作品データ
あらすじ
第二次世界大戦後、ヒトラーと東條英機はまだ生きていて、彼らは逃げ延びたガーナを制圧すると、空手と魔術的な国旗を用いながら現地の人々を洗脳していく。
ガーナ・アーリア人の軍団を形成して世界を侵略する為の拠点にし、圧政を敷く中、心優しき地元の青年アデーはヒトラーたちにカンフー道場を潰され、恋人も奪われてしまう。
復讐を誓うアデーは最強のカンフーを習得する為、厳しい修行に身を投じていくのだった。
登場人物&出演者
・アデー(演:エリーシャ・オキエレ)
代表作に『12:00 Part 1』などがあります。
主人公。将来は「影蛇拳」で武術大会を優勝して有名で金持ちになりたいと考える。実際は無職のプー太郎。
町で一番の美女であるエヴァを恋人に持ち、会っていたせいで遅刻で師匠から厳しくされる。
武術大会への出場ができずやけ酒をしていたが、恋人を奪われ道場破りで薬指と小指を失う。
アペテシに助けられ酔拳と月輝拳を学び、三本指を鍛え、巫女から洗脳を解く術を覚える。
最後は武術大会の決勝戦でゲーリングと東條を倒し、ヒトラーを爆発四散させ復讐を果たす。
・エヴァ(演:ンケチ・チネドゥ)
本作が長編映画デビュー作となります。
ヒロイン。アデーの恋人。修行に出かける前のアデーに会うと、ウキウキで彼とのデートを楽しみにしていた。
修行に行かないといけないとアデーに断られ、機嫌が悪くなるも夜に会うと知って笑顔に。
友達と町を歩いていると東條に気に入られ、強引に連れ出して国旗の洗脳を受けてしまう。
町のバーでヒトラーたちが遊んでいると、アデーが乱入してくるも一切視線を合わさず。
最後はアデーが国旗を燃やして洗脳が解かれ、再び彼の恋人として日常を取り戻していた。
・アカンテ(演:ウォーカー・ベントル・ボアテング)
代表作に『Genesis of the Ashantis』などがあります。
「影蛇拳」の門下生。アデーの友人。次の武術大会に備えて真面目に修行していて、遅刻したアデーを見ていた。
武術大会にアデーが選ばれると思っていたが、真面目に修行しないせいで自分が選ばれた。
エヴァが恋人の時点で勝ち組だと話し、次の武術大会の主催者がヒトラーで名前を笑った。
ヒトラーたちの道場破りを受けて立ち向かうも勝てず、アデーの忠告を聞かず復讐に走る。
最後は武術大会に出場してアデーと戦い負けて、ゲーリングによって首を切られて死亡した。
・師匠(演:アンドリュース・メンサー)
代表作に『2016』シリーズ、『Wrong Way』などがあります。
「影蛇拳」道場の師匠。開催される武術大会の為に厳しい修行をしていたが、遅刻するアデーには厳しく接する。
またも遅刻してきたアデーに馬歩の構えをさせ、武術大会に出場する弟子を選んでいた。
一通り話しをして一人を選ぶと、次にアカンテを選んで有望だったアデーを落選させていた。
ヒトラーたちの道場破りによる襲撃を食らい、当初は拮抗するも徐々に押されてしまう。
最後は反撃を試みるも倒されてしまい、ヒトラーの容赦ない攻撃によって殺されていた。
・アペテシ(演:スティーヴン・ヤウ・マウニョ)
本作が長編映画デビュー作となります。
道端で酔っ払っていた金髪でデブの男。通りかかったアデーに見られるが、修行について笑顔で聞く。
バーでアデーがゲーリングに倒されると、乱入して酔拳を使って互角以上に戦い退散させた。
気絶していたアデーを自分が住む森へ連れ込んで、酔拳のマスターと説明して修行させる。
更に別の武術である月輝拳も教え込むが、ゲーリングの鋼輪拳には通じないと説明した。
最後はアデーにゲーリングを倒すべく、三本指を鍛える為にマスターを紹介して見送った。
・ゲーリング(演:マルスエル・ホッペ)
本作が長編映画デビュー作となります。
「ナチス・ドイツ」の幹部でヒトラーの側近でなぜか黒人。鋼輪拳の使い手で大きな体格による堅牢な耐久力を持つ。
バーで武術大会に出場する選手を受け付けると、現れたアデーが手を出すと呆気なく倒した。
トドメを刺そうとしてアペテシが乱入し、酔拳を前にして攻撃が効かず仕方なく退散した。
武術大会では圧倒的な耐久力と攻撃力で決勝戦に進み、アデーの代わりにアカンテを殺害。
最後は決勝戦でアデーと戦い、影蛇拳では勝てないと豪語し、別の武術によって倒された。
・東條英機(演:秋元義人)
本作が長編映画デビュー作となります。
「大日本帝国」の軍人で総理大臣。第二次世界大戦後、ヒトラーとともに戦火を逃れてガーナへ上陸を果たした。
空手をナチスたちに教えて、気を拳に集中させた一撃で確実に相手を粉砕するパワーを持つ。
町中を散策していると、エヴァたちを見て気に入って、下半身を見せてそのまま連れ出した。
道場破りを眺めていると、後からやって来たアデーに気を集中させた一撃で吹き飛ばした。
最後はアデーにゲーリングが倒され、代わりに出るも倒され、洗脳が解かれ善人になった。
・アドルフ・ヒトラー(演:セバスチャン・スタイン)
本作における監督と脚本を担当し、俳優として長編映画デビュー作となります。
「ナチス・ドイツ」の総統。第二次世界大戦後に生き延びて、東條英機とともにガーナへ上陸して支配していく。
住民を魔術的な国旗で洗脳してガーナ・アーリア人を作り、影蛇拳の師匠を殺害してしまう。
バーを貸し切って武術大会の出場者を集っていて、誘拐されたエヴァを洗脳して側に置く。
武術大会を主催者として見ていて、敗者には処刑を意味させるハンドサインを見せていた。
最後は東條が倒され、国旗を燃やされて洗脳が解かれ、逃げるも車の爆発に巻き込まれ死亡。
感想
[個人的な評価]
本作は日本在住のドイツ人映画監督、セバスチャン・スタインによる作品となります。
この作品は日本でプレミア上映されて即完売となって、アマゾンプライムでの配信でも高評価を得ています。
明らかなる低予算映画でありながら、セバスチャン・スタイン監督はガーナ人と日本人に対して最大限の敬意を払っていました。
あまり舞台に使われない西アフリカの国を使った作品として、珍しさだけじゃなく、やれる事をしっかりとやっていました。
こういうタイプの作品ではクォリティの低さを認識しながら鑑賞しないといけないが、本作ではしっかりとアクションができる役者が揃っていました。
特に主人公のアデーを演じるエリーシャ・オキエレは運動神経が良く、スタントなしでアクションシーンを魅せてくれています。
怪しいカンフーである「影蛇拳」は架空の武術だろうけど、モデルは明らかに蛇拳を意識しているだろうと思います。
他に酔拳や洪家拳をモデルにしたカンフーが出ていて、あとは東條英機が使う空手に神秘さを与えている点も非常に面白いです。
さすがはアフリカ人の身体能力が全体的に高いので、お遊戯みたいなアクションシーンになっていない点でも本気度が見て取れました。
確かに設定はぶっ飛んでいて意味不明なところがあるが、これはこれで本作の魅力の一つとしても面白いと思います。
世界共通の悪役であるヒトラーは相変わらずの極悪人ぶりを見せるが、東條英機を悪人寄りじゃない描き方も素晴らしいと言えます。
やはり、セバスチャン・スタイン監督は日本に住んでいるからこそ、ちゃんと文化を理解しているところも分かります。
低予算映画であっても、設定として使っている元ネタに対する敬意を払っているだけでも、好印象で真面目にバカをしているからこそ面白いモノができる見本でした。
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