作品データ
あらすじ
大学生ディックと妹のジェシカ、その恋人ケヴィンは、ブラジルでサンバの取材と休暇を兼ねて旅行するも途中でケンカをしてしまう。
単独で行動するディックはブラジルの呪術である「マクンバ」の儀式を体験した事で、人知れずなんらかの力を手に入れていた。
ディックはその影響で取り憑かれてしまい、150年前の“伝説の6人の奴隷”をゾンビとして復活させ、6人の白人を生贄にするまで暴走させるのだった。
登場人物&出演者
・ケヴィン(演:キース・ヴァン・ホーヴェン)
代表作に『ルチオ・フルチのクロック』、『ジャッジメント・デイ』などがあります。
主人公。イギリス人。恋人のジェシカとその兄のディックとブラジルへ取材に来た。サンバについて取材している。
ディックが逆ギレで別行動をして、翌日には取材の為に三人で出かけるも車が故障していた。
翌日には倒れたディックを見つけて、車を修理するも危うく彼に轢かれそうになるも許した。
ディックに振り回される中でジェシカと帰るように言うと、なんとか探し出そうとした。
最後は奴隷ゾンビたちを火で倒し、ジェシカと二人で何事もなかったように笑顔で帰国した。
・ジェシカ(演:ソニア・カーティス)
代表作に『ドラキュリアン』、『Stay Off the App』などがあります。
ヒロイン。アメリカ人。ディックとは異母兄妹。恋人のケヴィンと兄たちと三人でブラジルまでサンバの取材をする。
別行動する兄が翌日に合流して目的地に向かうも車が故障し、ジョゼたちの助けをもらった。
翌日になって兄が外で倒れているのを発見して、すぐに助けに来るも事情をまったく知らず。
散歩していると奴隷ゾンビを見かけるも信じてもらえず、兄を心配するいなくなっていた。
最後は取り憑かれた兄が奴隷ゾンビに殺され、ケヴィンに助けてもらい二人で帰国する事に。
・ディック(演:ジョー・パロフ)
代表作に『Hitcher in the Dark』、『Moonstalker』などがあります。
アメリカ人。ジェシカとは異母兄妹。ケヴィンたちとブラジルの取材に来た。カルト教のマニアで本来の目的。
満足する二人と違って不満を持ち、逆ギレしてブードゥー教の儀式に参加して力を手にする。
ジョゼの自宅に泊まるも奴隷ゾンビたちを復活させ、翌日には倒れた状態で発見されていた。
儀式のテープで混乱していくと妹たちの前から消えると、妹を襲おうと追いかけ回していた。
最後は逃げる妹を死角から襲おうと奴隷ゾンビの一撃で殺され、死体はそのまま放置された。
・ジョゼ・バロス・サントス(演:フィリップ・マーレイ)
本作が長編映画デビュー作となります。
ブラジル人でなぜか英語をしゃべる。恋人のソニアとハイキングをして、車が故障したケヴィンたちと遭遇した。
車が修理できない代わりに近くにある自宅まで案内して、三人を気兼ねなく泊める事になる。
自宅に戻ると家政婦のマリアに対して高圧的な態度で接して、寝床の用意を命令していた。
マリアがディックの部屋で儀式をしているとブチ切れ、中断させて出ていくよう暴言を吐く。
最後はディックが原因として問い詰めるが、逆ギレした彼にナイフで簡単に殺されてしまう。
・ソニア(演:ジュリアナ・テイシェイラ)
代表作に『O Quinto Macaco』、『Apolônio Brasil, Campeão da Alegria』などがあります。
ジョゼの恋人。ブラジル人でなぜか英語をしゃべる。ジョゼとハイキングをして偶然ケヴィンたちと遭遇した。
車が故障して立ち往生する三人が困っていると、ジョゼが自宅へ迎え入れて手伝っていた。
自宅に戻ると、2ヶ月前に借りたが不気味でちゃんと整理していない事を三人に説明した。
ジョゼには翌日に町へ買い物に行くと宣言して、寝ていた時に物音を聞いて外の納屋に行く。
最後はディックの力で復活した奴隷ゾンビに殺されたが、ジョゼにしばらく気づかれられず。
・マリア(演:マリア・アウヴェス)
代表作に『A Extorsão』、『Sólo Dios sabe』などがあります。
ジョゼとソニアが借りている家の家政婦。未亡人でマクンバの知識を持つ。ディックをひと目で見て困惑した。
ディックがマクンバの力を持っていると見抜くと、勝手に儀式を始めて対応しようとする。
奴隷ゾンビたちが復活した事を知って、なんとか止めようとするもジョゼがキレて中断する。
部屋で怯えていると奴隷ゾンビの足音を聞いて、必死に神へ祈っていたが効果はなかった。
最後は部屋の中を逃げ回るも奴隷ゾンビに追い詰められ、悲鳴を上げながら殺されてしまう。
感想
[個人的な評価]
本作は『デモンズ』というタイトルだが、シリーズとはまったく関係ない作品です。
この作品は元祖走るゾンビの『ナイトメア・シティ』で知られるウンベルト・レンツィが監督と脚本を務めます。
イタリアのホラー映画を復活させた本家『デモンズ』シリーズはゾンビ映画業界では良かったが、本作は残念ながら微妙としか言えなかった。
そもそも、イタリア映画は基本的にご都合主義の展開が多く、ツッコミどころ満載でこれを楽しむのが一つのやり方です。
しかし、本作はウンベルト・レンツィ監督にやる気が感じられず、イタリアホラーの醍醐味であるグロテスクな描写も弱かったです。
特に目玉をくり抜くシーンは悪くなかったが、バリエーションが少なすぎてなんだか物足りない感じでした。
奴隷ゾンビについてはそれなりの説明で、ブラジルのマクンバを使っている点でもブードゥー教と差別化しようとしているのも伝わりました。
ただ、これに関しても結果的に同じで過程を変えているだけだから、そこにもブラジルである必要性もなかったように感じました。
奴隷ゾンビについても武器を持って襲ってくるのはいいが、急に家の中へ瞬間移動している点でも演出の都合というのが強かったです。
物理的な攻撃するのに登場だけがファンタジーで、これに対する説明がないから説得力に欠けているところが大きかったです。
一応は1991年の作品でありながら、作り方が『デモンズ』のような80年代を引きずっている感じで古すぎたと思います。
あくまでウンベルト・レンツィ監督の名前が先行していて、内容は二の次になっているのも分かる微妙な作品でした。
一時的に『デモンズ』が復活させたゾンビ映画のジャンルも、結局は衰退していくのは仕方ない時代の流れと感じさせる作品となりました。
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