作品データ
あらすじ
イギリスの田舎町リトル・ヘブンでは、女子高生のアナは幼い頃に母を亡くし、父と二人暮らしながら冴えない仲間との日々にウンザリしていた。
大学に進学して欲しい父に内緒でアナは海外を旅する計画を立て、その資金を稼ぐ為にダサイ幼馴染みののジョンとバイトに励んでいた。
しかしある日、その事が父親にバレてしまい大ゲンカし、翌日学校へ向かったアナはゾンビに遭遇するのだった。
登場人物&出演者
・アナ・シェパード(演:エラ・ハント)
代表作に『レ・ミゼラブル』、『スティールワールド』などがあります。
主人公。女子高生。バイトで金を稼いで世界を見たいが厳格な父親にバレて止められる事に。
退屈な日々と父親の束縛にウンザリして、なんとか街を抜け出したい思いが先行している。
目が覚めると外はゾンビだらけの世界だと気付き、ジョンと合流して学校に避難をした。
ジョンの犠牲でゾンビから逃れると、合流したニックが父親を殺した懺悔で見直してしまう。
最後は父親が噛まれてショックを受け、ニックとステフの助けで世界を旅する事になる。
・ステフ(演:セーラ・スワイア)
代表作に『One Man Flash Mob: The Lucien Simon Story』、『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』などがあります。
アナの友人。女子高生。レズビアン。両親がメキシコにいてガールフレンドにも会えず。
ブログで世間の問題を書いていたが、個人的な主張をサヴェージ校長に咎められてしまう。
外がゾンビの世界になると、クリスと動画撮影をしていてアナのバイト先に避難していた。
街を抜け出すには車が必要だとして学校に向かい、リサとクリスの心中を見届ける事に。
最後はなんとか自分の車を手に入れると、アナとニックを助け出してどこかへと旅立った。
・ニック(演:ベン・ウィギンズ)
代表作に『Cam2Cam』、『Antony & Cleopatra』があります。
アナの同級生。男子高生。以前はアナと付き合っていたが、浮気のせいで別れる事になる。
クリスマスにはアナを誘うも父親の介入で有耶無耶になり、下品な誘いを見せていく。
外がゾンビの世界になると、軍人の父親から金属バットを手渡されて自分の手で始末した。
仲間と楽しくゾンビ狩りをしてアナたちと合流し、彼女と二人っきりになって懺悔した。
最後は一度アナを助け出し、もう一度登場して合流し、最終的にステフの車で街から出た。
・ジョン(演:マルコム・カミング)
本作が長編映画デビュー作となります。
アナの幼馴染み。冴えない男子高生。何かとボケている感じでからかわれる存在である。
ウッカリ口を滑らせてしまい、アナの父親に世界を旅する事がバレて気まずい雰囲気になる。
外がゾンビの世界になると、バイト先でクリスたちと合流して状況を軽い気持ちで楽しむ。
実はアナに長年片想いを抱いていたが言えず、ニックたちの合流で更に存在感がなくなる。
最後は学校を目指す途中で手を噛まれ、アナを逃がす為に囮となってゾンビとなってしまう。
・クリス(演:クリストファー・ルヴー)
代表作に『Love Me Till Monday』、『Forgotten Man』などがあります。
アナの友人。男子高生。リサの恋人。動画を撮る事が趣味で常にカメラを持ち歩いている。
自主製作映画を撮影して提出するも、先生からダメ出しされても一切へこたれない強心臓。
外がゾンビの世界になると、ステフと動画撮影していてアナたちのバイト先に逃げていた。
学校に向かうとリサを見つけるが、祖母は病気で亡くなっていて彼女と悲しんでいた。
最後はリサが噛まれてしまうと、彼女を見捨てられず一緒にゾンビとなってしまう。
・リサ(演:マルリ・シウ)
代表作に『Run』、『Our Ladeis』などがあります。
アナの友人。女子高生。クリスとは恋人。クリスマス・ショーで主演を務める事になる。
厳しいサヴェージ校長の文句を言って、ニックの軽い調子を見て更に文句を言っていた。
クリスマス・ショーで下品な歌詞の歌を披露してしまい、サヴェージ校長の怒りを買った。
外がゾンビの世界になってしまうと、クリスの祖母と一緒に避難して助けを待っていた。
最後は車のキーを取ろうとするも噛まれて、クリスと心中を決めてゾンビとなった。
・トニー・シェパード(演:マーク・ベントン)
代表作に『こわれゆく世界の中で』、『イーグル・ジャンプ』がある。
アナの父親。高校の掃除をする。妻が亡くなってしまい、何かとアナの将来を心配している。
アナが大学に行く事を楽しみにするが、世界を旅すると聞いて怒濤の如く怒って止める。
クリスマス・ショーが始まるとサヴェージ校長と見るが、なんとかフォローしていた。
外がゾンビだらけになって学校で待機し、サイコパスと化したサヴェージ校長に拘束される。
最後はアナに助け出されるもすでに噛まれていて、彼女とツライ別れを経てゾンビになる。
・サヴェージ先生(演:ポール・ケイ)
代表作に『フランキー・ワイルドの素晴らしい世界』、『ドラキュラZERO』などがあります。
高校では教頭を勤める。もうすぐ校長が辞めて次の校長になる。ルールに厳しく嫌われる。
クリスマス・ショーの内容が散々すぎて、リサの歌詞が下品すぎてガマンできずブチ切れる。
外がゾンビだらけになると学校で物資を集い、政府の助けが来るまで待機すると宣言した。
誰も言う事を聞かなくなってサイコパスと化し、学校にゾンビを入れてみんなを感染させた。
最後はアナとトニーの連携によりゾンビの群れに放り出され、笑いながら食い殺された。
感想
[個人的な評価]
本作は『シッチェス・カタロニア国際ファンタスティック映画祭』にて上映され、「ミッドナイト・エクストリーム部門」にて最優秀作品を受賞しています。
他に『エディンバラ国際映画祭』、『アムステルダムド映画祭』、『富川国際ファンタスティック映画祭』でも上映されました。
元々は『2010年英国映画テレビ芸術アカデミー』で受賞した短編映画『Zombie Musical』をベースにした作品となります。
ミュージカルのゾンビ映画と言えば、ディズニーの『ゾンビーズ』が思い出され、コミカルなイギリスのゾンビ映画な『ショーン・オブ・ザ・デッド』を思い出します。
もしも、この二つが作品が1本の作品として楽しめるならば、どれほど面白いか簡単に想像がつくだろう。
しかしながら、そこはイギリス映画という枠を考えると、ディズニーほど派手にできず、予算も限られてしまっている。
その為にゾンビが登場しても今一つ盛り上がらず、なんとか歌の勢いでごまかそうとするも完全に失速してしまった。
中途半端にシリアスなシーンを組み込んでいるせいもあるし、もっとファンタジックに弾けても良かったと思う。
その点では『ゾンビーズ』は徹底したエンターテイメントをしているし、『ショーン・オブ・ザ・デッド』は笑いに徹していました。
本作は強みというのがなく、すべての要素を含めても突出したモノがないので、期待していたよりも惜しい感じになってしまった。
しかも、こういう場合だと冴えない幼馴染みが最後まで生き残るべきで、なぜクズな元カレを残したのか分かりません。
それでは幼馴染みは単なる無駄死になってしまい、彼がアナと交わしたシーンの数々に意味がなくなったのは残念すぎます。
ラストでは主人公のアナが父親との別れを惜しんでいたけど、両者のエピソードがあまりにも薄くて感動もほぼない。
どうせ幼馴染みが無駄死にするならば、そこに父親のエピソードを盛り込むべきで、完全に方向性を間違えたと思います。
残念ながら本作はキャラクターの使い方を間違えてしまい、期待していたラストと大きく違ってしまいガッカリしてしまった。
前半の楽しいノリの歌は良かったが、中盤から悲しいトーンになった歌は悪くないけど、雰囲気を重くするだけで正直微妙でした。
やはり、こういう作品はどこまでも明るくやるべきで、シリアスな展開を楽しい歌で吹き飛ばすぐらいしないといけません。
そこら辺を見誤ってしまっていて、感動作を中途半端に作ろうとした結果、期待していた感じとズレて楽しめなかったのは残念すぎた作品です。
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