作品データ
あらすじ
なかなか子供に恵まれなかったアルドとマイラの間に娘のカイラが生まれ、家族としての幸せの絶頂にあった。
車の事故でカイラを亡くし、無気力となったマイラは友人のエルサからジャワ人の歌で人形に魂を宿らせる儀式を提案して実行した。
その日の夜から次々と怪現象が起きると、マイラは過去に似たような事件に立ち会った霊媒師のララスに相談をするのだった。
登場人物&出演者
・マイラ(演:ルナ・マヤ)
代表作に『KILLERS/キラーズ』、『よみがえったスザンナ』などがあります。
長らく子供に恵まれずカイラが生まれて愛情を注ぐが、祖母へ預ける道中で車の事故で亡くした。
無気力状態がずっと続いて、友人のエルザからの提案で禁断の歌で人形に娘の魂を宿らせる。
怪現象が次々と起きて、ララスたちに相談するが、精神科医が重傷を負って危険だと判断される。
ヤニとアルドの浮気を知ってカイラに憑依されてしまい、彼女を殺そうとしつこく追い回した。
最後はララスの説得とバガスのお祓い、愛の力でカイラが成仏し、アルドと復縁を果たした。
・アルド(演:ヘルジュノット・アリ)
代表作に『Lovely Luna』、『Jeritan Malam』があります。
長らく子供に恵まれなかったが、カイラが誕生して幸せな日々を送るも車の事故で亡くしてしまう。
何ヶ月経っても無気力状態が続いていたマイラに立ち直るように話すも、ずっと拒否されていた。
仕事で家を空ける事が多くなり、マイラがカイラの存在を感じると言っても信じなかった。
実はカイラが生まれる前からヤニと浮気をしていたが、娘が生まれてから別れて冷遇していた。
最後は浮気がバレてヤニが捕まると、離婚を決意していたが、立ち直ったマイラと復縁した。
・エルサ(演:マリア・サブタ)
代表作に『Rumah Gurita』などがあります。
マイラの友人。カイラを亡くして無気力状態になっていたマイラを励まそうと明るく振る舞う。
カイラにあげるつもりだったお土産を広げ、禁断の歌を歌おうとしてヤニに止められた。
外で買い物しても心あらずなマイラに、禁断の歌で人形にカイラの魂を宿す儀式を試みた。
マイラをかなり振り回しているせいでアルドに注意されるが、離婚しないようにアドバイスした。
最後は離婚を考えていたアルドがカイラの墓前にいて、そこにマイラを連れて話しをさせた。
・ヤニ(演:イーラ・イルファ・サリー)
代表作に『#BerhentiDiKamu』などがあります。
アルドとマイラ夫婦に長年メイドとして働く女性。なぜかマイラからあまり信用されていない。
マイラが禁断の歌を歌おうとした時に慌てて止めて、とても危険な行為として必死に説明した。
実際にマイラとエルサが人形のサブリナに禁断の歌をして、タイミング良く部屋に入ってきた。
実は以前からアルドと肉体関係を持っていたが、妻を選んだ彼に捨てられても辞めなかった。
最後は家族を殺そうとしてバレて、恨みを持つカイラに重傷を負わされるも死なず終身刑となる。
・バガス(演:ライデン・アフェクシ)
本作が長編映画デビュー作となります。
ララスの弟。娘を亡くして無気力となった引退した姉に変わって、霊媒師として働いている。
アニヤの家に封印していたウチの人形が別の家族を襲い、一緒にお祓いするも失敗した。
人形の呪いに悩まされていたマイラたちが来ると、ララスの代わりに話しを聞いてくれた。
カイラが伝えていた宝物について探すように託すが、精神科医が重傷を負って姉と霊視をする。
最後は一度気絶してしまうが、閉じ込められた姉を助け、マイラの体からカイラを出した。
・ララス(演:サラ・ウィジャヤント)
代表作に『ザ・ドール』シリーズ、『Ikut Aku ke Neraka』などがあります。
霊媒師。悪霊となったウチを封印した人形が別の家族を襲い、そのせいで娘とメイドを殺された。
最愛の娘を無前に殺されたせいで無気力となり、霊媒師として引退をしてバガスに任せていた。
人形の呪いについて相談に来たマイラたちを追い返そうとして、バガスに止められていた。
バガスだけではムリだと分かって引退を撤回し、悪霊となったカイラが見たモノを霊視した。
最後は憑依されたマイラを説得して正気を取り戻させ、無事解決して無気力状態を脱した。
・カイラ(演:ソフィア・シレーン)
代表作に『ザ・ドール』などがあります。
アルドとマイラの一人娘。なかなか子供に恵まれなかった夫婦にとって念願の娘で愛されている。
いつもビデオカメラを持っていて、紙にヒントを書いて母親のマイラと遊んでいた。
祖母の家に預けられる為に車で向かったが、ブレーキが効かず事故に遭って死んでしまう。
マイラとエルサによって人形のサブリナに魂を宿らせ、自分を殺したヤニに恨みを持つ。
最後はマイラとの怒りでヤニを殺そうとしたが、ララスの説得と母親の愛で成仏を果たした。
感想
[個人的な評価]
本作はNetflixで独占配信された作品となります。
この作品はロッキー・ソラヤ監督の『ザ・ドール』シリーズの二作目となります。
前作ではインドネシアらしさがなく、宗教色をかなり抑えた作品になっていて、良くも悪くもアメリカン・ホラーのような内容でした。
今回の続編ではどれぐらいインドネシアらしさを出してくるとのか、期待しましたが、残念ながら中途半端な結果になりました。
まず、本作における舞台はお金持ちになっていて、どう考えても一般的なインドネシア人じゃないので前作と大きく変わらなかった。
それと、前作でかなり抑えていた宗教色を少しだけ出して、アメリカにおけるカトリックのようにイスラム教が冒頭だけ活躍しました。
本題に入るまで前作で登場した霊媒師のララスに関するエピソードを出したが、そこまで意味があるように感じられなかった。
それに加え、本作でララスはそこまで活躍せず、前作と同じようにほとんど役に立っていない。
新たにララスの弟が登場するけど、こちらも姉よりもほとんど活躍せず、頭に物が落ちて気絶する程度の耐久性しかありません。
とにかく、このシリーズにおける悪霊は物理的な攻撃が大好きで、終盤にはみんな血まみれになってしまっています。
ただ、普通なら死んでもいいような重傷を受けても、普通に生きているインドネシア人のタフネスさが超人並みだと感じました。
しかも、前作と同じような展開で夫が悪者になっていて、妻は被害者ヅラをして、人形を媒介にみんなが巻き込まれてしまう。
さすがに構造がほぼ同じだと面白さがなく、前作にあって模倣したアメリカン・ホラーもすっかりと影を潜めてしまった。
どうやら監督のロッキー・ソラヤがオリジナリティを出そうとした結果、すべてにおいて中途半端な感じなったと思う。
何よりキーアイテムになる人形が中盤までしか活躍せず、メインが浮気による殺し合いという設定が迷子になったのは微妙でした。
これで三作目が作られていますが、インドネシア的な雰囲気、宗教色の強さ、全面的に人形を中心に物語を展開して欲しいところです。
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