作品データ
公開年月 | 2020/01/31 |
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ジャンル | SF/サスペンス |
原作 | なし |
監督 | 入江悠 |
脚本 | 入江悠 |
製作 | 北島直明 |
製作国 | 日本 |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
2030年、日本では医療AI「のぞみ」が国民の個人情報と健康を完全に管理し、国民生活には欠かせないシステムとなっていた。
開発者の桐生浩介はその功績が称えられる事になり、移住先の海外から娘とともに久々に日本へ帰国する事になる。
ところがその直後、突如「のぞみ」が暴走を始めると、国民の価値を選別して不要と判断された人間を次々と排除していくのだった。
登場人物&出演者

近年の出演作に『キングダム』、『風に立つライオン』などがあります。
主人公。人工知能「のぞみ」を開発するが、認可が降りず妻が亡くなって海外へ移住した。
「のぞみ」が医療で貢献し、その功績を讃えられ、娘の説得で久しぶりに日本へ帰国。
手違いで「のぞみ」を暴走させた犯人にされ、逃走する中で娘を助けようとする。
悟と廃墟となった大学でプログラムを書き込んで、再び千葉のサーバールームまで行く。
最後は桜庭が黒幕と暴き、合田の協力で「のぞみ」の暴走を止め、娘を救い出した。

代表作に『斉木楠雄のΨ難』、『ちはやふる/結び』などがあります。
浩介の義弟。人工知能「のぞみ」を浩介から受け継ぎ、会社を立ち上げて社長に就任した。
政府の認可がなくても姉を助ける為に「のぞみ」の使用を主張するも結局は使われず。
浩介を日本に呼びつけたが、「のぞみ」の暴走で心が閉じ込められ何もできずにいた。
浩介から廃墟となった大学で合流し、暗号化されたノートパソコンを手渡して協力する。
最後は浩介を逃す為に犠牲となり、駆けつけた合田に犯人の名前を告げて死亡した。

代表作に『SHORT TRIAL PROJECT 2018「島のシーグラス」』などがあります。
浩介の一人娘。母親がガンで亡くなってから、父親に連れられて海外で住んでいた。
悟からメールが入ると、日本に行きたくなって頑なに拒否した父親をなんとか説得した。
HOPE社で家族写真を紛失し、サーバールームで「のぞみ」の暴走で閉じ込められる。
サーバールームが冷却されて低体温症となって動けなくなり、社員に心配される。
最後はプログラムを反射させて「のぞみ」に読ませ、なんとか助かって墓参りに行った。

代表作に『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズ、『アウトレイジ』シリーズがある。
定年が近い所轄のベテラン刑事。奥瀬とともに「百眼」から刑事部の連絡係にされる。
勝手に個人の情報をハッキングする「百眼」のやり方が気に食わず、独断で浩介を追う。
奥瀬に刑事の必要なのは経験と勘、それな自分の足だとアナログなアドバイスをした。
悟から真犯人の名前を聞いて、急いで千葉のサーバールームまで奥瀬と戻っていった。
最後は桜庭が黒幕だと判明して逮捕され、浩介に早く娘を助けるように行かせた。

代表作に『死にぞこないの青』、『巫女っちゃけん。』などがあります。
警視庁捜査一課の新米刑事。合田とともに刑事部の連絡係として「百眼」の活躍を見る。
目の前であっという間に浩介の居場所を突き止めた「百眼」に圧倒して感心していた。
足取りが途絶えた浩介を追うべく、刑事としての経験と勘と足だと合田に言われて追う。
合田の勘と警察の資料で浩介の足取りを当てるが、またしても逃げられて千葉に帰った。
最後は桜庭こそが犯人だと合田から聞き、浩介に銃を向けていた林原たちを止めた。

代表作に『ケンとカズ』、『私の奴隷になりなさい』シリーズなどがあります。
デイリーポストの記者。人工知能を嫌い、人間を守るべきという偏った思考を持っている。
HOPE社でAI反対派の抗議で浩介が退場すると、すぐに接触して名刺を手渡していた。
警察のテロ対策班に捕まる浩介の写真を撮り、彼をテロリストとして編集部で主張。
記事が出来上がって着替えを取りに行こうとして電話が入ると、電話がかかって止まる。
最後は桜庭が計画を丁寧に説明した動画を全世界に流し、浩介に単独インタビューする。

代表作に『シルク』、『鴨川ホルモー』などがあります。
サイバー犯罪対策課の女性捜査官。常に桜庭理事官と行動を共にして指示に従っていく。
浩介のスピーチ中に反対派がやって来ると、桜庭の用意した人員とともに確保させた。
桜庭が「百眼」を起動させると、次々と報告される情報から的確な指示を出していた。
千葉のサーバールームに戻った浩介の前に登場し、桜庭が黒幕と判明しても従っていた。
最後はなぜか桜庭が画策していた事を説明して、何もできず奥瀬に銃を没収された。

代表作に『クローズEXPLODE』、『ROAD TO HiGH&LOW』シリーズなどがあります。
警察庁警備局の若き理事官。サイバー犯罪対策課を指揮する。浩介を尊敬している。
「のぞみ」の暴走が始まると、開発していた「百眼」を起動させて浩介の足取りを追う。
勝手に個人管理のカメラなどをハッキングして、明らかに法律を無視する方法も使う。
実は「のぞみ」を暴走させた張本人で、浩介に正体を暴かれても動じず逆に説明した。
最後は合田たちによって逮捕されるが、人工知能の暴走は終わっていないと話していた。
感想
[個人的な評価]
本作は『22年目の告白/私が殺人犯です』で知られる入江悠のオリジナル脚本となります。
昨今の邦画は原作持ちか芸能事務所やテレビ局が認めた企画じゃないと通らないが、本作は珍しいオリジナル脚本となっています。
日本では珍しく人工知能をテーマにしていますが、それだけじゃ間が持たないから娘をサーバールームに閉じ込めるタイムリミットを設けています。
まず、ここまで持っていく展開が強引のような感じで、かなり不自然な印象を受けました。
主人公の娘はタイムリミットを設ける為だけでしかなく、物語全体から見たらそこまで重要な人物ではなかった。
多少は活躍するような感じになっているが、それはいくらでも調整できて、必ずしも娘である必要性は感じられなかった。
現代の日本という逃げの部分があったので、テロ対策班が銃を持っていても違和感を持たせようとしていました。
今から10年後の日本という事でどのような感じになっているのか期待しました。
しかし、本作では人工知能をテーマにしながら、どこか否定しているような印象があった。
そもそも、人工知能が暴走するネタは『ターミネーター』を筆頭に決して珍しくない。
むしろ、使い古されたネタであり、そこに人間的な感情を織り交ぜる展開もどこかで見た事のあるような構図で新鮮味はなかった。
この作品がアメリカで作られるならば、もっと派手なアクションがあって、上映時間も100分ぐらいに収めて来るはずです。
残念ながら本作は邦画らしく、ムダなエピソードや演出があって、もう少し短くできたはず。
それを最初から指やるつもりがないところでテンポが悪くなっているのは言うまでもない。
特にラストの展開も見え見えで分かりやすいのに、やたらと時間をかけている点でも勘違いした演出だと感じました。
10年後の日本がそうなるのか分かりませんが、人工知能を否定するような内容はもう時代遅れだと思いました。
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