作品データ
あらすじ
交通事故で恋人を亡くし、自身も運動すると急激に心拍数が上がる後遺症で陸上選手生命を絶たれた元五輪選手のセルゲイ。
ある時、セルゲイは自暴自棄になって全力疾走し一瞬で気を失うと、気が付いた彼は直前に会った女性が死体となって死後3日が経過していた。
やがてセルゲイは、自分が心拍数のリミットを超えている間だけ時を超えられるが判明する一方、警察は彼を殺人事件の容疑者として追い始めるのだった。
登場人物&出演者
・セルゲイ・ボロズディン(演:エフゲニー・ロマンツォフ)
代表作に『コスモボール/COSMOBALL』、『ロシアン・ソルジャー/戦場に消えた18歳の少女兵士』などがあります。
主人公。元ロシア代表の陸上選手。ヨーロッパチャンピオンにもなったが、車の事故ですべてを失った。
トレーニングジムのトレーナーになり、自暴自棄で走ると偶然にもタイムトラベルをした。
3つの殺しが一つの要素と知って止めようとするが、警察から容疑者として追われてしまう。
ナスタヤの殺害を阻止する為に行動し、オレグが黒幕だと判明するも彼をそのまま見逃す。
最後は過去に戻って元凶の自身を殺害して、死んだ女性やオレグたちを助ける事になった。
・ナスタヤ・スミルノワ警部補(演:ポリーナ・マクシモーヴァ)
代表作に『ラスト・インパクト』、『チェブラーシカ』などがあります。
ヒロイン。モスクワ市警の女性刑事。公園で女性が殺害され、現場にいたセルゲイを見かけて名前と電話番号をもらう。
セルゲイを殺人犯だと疑っていたが、目の前で彼がタイムトラベルした事から信じてしまう。
過去にラープチェフ警部のせいで無実の容疑者が自殺し、そのせいでトラウマを持っている。
セルゲイの魅力に惹かれて彼と寝てしまい、捜査に私情を挟むもスタスの死で彼を疑った。
最後はオレグに殺されるも、セルゲイが自身を殺害し生き返り、タイムトラベルを実行した。
・コレツキー博士(演:セルゲイ・ソスノフスキー)
代表作に『コマンドーR』、『ザ・サバイビング・ゾーン』などがあります。
物理学者。持論である“時空連続体の歪み”について、心拍数を200以上超えると可能だと40年間も研究する。
テレビのインタビューで持論について話していると、体験したセルゲイから連絡を受けた。
自分の研究が立証できるとしてセルゲイの話しを真面目に聞き、論理的に可能性を説明した。
3つの要素が必要としてセルゲイに説明し、必ず三人の殺害がないと起きない現象と断言。
最後はセルゲイに頼まれた計算を完成されるが、持病の心臓病の発作によって死亡していた。
・ラープチェフ警部(演:オレグ・ヴァシリコフ)
代表作に『ロシアン・スナイパー』、『ナチス・バスターズ』などがあります。
モスクワ市警の刑事。セレブに対して一方的な嫌悪感を持っている。ナスタヤを有望な人物として期待している。
公園で女性が殺害された事件でセルゲイを先入観で疑っていて、彼を犯人として決めつける。
過去にセルゲイが恋人を死なせ、彼自身がお咎めなしという事についてもブチ切れている。
ナスタヤに殺人容疑でセルゲイが逮捕されると、自白させようとして暴力を振るっていた。
最後はスタスの殺しがセルゲイと断定するが、彼が自分自身を消した事ですべてが消え去る。
・スタス(演:ダニラ・ヤクーシェフ)
代表作に『北極探検の使命』、『イリュージョン』などがあります。
トレーニングジムのトレーナー。元ロシア代表の陸上選手だったが、現役時代はセルゲイに一度も勝っていない。
ジムではセルゲイが女性の客を奪っている事実が気に食わず、彼に対して嫉妬心を持つ。
ステロイド剤を打って筋肉を大きくしていたが、セルゲイに見られても堂々と説明していた。
実は裏でオレグと繋がっていて、ステロイド剤をもらう代わりにセルゲイのパーカーを渡す。
最後はナスタヤに疑われたとオレグに話すも殺されるが、セルゲイが消えて一流選手になる。
・オレグ(演:ダニル・ステクロフ)
代表作に『シー・サバイバー』、『ラスト・インパクト』などがあります。
診療放射線技師。セルゲイの主治医の助手。心拍が上がってしまうセルゲイのレントゲン写真を毎回撮っている。
記憶が曖昧になってセルゲイが相談にやって来ると、スマホを忘れたとして彼に手渡した。
今度は膝の靭帯を痛めたセルゲイが来ると、レントゲン写真を撮って主治医に渡していた。
その正体はセルゲイが車の事故で殺害した女性の幼馴染みで、彼に復讐していた黒幕と判明。
最後はセルゲイがタイムトラベルで自身を殺害し、幼馴染みが死なず女性を殺さずに済んだ。
感想
[個人的な評価]
本作は近年でSF映画に力を入れているイメージがあるロシア産となります。
この作品はアンドレイ・ザギドゥーリンにとって長編映画デビュー作となっています。
いわゆるタイムトラベル系の映画となりますが、過去と現在と未来が一直線で繋がっているタイプの設定となっています。
まず、3つの点によって主人公がタイムトラベルするが、特定の場所、心拍が200以上、3つの殺しによって発生するという設定です。
ハッキリ言って、これにはSF的な要素がまったくなく、物理博士の説明で何を言っているのは理解するまで少し時間がかかりました。
それで冷静に考えてみると、単純にサスペンスを成り立たせる為の設定になっていて、結果的に強引すぎる感じになりました。
それでロシア映画というのは基本的にイケメンが絶対的な正義であり、ブサイクな男はみんな悪人という構図があまりにも頭が悪いような気がする。
主人公がタイムトラベルしていくが、明らかに挙動がおかしすぎて疑われても当然だし、何より性格がクズという点で同情はできない。
問題は主人公と付き合った女性たちが犠牲になっていく理不尽さであり、それを行った犯人があまりにもモブすぎてサスペンスとして破綻してしまっている。
殺人の犯人はもっと物語の中に食い込んでいくはずだが、名前どころか顔すらハッキリと覚えていないヤツだと判明するとガッカリする。
中途半端なミスリードをしたせいで容疑者だった男が殺され、これで面白くなると作った側が考えた典型的な独りよがりとしか思えなかった。
何より本作の主人公がセレブとばっかり付き合っている上級国民的な存在について、監督が個人的に恨みのようなモノを持っているかもしれない。
だからこそ本作で徹底的にこき下ろすような展開について、主人公を追い詰めるような感じがあったと思います。
あと、刑事が思いきって私情を捜査に持ち込むのは明らかにダメだし、その展開についても個人的にあまり好きじゃなかったです。
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