作品データ
あらすじ
ブラジルの小さな村バクラウでは、中心的存在だった長老のカルメリータが亡くなり、葬儀の為に久々の帰郷をしたテレサ。
時を同じくして突然インターネットの地図から村の存在が消されてしまい、上空を正体不明の飛行物体が飛び回る不可解な出来事が起きていた。
よそ者が村を訪れた事をきっかけに、生命線と言える給水車のタンクに何者かが銃撃し、村の外で血まみれの死体が発見されるのだった。
登場人物&出演者
・テレサ(演:バルバラ・コーレン)
代表作に『アクエリアス』、『Burning Night』があります。
祖母が亡くなって都会からバクラウの村に帰ってきた。ついでに医療品も持ってきている。
バクラウの変わらない状況を確認するが、外の農場で異変が起きてから何事か気になる。
パコッチと一夜を過ごすが、農場の一家が惨殺されており、何者かの仕業か警戒していた。
村の人間を狙う傭兵がいると知ると、村に戻ったルンガたちの指示で武装して隠れていた。
最後は返り討ちにすると、やり過ぎかと話すパコッチに聞かれるが、特にそう思わない。
・パコッチ(演:トーマス・アキーノ)
代表作に『Praia do Futuro』、『Serial Kelly』があります。
バクラウの村に住んでいる男性。祖母の葬式に戻ってきたテレサを心待ちにして出迎えた。
食事の後にテレサから誘いを受けると、待っていたかのようにイチャイチャを始めていた。
実は都会で殺し屋として動画で撮られて投稿されるほど有名だが、過去を消している。
村を襲う何者かに対抗するべく、ダムを占拠していたルンガたちに助けを求めていた。
最後は傭兵たちを返り討ちにして、やり過ぎと考えるも、テレサに当然の報いと言われた。
・プリーニオ(演:ウィルソン・ラベロ)
代表作に『Doramundo』、『O Concurso』などがあります。
バクラウの小学校の教師でテレサの父親。祖母の葬式に帰ってきたテレサを出迎えていた。
ドミンガスが暴言を吐いていた事を気にせず、母親の死を惜しみながら課題をこなす。
子供たちにバクラウの所在をタブレットで見せるが、地図から消えていて不審に思っていた。
農場での死体を見たパコッチからルンガに助けを求めると知り、事態の重さを把握した。
最後はトニーが黒幕だと分かると、薬でハイになった自分たちは何も許さないと話した。
・ダミアーノ(演:カルロス・フランシスコ)
代表作に『O Casamento de Romeu e Julieta』、『No Coração do Mundo』などがあります。
バクラウで食品やスパイスを売っている。バクラウの外で妻と一緒に住んで植物を育てている。
祖母の葬式に帰ってきたテレサを出迎えると、自家製の幻覚を見せる植物の種を与えていた。
村の外にある農場の一家が惨殺されていて、様子を見に来たパコッチと合流して状況を知った。
傭兵を先手で一人を射殺して、妻も女性を倒すも助けを求められてドミンガスの元に連れて行く。
最後は傭兵たちを村人全員で迎撃し、マイケルが地下牢に閉じ込められる姿をじっと見ていた。
・ドミンガス(演:ソニア・ブラガ)
代表作に『アクエリアス』、『ワンダー/君の太陽』などがあります。
バクラウで唯一の女性の医者。テレサの祖母とは仲が良く姉妹のような存在として慕っていた。
テレサの祖母が亡くなって葬式で酒に酔って暴言を吐き、プリーニオたちも真剣に取り合わない。
食料品や鎮痛剤と本を持ってきたトニーの配給品が配られる前に暴言に対して謝罪した。
傭兵の女性が撃たれて助けを求めて運ばれるが、大量出血のせいで結局は助けられなかった。
最後はマイケルに声をかけるも殺されず、彼が地下牢に生き埋めにされる様子を見ていた。
・ルンガ(演:シウヴェロ・ペレイラ)
代表作に『Serra Pelada』、『Copa 181』などがあります。
バクラウの水をせき止めるダムを仲間と占拠して、政治家たちの思い通りにさせないようしていた。
仲間の親族が何者かに殺され、パコッチから助けを求められると、村の為に戻ってきた。
食事をした後に地下牢を掘り出して、子供が犠牲になると襲撃してくると勘づいて指示する。
博物館に入ってきた傭兵を速やかに片付けると、捕まったマイケルを睨みつけていた。
最後はトニーを荒野に放たれる姿を見送り、マイケルを地下牢に閉じ込めて生き埋めにした。
・マイケル(演:ウド・キア)
近年に出演作に『シークレット・ランナー』、『異端の鳥』などがあります。
トニーに雇われた傭兵のリーダー格。ドイツ出身だが、40年以上もアメリカに住んでいる。
雇い主であるトニーから最低限の情報だけを与えられており、他の傭兵に指示を出している。
反抗的な態度の傭兵に対して、一歩も引かずに命を奪っても構わない脅迫をしていた。
村を襲撃する際に遠くから狙撃するが、棺を持ってきた業者や仲間を容赦なく射殺した。
最後は村人に捕まり、トニーが黒幕とバラして、村の地下牢に生き埋めにされてしまう。
・トニー・ジュニア(演:ターデリー・リマ)
代表作に『Divino Amor』、『Serial Kelly』などがあります。
バクラウの隣にあるセラ・ヴェルデ市の市長。市長選が近くなって選挙活動をしている。
バクラウにやって来て選挙活動するが、ダムをせき止めている事を理由に嫌われている。
なんとか票を手に入れようと大量の本や鎮痛剤を持ってくるが、村人から笑われていた。
実はバクラウの住民を一掃しようとマイケルたち傭兵を雇うが、返り討ちに遭って全滅する。
最後はマイケルに黒幕だとバラされて、荒野に置き去りにする罰を受けさせられてしまう。
感想
[個人的な評価]
本作は『カンヌ国際映画祭』のコンペティション部門にて審査員賞を受賞しています。
公開された後にそれなりの話題を持っていたので、どのような作品か気になっていた。
舞台がブラジルの北部にある小さな村なので、ちょっとだけ興味を持って期待をした。
実際に物語が始まると、説明があまりないままドンドン進んで、急に村の外で殺された住民の描写が出てくる。
とにかく、この作品には最初からちゃんした説明をするつもりはなく、どんな理由で異変が起きているのか想像を掻き立てられる。
ただ、こういう場合だと納得のできる原因じゃないと期待ハズレになってしまう。
長い2時間がようやく終わってしまうと、原因はあまりにも単純だったのに回りくどい展開で正直言ってガッカリさせられました。
多分、監督たちはいろんな比喩やメッセージを込めているだろうが、エンターテインメントとは正反対の内容で好き嫌いがわかれる。
残念ながら一切納得のできる終わり方じゃなく、なんだかムダな時間を使った感覚を持った。
こういう作品は玄人向けかもしれないが、映画としての面白さは感じられなかった。
意味不明で何か含みを持たせたような展開だが、スッキリしない終わり方は好きじゃない。
だからと言って、この作品について考察をするほどの価値はなく、単純な答えを敢えてわかりにくくする演出は残念ながらハマらない。
深いようで浅い内容や意味のない裸のシーンなど、不快感すら与える可能性もある。
大して盛り上がらないまま終わってしまうが、結局は何がしたかったのか分からないし、そこまで面白いという印象がなかった作品でした。
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