作品データ
あらすじ
2017年の大晦日、児童養護施設出身の三人組シャオボー、トントン、アジェは女性企業家を襲撃した後、無人の雑貨店に忍び込んだ。
すると突然、シャッターの郵便口から一通の手紙が落ちるが、この店はかつて店主が客の悩み相談に応じていた事で有名だという。
だが、その手紙は1993年で自分たちの返事も25年前に届くかも知れないと考えた三人は、店主に成りすまして悩みに相談に応えるのだった。
登場人物&出演者
・シャオボー(演:ワン・ジュンカイ)
代表作に『マキシマム・ブラッド』、『グレートウォール』があります。
児童養護施設三人組の一人。幼少期に実の両親と養父母に捨てられる。内向的でデリケート。
誰よりも「虹の家」を大切に思っていて、チン・メイが壊すと知って激しく反発していた。
チン・メイの家で襲撃して勝手に縛り上げて、顔に落書きまでしてそのまま逃げていく。
投函される手紙の返信を書いているうちにチン・メイの事実を知って、誰よりも反省した。
最後は雑貨店が人々を救う素晴らしさを知って、反省して、店を再開させようとした。
・トントン(演:ディルラバ・ディルムラット)
代表作に『ダイヤモンドの恋人』、『怦然星动』があります。
児童養護施設三人組の一人。三人の中で紅一点で兄弟分。孤児である事に劣等感を持つ。
アジェとシャオボーたちとチン・メイの家を襲撃し、どさくさに紛れてギターを盗み出す。
雑貨店まで逃げてくると、投函される手紙を読み込むと、シャオボーに賛同し返信を書いた。
時間を超えた手紙のやり取りに悩んでいる人たちを助けようとして、懸命に助言を考える。
最後は悩んでいたオーディションを受けると決めて、チン・メイへの謝罪の為に向かった。
・アジェ(演:ドン・ズージェン)
代表作に『山河ノスタルジア』、『乗風破浪/あの頃のあなたを今想う』などがあります。
児童養護施設三人組の一人。三人の中で兄貴分。強情で冷淡だが内面は多くの傷を抱えている。
実は両親を知らないシャオボーやトントンと違って、父親はヤクザで母親はホステスである。
毎日のように虐待を受けて逃げ出し、たどり着いた「虹の家」こそが自分にとっての家族。
当初は雑貨店に届く手紙を信じなかったが、返信をもらっていく度に信じるよになる。
最後はホステスを助けて成功させると、チン・メイだと知って、彼女への謝罪を決め込んだ。
・チン・ラン(演:リー・ホンチー)
代表作に『酔生夢死』、『幸福城市』などがあります。
雑貨店に最初の手紙を送った90年代の若者。大学を中退して北京でミュージシャンを目指す。
父親が心臓病で倒れた事を知って、急いで故郷へ戻るも成功しておらず肩身が狭い。
雑貨店に手紙を投じて今後の人生について相談するが、家業を継ぐべきだと言われて悩む。
父親から真実を聞き出して、命を賭けてミュージシャンを目指す為に再び北京へ行く。
最後は「虹の家」で火事が発生すると、自分の曲でデビューする将来のスターを助けて死亡。
・ハオボー(演:ドンリー・ウーユー)
本作が長編映画デビュー作となります。
車販売の会社を経営するリン・ヨンフェイの一人息子。マイケル・ジャクソンが大好き。
両親が大嫌いで、与えられた小遣いはすべてマイケル・ジャクソン関連のグッズを購入。
雑貨店に両親と離れて暮らしたいという手紙を送るが、一緒にいるべきだと助言されて悩む。
両親が夜逃げする時、一緒に生きていくのは嫌だと考え、そのまま一人で逃げ出した。
最後は「虹の家」に拾われ、毎日のように絵を描いて、将来は世界に認められる画家になる。
・チャン・モー(演:チン・ハオ)
代表作に『スプリング・フィーバー』、『長江/愛の詩』などがあります。
ハオボーが成長した姿。「虹の家」出身の孤児。美大を卒業して5年で個展を開催している。
インタビュー中に心の中にあった闇に触れられてしまい、そのまま中断して去っていった。
「虹の家」が取り壊されると知って、自分が昔に描いた壁の絵を見て寄付をした。
過去にマイケル・ジャクソンのCDを買った店へ行き、喫茶店になっていて思い出を楽しむ。
最後は父親が一家心中した本当の理由を知って、家族の絆を改めて知って涙を流した。
・チン・メイ/若い頃(演:チェン・ドゥリン)
代表作に『ひだりみみ』、『Inference Notes』があります。
ナイトクラブでホステスとして働く若い女性。酒をたくさん飲んで朝には吐いている状態。
その真実は「虹の家」で育った孤児であり、恩返しする為に働いてお金を寄付していた。
先がない仕事に不満を抱くと、通りかかったところでチン・ランから雑貨店の話しを聞いた。
優しい男性客に惹かれて手紙を出してアドバイスともらう、的中して自分の為に行動する。
最後は手紙から知った未来で成功するビジネスを学んで、一代で巨大な会社を築いた。
・チン・メイ/現在(演:ハオ・レイ)
代表作に『4枚目の似顔絵』、『二重生活』などがあります。
一代で巨大な会社を立ち上げたキャリアウーマン。「虹の家」を含めた土地の開発権を獲得。
実は若い頃に「迷える子犬」として雑貨店に助言を求め、それに従って成功を掴んだ。
「虹の家」を壊すと考えたシャオボーたちに襲撃され、縛られてギターと車を盗まれた。
最後は真実は知ったシャオボーたちが反省し、過ちについて謝る為に戻ってくる事になる。
・ウー・ミン(演:ジャッキー・チェン)
近年の出演作に『ザ・フォーリナー/復讐者』、『ポリス・ストーリー/REBORN』などがあります。
かつて雑貨店を経営しながら手紙による悩みの相談をしていた。今はすでに廃業している。
ずっと独身を貫いていたが、実は「虹の家」を設立したチャンママと恋人だった過去を持つ。
年齢のせいで体が思うように動かなくなっていき、ずっと心配していた甥の助けを断る。
事故死したリン・ヨンフェイ一家の息子に間違った助言をしたと考え、そのまま引退を決意。
最後は半年ぶりに店へ帰って、維持するように甥へ伝え、未来から来た手紙を読んでいた。
感想
[個人的な評価]
本作は東野圭吾の大ヒットした小説『ナミヤ雑貨店の奇蹟』を基に作られています。
同年には監督に廣木隆一が務め、主演にはアイドルグループ「Hey!Say!JUMP」の山田涼介が務めていました。
ハッキリ言って、邦画の方は何をやろうとしているのは伝わりましたが、どれも強引な印象しか残らなかったです。
やはり、話題のアイドルグループのメンバーが出ているので、なんとか彼のイメージをアップするように物語の展開を変えているような気がした。
そのせいで本作に対するイメージがあまり良く思えず、ずっと鑑賞を避けてしまっていました。
しかし、鑑賞しながら不覚にも泣きそうになったぐらい、このリメイク版の方がすべてに置いて上回っていました。
当初、あのジャッキー・チェンが雑貨店の店主として登場して、老いぼれた役だったので相当警戒していました。
ですが、ノウハウを持つ香港と資金力を持つ中国がタッグを組んだ事で、オリジナル以上に面白い作品が出来上がりました。
実は、この作品は移動中のスマホで鑑賞していたが、何度も泣きそうになってしまい、危ないと思って思考を飛ばしたぐらい入り込みました。
オリジナルでは各エピソードの繋げ方が強引すぎてせいもあった上、泣く場面を用意したという演出もまた逆効果になっていました。
それに対して、本作はしっかりとエピソードの土台となる部分を考えていて、点と点を線として繋げる作業をちゃんとやっていたと思います。
あくまで冒頭の三人は物語を追っていく存在であって、決して目立つような事をせず、最後にはそれぞれが成長するのは面白い。
それに心配していたジャッキー・チェンがヨボヨボだったのは少し心が痛かったが、ちゃんと物語に順応してしっかりと貢献していました。
同じ題材であっても、ここまで差が出てしまうのは、邦画とアジア映画の単純な作品に求めるモノだと感じさせられました。
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