作品データ
公開年月 | 2020/08/28 |
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ジャンル | パニック/サスペンス |
原作 | なし |
監督 | ブレンダン・ウォルシュ |
脚本 | ブレンダン・ウォルシュ、デイリー・ニクソン |
製作 | ブラッドリー・J・ロス、モリー・コナーズ、ほか |
製作国 | アメリカ |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
吹雪の後、凍結した車の中に閉じ込められた夫婦は、気温が急降下する極寒で電話も繋がらず、ドアも開かない状態になっていた。
氷点下の外に出るより車内で助けを待とうと諭す夫に対し、妊娠中の妻は今すぐに脱出するべきだと強く主張していた。
そして、この意見の違いをきっかけに二人の間に大きな混乱が生まれる中、極度のストレス状態となった妻が産気づいてしまうのだった。
登場人物&出演者
感想
[個人的な評価]
本作は実際に起きた事件を着想として作られています。
『バードマン/あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』のプロデューサー、モリー・コナーズが参加しています。
物語のほとんどが狭い車内だけで展開して、登場人物は夫婦と生まれた赤ん坊だけで、いわゆるワンシチュエーションと言えます。
ハッキリ言って、ワンシチュエーションの作品というのは非常に難しく、脚本、演出、演技のレベルが高くないと面白いモノは作れません。
しかし、本作にはどの要素に関してもレベルが低く、出発点となる脚本の段階でダメだとすぐに分かってしまいます。
本作の魅力はワンシチュエーションの中で生き残ろうとする夫婦の物語になるはずが、ほとんどが二人の生産性のない口論となります。
三日目ぐらいまでは二人で協力していたが、食料やストレスのせいで段々と険悪な雰囲気になってしまいます。
これに関して、後半で赤ん坊が生まれて二人の絆が強くなる段階を印象的にしたい演出だろうが、残念ながら失敗していると思います。
序盤から二人が協力するのではなく、口論がメインになっていて、その内容も意味のないモノだから面白いはずがない。
それに夫婦のキャラクター設定に失敗していて、夫は無能で冷静にやろうとするが、行動に説得力がまったくない。
対して妻は無能ながら行動しようとする夫を責めるが、自分は被害者という悲劇のヒロインという自己中心的な考え方である。
残念ながら、この夫婦に共感する部分がなく、妊娠している設定でドラマ性を生み出したい安直なところが見え隠れする。
そして、当然のように出産していくが、あまりにもあっさりと赤ん坊が生まれるところにリアリティがありません。
出産というのは相当の体力を使うし、衛生状況が良くない環境で赤ん坊が無事に生きる可能性だって高くない。
そこら辺の扱いが雑で適当であり、実際に出産をした女性ならば、この描写には納得できない部分が多いと思います。
夫婦の口論も見ていて気持ちいいモノじゃないし、緊張感より嫌悪感しかなく、二人がサバイバルしている感覚もなかったです。
脚本が悪ければ演出も悪く、あとは演技も役作りからして、20日以上もマトモな食事をしていないからやせ細っているはず。
それなのに、車から脱出した妻が最初とあまり変わらない姿なので、そこら辺の役作りによる演技に説得力がなかった。
本作はワンシチュエーションに求められるレベルに及ばず、失敗するとどうなるのか、良い見本となる駄作でした。
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