【クライシス・オブ・アメリカ】VD-525

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洋画

作品データ

公開年月 2004/07/30
ジャンル サスペンス
原作 リチャード・コンドン 『影なき狙撃者』、ジョージ・アクセルロッド(1962年版脚本)
監督 ジョナサン・デミ
脚本 ダニエル・パイン、ディーン・ジョーガリス
製作 ジョナサン・デミ、イロナ・ハーツバーグ、ほか
製作国 アメリカ
鑑賞方法 動画配信サービス

あらすじ

湾岸戦争の英雄となったレイモンド・プレンティス・ショーは、政界入りして大物上院議員である母エレノアの強力な後ろ盾を得て、若くして副大統領候補となる。
一方、過去にクウェートの「砂漠の嵐作戦」で指揮を執っていたマルコ少佐は、戦場で急襲を受けて倒れる中で同じ部隊だったレイモンドが一人で敵に立ち向かう悪夢を見ていた。
しかし、マルコの脳裏には事実と異なった不可解な記憶が蘇り、疑念が深まる中で彼は独自に調査を開始するのだった。

登場人物&出演者

ベン・マルコ少佐(演:デンゼル・ワシントン)

近年に出演作に『イコライザー2』、『ローマンという名の男/信念の行方』などがあります。

主人公。湾岸戦争での「砂漠の嵐作戦」で偵察部隊を指揮するも攻撃を受けて負傷して除隊した。

記憶が曖昧で敵に不意を突かれたが、レイモンドの活躍で二人の部下を失いながら生還した。
レイモンドが副大統領に抜擢していくと、同じく現実と思える夢について問い詰めて確信を得る。
デルプにチップの事を相談して独自に調べて、副大統領候補から落ちたジョーダンに相談した。
最後は洗脳されるもレイモンドが犠牲となって、ユージェニーの手はずで捜査に協力をしていく。

ユージェニー・ローズ(演:キンバリー・エリス)

代表作に『デス・ウィッシュ』、『アド・アストラ』などがあります。

マルコがいつも買い物しているスーパーのレジ係。毎回紙袋を使うかと質問していた。

レイモンドに会おうとしたマルコと電車で偶然出会い、自己紹介して彼に泊まる場所を提供した。
マルコが見ている悪夢について聞いていたが、そこまで本気に囚われず彼の悩みを聞いていた。
実はFBI捜査官でマルコたちの部隊を捜査していて、正体がバレてから詳しい情報を聞き出した。
最後は大統領候補を暗殺しようとしたマルコを見つけ、彼の罪を消して捜査に協力させた。

デルプ(演:ブルーノ・ガンツ)

近年に出演作に『名もなき生涯』、『17歳のウィーン/フロイト教授人生のレッスン』などがあります。

ドイツ人。動物を使って何かの実験している人物。マルコが唯一信頼して相談に乗っている。

肩にあったチップについて相談を持ちかけられると、過去に似たような事をしていたと話した。
レイモンドからチップを取り出したマルコから受け取り、調べると確信するも何かまで分からず。
最後は記憶を呼び覚ます為に電気療法をマルコに施し、あとはユージェニーに託していた。

ジョスリン・ジョーダン(演:ヴェラ・ファーミガ)

近年に出演作に『アナベル/死霊博物館』、『ゴジラ/キング・オブ・モンスターズ』などがあります。

トーマスの娘。15年前にレイモンドと付き合っていたが、エレノアの言葉で別れさせられてしまう。

まだ気持ちがあったレイモンドに言い寄られるが、もう過去の事として相手にしていなかった。
最後は父親を溺死させたレイモンドを止めるも、彼に溺死させられて事故として処理された。

トーマス・ジョーダン(演:ジョン・ヴォイド)

近年に出演作に『奇跡の絆』、『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』などがあります。

大統領選で副大統領の候補としてほぼ決まっていた。ジョスリンの父親でエレノアと付き合いがある。

テレビでは確実に副大統領と宣伝されていたが、エレノアの根回しによって脱落してしまう。
ジョスリンがレイモンドと付き合っていた事を知るが、エレノアのせいで別れたとも知っている。
マルコから洗脳についての資料を渡され、エレノアが企んでいる危険な思想を止めようとした。
最後はカヌーで川を渡る時に洗脳されたレイモンドに溺死させられ、事故として処理された。

エレノア・プレンティス・ショー(演:メリル・ストリープ)

近年に出演作に『ザ・プロム』、『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』などがあります。

上院議員でレイモンドの母親。政治家で大統領を目指していた夫が亡くなってから受け継いでいた。

父親のような偉大な政治家になる為に息子を政治家にして、過去の功績をアピールさせていた。
顔が広く根回しが得意で副大統領の候補に息子を選ばさせると、その上を狙おうと画策していた。
実は「砂漠の嵐作戦」での出来事を仕組んでいて、息子やマルコたちを洗脳させていたと判明。
最後は大統領候補の暗殺を計画するもレイモンドに邪魔され、マルコによって息子と殺害された。

レイモンド・プレンティス・ショー(演:リーヴ・シュレイバー)

近年に出演作に『ザ・フレンチ・ディスパッチ』、『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』などがあります。

元アメリカ陸軍軍曹。祖父の代から政治家として実力を持つ一族で、軍を除隊してから下院議員として活躍する。

大統領選で副大統領として母親が根回しているのを知っていて、あまり快く思っていない。
20歳まで友達や恋人がいなかったが、その理由は母親の存在があって自由に選べなかったという。
マルコから悪夢について問われて当初は気にしなかったが、自分の中にあった良心に気付いた。
最後は大統領候補を暗殺するマルコの邪魔をして、悪の根を止める為に自分と母親を犠牲にした。

アティクス・ノイル博士(演:サイモン・マクバーニー)

代表作に『マジック・イン・ムーンライト』、『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』などがあります。

南アフリカ出身のゲノム研究者。逃亡犯罪者、戦争犯罪者として指名手配されている謎の人物。

過去にCIAに雇われた経歴を持っていて、対ソ精神操作作戦などで洗脳を専門にしていた。
「砂漠の嵐作戦」で偵察していたマルコたちの部隊が連れて来られ、全員を洗脳させていた。
相手をフルネームで呼ぶ事でスイッチが入り、命令した通りに動いて従うように洗脳させた。
最後はエレノアが目的とする大統領候補を暗殺させる為にマルコを洗脳させる手伝いをした。

感想

[個人的な評価]

評価 :3/5。

本作はリチャード・コンドンの小説を原作にして、1962年に公開された映画のリメイクにもなっています。
この作品は『ゴールデングローブ賞』や『英国アカデミー賞』などでノミネートされています。
まず、なんと言ってもアカデミー賞常連のメリル・ストリープと、アカデミー賞を受賞しているデンゼル・ワシントンが出ている時点で面白いの確定しています。
案の定、メリル・ストリープの悪そうな感じの役が非常に合っていて、やっぱり悪女を演じたら右に出る者はいない。
それに対してデンゼル・ワシントンは精神不安定な主人公ながら、自分なりの正義を貫き通そうとする意志の力が伝わってきます。
導入部として問題を提示していくが、その中で主人公が疑って行動するのだが、ずっとピリピリした不安定な雰囲気があったと思います。
自分が信じるべき軍は頼りにまったくならず、日々悩まされる現実とも思える夢の原因を突き止める展開がサスペンス映画の王道と言えるだろう。
その根底にアメリカでよく言われている陰謀論があって、そこまでやるのかと思わないからこそやってしまうところが分かりやすい。
しかも、しっかりと謎となっている部分を分かりやすく提示して映像で見せてくれるので、難しいイメージのある陰謀論を扱った作品として鑑賞しやすい。
専門用語が飛び交いそうな雰囲気ながら、何も分からない素人にも主人公が何をして、何を目指しているのかちゃんと演出していました。
メリル・ストリープの黒幕的な存在感、解明しようとする主人公のデンゼル・ワシントンは良かったが、個人的に良かったのは中立的な立場にあったレイモンドを演じたリーヴ・シュレイバーです。
どうしてもアカデミー賞の二人に隠れてしまいそうだが、リーヴ・シュレイバーの振り回される存在としてしっかりとこなしていました。
当初は母親が欲しかった大統領の座を掴む為に利用されているだけの操り人形だったが、その過程で彼自身が持つ良心が勝るラストが良かったです。
洗脳によって大統領候補を暗殺しようとした主人公を止めて、悪を根絶する為に自分まで犠牲にするところがある意味、一番の英雄だったと言えます。
レイモンドは軍にいた時の功績こそ虚構だったが、彼は自分の命をかけてアメリカを救った意味で勲章に値すると感じました。
本作はまさにサスペンス映画のお手本であり、演技力の高い役者たちによって本来は地味な作品ながら、しっかりと雰囲気を味わえる内容でした。

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