作品データ
あらすじ
病院長である父親の失踪の謎を探る一人娘の由美は、同時に同僚の医師や看護師にも失踪者や自殺者がいる事に気づく。
ある日、由美は同僚の医師から父親の日記帳を渡されると、それはある少女のお腹から摘出された生きた女の首の観察記録だと知る。
由美は同じ病院に入院する友人が奇怪な言動の末に自殺した文仁と協力して謎を追っていくのだった。
登場人物&出演者
・森田由美(演:山口紗弥加)
代表作に『モスラ』シリーズ、『ミックス。』があります。
主人公。森田病院の院長の一人娘。行方不明となった父親を探そうと一人で奮闘していた。
母親とは別居状態であったが、父親のいない状態から一緒に暮らすも心的ストレスをもらう。
父親と不倫していた敦子から話しを聞くも有用な情報がなく、文仁と出会って捜索する。
行方不明の父親が水槽にあって葬式をすると、富江から手紙を受け取って病院の地下へ行く。
最後は富江に追い詰められるが、文仁の助けで反撃して、病院を抜け出して安堵していた。
・川上富江(演:宝生舞)
代表作に『あした』、『なごり雪』などがあります。
病院の地下室にある水槽で実験をされていた。意識を取り戻して水槽から出て病院を徘徊する。
ちょうど文仁のベッドで読書していた武史を見つけて、連れ出してもらうようにお願いした。
武史の家で失われた左腕が再生し、彼を捨てようとして首を切断されるも復活して追い詰める。
実はすでに由美の父親を操作して水槽に自殺させ、同じく孤独な由美と友達になろうとする。
最後は助けに来た文仁の反撃を受け、由美による体と頭部を燃やされるも復活を口にした。
・佐藤文仁(演:窪塚洋介)
近年の出演作に『みをつくし料理帖』、『破壊の日』などがあります。
由美の病院で入院していた青年。友人の武史が面会に来ると、病院の雰囲気が怪しいと語る。
不思議な現象に関する知識を持っていて、消えた武史が口にした富江について独自に調べる。
目的が同じ由美と出会うと、彼女が持っていた父親の日記から狂気を感じて驚いていた。
精神を病んだ武史を見つけて実家に送り届けるが、いつの間にか富江に支配されてしまう。
最後は由美を殺そうとするも自制して、一緒に富江を倒して、病院からなんとか抜け出した。
・森田陽子(演:金久美子)
代表作に『月はどっちに出ている』、『ディスタンス』などがあります。
健三の妻で由美の母親。夫と娘の由美と別居していて、別の会社を経営している。
夫が行方不明になって捜索願いを出し、心配しながらも病院の経営について考えていた。
一人でいる由美を心配して家にやって来るが、微妙な親子関係で深い話しまでできず。
敦子から話しを持ちかけられると、不倫について責めるつもりはないと断言していた。
最後は夫の遺体が見つかり、葬式で泣いているところで敦子に励まされていた。
・森田健三(演:菅田俊)
代表作に『あぶない刑事』、『ラストサムライ』があります。
病院の院長。妻の陽子とは別居状態。一人娘の由美と暮らすも仕事が忙しく構ってやれない。
急患で運ばれてきた女性に緊急手術を敢行するが、不気味に動く膨れたお腹に戸惑っていた。
手術中に誤って自分の指をメスで切ってしまい、その後は人が変わってように何か没頭する。
実は病院の地下室で富江の体を水槽に保存し、独自に解剖などをしていくも魅了された。
最後は地下室の水槽に自身の遺体があって、そこへやって来た敦子に発見されて葬式をされる。
・木下敦子(演:冨樫真)
代表作に『恋の罪』、『凍える鏡』などがあります。
由美の父親が経営する病院に勤める看護師。以前は由美の父親と不倫関係にあった。
行方不明になった父親を探す由美から所在を聞かれるが、とっくに別れたと告白した。
由美から富江という名前を聞かされると、独自に記録を調べ、同日の急患について教えた。
健三の遺体が見つかって葬式を行われ、泣き崩れていた夫人の陽子をなんとか励ましていた。
最後は陽子によって病院が閉鎖されると、やって来た業者を地下室に案内していた。
・武史(演:松尾政寿)
代表作に『がんばっていいましょい』、『気球クラブ、その後』などがあります。
文仁の友人。ケガをして入院していた文仁の為にファストフードや漫画を持ってきていた。
面会時間が過ぎても居座っていて、文仁がいない間、富江に遭遇するとそのまま連れ出した。
心配する文仁からの電話を一方的に切ってしまい、完全に富江の魅力に依存してしまう。
富江から捨てられそうになると、急にブチ切れて首を切断し、山中に生首を埋めた。
最後は富江に捨てられ、心配になった文仁が来ると、精神を病んだ状態で発見された。
感想
[個人的な評価]
本作は続編というよりは、違うエピソードで作られた別の作品となります。
その為、前作のキャストやスタッフは一新されて、同じようなパターンなので、どっちかと言えばリメイクに近いです。
前作ではなかなか富江の顔を映す事はなかったけど、本作は最初から堂々と映して誰なのかをハッキリさせています。
本作ではクールビューティーな宝生舞が演じているので、前作の菅野美穂とは大きくイメージが変わっていると思います。
ただ、原作の方は読んだ事がないから比較できないが、二作を鑑賞して受けたイメージから宝生舞の顔と菅野美穂が見せた狂気がちょうどいいかもしれない。
一作目と同じようなルートで物語で進んでいき、登場人物の配置もかなり似ているせいで新鮮味は感じられなかったです。
本作は演出に抑揚がないせいか、どうしても退屈に感じてしまい、せっかく富江を全面的に出しているのに今ひとつ存在感がなかった。
あとは前作だと映像が1999年なのに古い印象だったが、本作はそれに関して解消されていました。
あまりにも前作と被っているせいで語るところがあまりなく、ラストでは曖昧にしてしまったのはちょっと微妙だと思いました。
どっちにしても、富江というキャラクターは死ぬ事が許されず、いつまでも再生して男たちを狂わせていくパターンで何も変わっていない。
つまり、物語が出発点から何も動いておらず、単純に富江と愉快な仲間たちで終わってしまっているのが本作最大の失敗になっている。
もっと富江の恐ろしさに焦点を絞るべきであり、中途半端に周りの人間についてエピソードを割いたのも間違った方向性だったと思います。
このままの方向性でシリーズ化が進んでいるならば、この先にある長い道はかなりの修行になりそうな気がします。
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