作品データ
あらすじ
ブレントは結婚して十数年、二人の子供にも恵まれ、若い頃から思い描いていた理想的な幸せな日々を送っていた。
いつものように会社で仕事をしていると、テレビで親が実の子供を殺害した衝撃的なニュースが何度も報じられ、ブレントは心配になって早退した。
家に帰ると子供たちは無事だと知るが、唐突にブレントは「この子たちを殺さなければ」という正体不明の殺意に突き動かされるのだった。
登場人物&出演者
・ブレント(演:ニコラス・ケイジ)
近年の出演作に『ダークサイド』、『コード211』などがあります。
平凡な男で幸せな家庭を持っている。時より狂人のようなフラッシュバックを見せる。
いつも長男のジョシュと遊んでいて、趣味が悪いとしてケンダルに何度も注意される。
凶悪な一面を妄想の中で持っているが、あくまで普通の男として生活を送っている。
家に帰るとデイモンを昏倒させ、カーリーたちを追い回すも気絶してケンダルと合流する。
最後は自身の父親が殺そうとして返り討ちにして、子供たちに抑えられない殺意を見せた。
・ケンダル(演:セルマ・ブレア)
近年の出演作に『ニューヨーク、愛を探して』、『レプリカ』があります。
ブレントの妻。子育ての為に退職している。カーリーとジョシュが生き甲斐だという。
つまらない人生に対して不満を持っていて、職場復帰を望むも叶わず悲壮感を漂わせる。
反抗的なカーリーが財布から金を盗んだとしてショックを受け、ヒステリーを起こす。
各地で異変が起きて急いで家に帰っていくと、カーリーたちを殺す衝動に見舞われて襲う。
最後はデイモンの反撃で捕まってしまい、愛を語りながらも殺意剥き出しとなっていた。
・カーリー(演:アナ・ウィンターズ)
代表作に『A Christmas Snow』、『ナイト・スクール』があります。
長女。典型的な反抗期。昔はケンダルと友達ような関係も今ではほとんど会話しない。
友達のライリーや親しい上級生のデイモンとは打ち解け、大人たちを小バカにする。
ライリーが母親に殺され、逃げていたところでデイモンに遭遇して弟を連れ出そうとする。
何度もケンダルに追い詰められるが、何度も復活したデイモンによって助けられる。
最後はデイモンの活躍で両親を縛り上げ、彼らの懇願も信じられずに助けを拒否した。
・ジョシュ(演:ザカリー・アーサー)
代表作に『フィフス・ウェイブ』、『Don’t Come Back from the Moon』などがあります。
長男。いつもブレントと遊んでいる。調子に乗ってブレントの冷たい視線を感じてしまう。
一人で遊んでいた時に何かの死体を見つけ、ブレントの車に隠すもバレて怒られる。
家政婦が子供を突然殺す現場を見て、自分のベッドの下に隠れてカーリーが迎えに来た。
何度もブレントとケンダルに狙われるが、カーリーの助けでなんとか地下室に逃げ込んだ。
最後は両親を縛って「愛している」と口にするが、ブレントは怒りを押し殺した叫びを聞く。
・デイモン(演:ロバート・T・カニングハム)
本作が長編映画デビュー作となります。
カーリーより一つ年上の黒人。恋人に近い関係だが、ブレントは決して認めようとしない。
ずっとカーリーに夢中となっていて、将来を決める試験も適当に済ませて会おうとする。
家に帰ると父親が何も言わず襲ってきて、事故で死んでしまいカーリーと合流する。
ブレントに殴られ、ケンダルにも殴られるが、それでも立ち上がってカーリーたちを助ける。
最後はブレントとケンダルを縛りつけて、カーリーたちとその様子をずっと見ていた。
・ライリー(演:オリヴィア・クロチッチア)
代表作に『Terri』、『ステイ・コネクテッド/つながりたい僕らの世界』などがあります。
カーリーの親友。母親同士が親友という事で付き合いがあって、授業中もメールしている。
家は金持ちだが、母親の財布から金を盗んだ事がバレて、お小遣いをすべて取り上げられる。
カーリーが盗んだ金でハイになるクスリを手に入れ、学校が大騒ぎになって家に帰った。
最後は気になって二階にいた母親に話しかけると、首を絞められて呆気なく殺されてしまう。
感想
[個人的な評価]
本作は『トロント映画祭ミッドナイトマッドネス』にて上映された作品です。
『アドレナリン』や『ゴーストライダー2』などを手がけたブライアン・テイラーが監督を務めています。
本作は主演がニコラス・ケイジとなっているが、実際に活躍し始めるのは後半になってから。
それまで子供を持つ親たちの異変を描いているが、当然のように理由は語られず、ただ狂気を見せつけるだけ。
生意気な主人公の長女や友達は死んでも構わないし、妻だって欲求不満でヒステリックだから同情の余地もない。
長男は中身がないからどうでもいいし、お友達も人の文句ばっかりと、登場人物は誰一人として魅力的なキャラクターがいない。
基本的にストーリー性はなく、あくまで急に豹変した親たちの凶行がメインとなります。
物語の中盤からおかしな状況になっていくが、まったく説明がなく、親は子供をただ殺すだけの展開となる。
他人の子供には普通に接するが、邪魔をすれば強引に排除する理性の効かない状態になる。
とにかく、本作は単純に物語を支配する正体不明の「狂気」を受け入れるかで作品を楽しめるポイントが変わってくる。
理由もなき親の殺意に追われる子供たちは当然のように抵抗できず、ほとんどがその手にかかって殺される。
もちろん、主人公たちはなんとか逃げるが、それよりもカーリーの恋人であるデイモンが強すぎると思う。
父親に腕を切られても平然だし、ブレントに頭を殴られても後遺症もないし、ケンダルに二階から突き落とされても問題がない。
このデイモンこそが裏の主人公とも言えるほど頑丈だが、なぜかキャラクターとしての扱いが非常に雑である。
本作は『アドレナリン』や『ゴーストライダー2』を手がけたブライアン・テイラー監督だけに、勢いが最大の見せ場だと分かります。
細かい事を考えてしまうと途端につまらなくなるので、あくまで頭を空っぽにして鑑賞するべき作品である。
あと原題は「MOM AND DAD」だが、なぜか邦題は父親だけを指している。
これは明らかに間違っていて、ニコラス・ケイジは主演だけど、そこまで出しゃばった感じじゃないから、邦題は少しニュアンスがズレている気がした。
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