作品データ
公開年月 | 2015/11/20 |
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ジャンル | ヒューマンドラマ |
原作 | パトリシア・ハイスミス 『The Price of Salt』 |
監督 | トッド・ヘインズ |
脚本 | フィリス・ナジー |
製作 | エリザベス・カールセン、スティーヴン・ウーリー、ほか |
製作国 | アメリカ、イギリス |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
1952年、クリスマス目前の活気溢れるニューヨークで、高級百貨店のオモチャ売り場でアルバイトするテレーズ。
フォトグラファーという夢を持ち、恋人リチャードから結婚を迫られるなど、一見充実しているように見えて、どこか満たされない日々を送っていた。
そんなある日、ゴージャスな毛皮のコートを来たキャロルが娘のクリスマスプレゼントを探しに来ると、テレーズはその美しく優雅な姿に目を奪われるのだった。
登場人物&出演者
感想
[個人的な評価]
本作はスイス出身の作家パトリシア・ハイスミスが1952年に発表した小説『The Price of Salt』を実写映画化した作品です。
ただ、実際にパトリシア・ハイスミスが執筆した小説として公にされたのは1990年です。
本作はアメリカの50年代が舞台となっていて、その雰囲気が非常に出ていて今とはかなり違った時代だったと分かります。
この作品では同性愛者を扱っているが、当時はまだ理解はされなかったと思います。
しかし、本作では差別される同性愛者ではなく、家庭を持つ女性と自身の本当の姿を知らない若い女性の出会いを描いています。
衝撃的な出会いによって、それまで何も知らなかった若い女性、夫との問題で行き場を失っていた人妻の運命が変わります。
まず、本作のタイトルにもなっているキャロルを演じたケイト・ブランシェットはハマリ役としか言えません。
これはケイト・ブランシェットが演じたからこそ、キャロルというキャラクターの魅力が何倍にも増していると思います。
とにかく、ケイト・ブランシェットの放つ妖艶な雰囲気、気品と美しさを持つ裏では悲しげな表情とのギャップが素晴らしかった。
動作の一つ一つが魅力的であり、もう一人の主人公であるテレーズがひと目惚れしてもおかしくないぐらい説得力があります。
それに対して、テレーズはずっと満たされない日々を送っていたが、キャロルとの出会いで本当の自分を知っていきます。
若さ故に一度火が付いたら止まらないぐらい、キャロルという魅力的な女性にのめり込んでいくのです。
同性愛をテーマにした本作ですが、その中身は純粋にお互いを求める人間と人間の姿を等身大で描いていました。
娘の為に自分の願望を抑えるキャロルが、ついにガマンできずにテレーズを選ぶ姿には相当の覚悟が伝わってきました。
一方で捨てられたような感覚となったテレーズは、キャロルのおかげで自信がつき、タイムズ紙で働くほどに成長していきます。
しかし、二人はお互いを忘れられず、ついに再会した時、本来あるべき姿に戻った時の表情がとても印象的でした。
本作はキャスティングが上手く作用していて、本来の面白さを引き上げる効果を得ている。
キャロルとテレーズがどうなっていくのか、最後まで気になってあっという間に終わってしまうほど引き込まれる作品でした。
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