなってデレクに連絡し、すぐに警察が駆けつけて捜索する。
最後は窓を直さなかった事をデレクだけじゃなく、他の親戚からも激しくせめられていた。
・シアン(演:ホリー・フィリップス)
代表作に『Hand of Art』、『Finding Fatimah』などがあります。
トミーの恋人。だらしないトミーを心配して彼の家に来て何かと世話を焼いている。
ジョージアが何者かに殺されてしまうと、落ち込んでいたデレクたちを励ましていた。
窓を直さなかったステイシーのせいでジョージアが殺されたとハッキリと断言していた。
最後はデレクが罪を認め、連行される際に彼の両親とともに大きなショックを受けていた。
・ハリス刑事(演:ダレル・プラムリッジ)
代表作に『エンドレス・マーダー』、『バタリオン/ロシア婦人決死隊vsドイツ軍』などがあります。
ジョージアが行方不明になった時、捜索の指揮を執っていた。ジョージアを遺体で発見する。
全力で犯人探しをデレクに約束するが、有用な情報を得られず進展がないまま半年が経過。
目撃情報を得て犯人の似顔絵を完成させるが、先にデレクが真犯人を知って徒労になる。
警察署の前でボーッと立ち止まったデレクに声をかけるが、結局はトミーの事を知らされず。
最後は拷問を見せられたコリンの通報で駆けつけ、無抵抗のデレクを逮捕する事になる。
感想
[個人的な評価]
本作は『Charlie’s Farm』、『Boar』などで知られるクリス・サンが監督と脚本を務めます。
ジャケットや邦題からマニアックなホラー映画としてコアなファンを獲得した『ムカデ男』に間違えそうな印象を受ける。
そうなると、高確率でクソ映画だと予測して鑑賞したら、意外にもちゃんとしていました。
冒頭から主人公と娘の強い絆を描いていて、離婚した妻との仲が最悪でも親子としての信頼がしっかりとしていると分かります。
親子の絆を描く上で特別な演出や構成がない分、どうしても退屈に感じてしまい、邦題とかけ離れた内容でガッカリしてしまうと思います。
しかし、主人公のデレクが弟のトミーが真犯人だと分かると、そこからの行動力が凄まじい。
様々な人間やネットの情報から拷問に関するデータを手に入れると、自家製の拷問器具を作成するほどに生き生きとします。
娘を失った事で以前のデレクも死んでしまい、今ではただ復讐を遂げたいという思いでしか生きていない事が分かります。
それが面倒を見てきた弟であっても、許せないぐらいに兄弟としての感情を失わせる行動は恐怖すら抱かせます。
確かに弟のトミーは最低のクズ人間であるが、家族としての感情を失って徹底した拷問をする主人公もどこか欠落した人間になってしまっている。
トミーがこれまで行った非道な行いを何十倍にして彼の体に返す拷問は正直、グロ耐性のある人間でもキツイ描写もありました。
単純に痛みが伝わってくるような拷問は、ホラー映画と違ったグロ描写であり、邦題にも納得させられるぐらいでした。
ただ、人間の体を破壊しているだけじゃなく、冒頭にあるしっかりした親子の物語という背景があるからこそ拷問には複雑な感情を与えてくれます。
父親としての悔しさ、弟が行ってきた数々の凶行、気付かずにいた自分、苦しんだ娘や他の子供たちなど、本作には拷問以上の重なり合った感情がありました。
ここまで真面目な男を変貌させる弟のクズさは凄まじいが、リアルで痛みが直接伝わってくる拷問の描写もまた良かったと思います。
それに主人公が弟を殺さず、拷問の刑罰に服する事を考えて殺人犯にならなかった点でも、単純な映画じゃない事も分かりました。
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