作品データ
あらすじ
病に臥していた母が火事で亡くなる現場を目撃してしまったばっかりに心のバランスを崩し、精神病院に入院していた少女アナ。
ようやく退院して父と姉アレックスが待つ湖畔の自宅へ戻ってくるが、そこには父の恋人で継母気取りとなるレイチェルの姿もあった。
心穏やかで居られないアナとアレックスたちの前に母親の亡霊が現れ、何かを訴えると、レイチェルの存在を警告していると考えて彼女の周辺を調べ始めるのだった。
登場人物&出演者
・アナ(演:エミリー・ブラウニング)
近年の出演作に『彼女のいた日々』、『レジェンド/狂気の美学』などがあります。
主人公。母親が火事で死んだ現場を見たせいで精神を病んだ。精神病院から退院して自宅へ戻ってくる。
主治医の許可が降りて実家へ帰るが、継母気取りのレイチェルに対して不快感を持っていく。
姉も父親とレイチェルの関係に不快感を示す中、母親の亡霊を見た事で彼女を疑う事になる。
男友達も謎の事故死をして疑いを強め、独自に調査して殺人鬼だと突き止めて保安官に話す。
最後はすべて自分の妄想でレイチェルを殺害し、今度は犯罪者として精神病院へ収容される。
・アレックス(演:アリエル・ケベル)
代表作に『アメリカン・パイ in バンド合宿』、『ほぼトワイライト』などがあります。
アナの姉。母親を亡くした悲しみを持っていたが、アナとは違って精神を病まず実家にずっと住んでいている。
レイチェルに対して嫌悪感を持っていて、父親とイチャイチャする姿にガマンができない。
アナが戻って置いていかれたと最初は機嫌を悪くするが、レイチェル嫌いで気持ちが通じる。
レイチェルが過去に一家を殺害した犯人だとアナと思い込み、証拠を掴もうと暴走していく。
最後は実際はアナのせいで母親と死んでいて、すべて妄想が創り出した存在だと判明する。
・レイチェル(演:エリザベス・バンクス)
近年の出演作に『チャーリーズ・エンジェル/2019年版』、『ブライトバーン/恐怖の拡散者』などがあります。
スティーヴンの恋人。妻が病気で看護師として家に通っていた。妻がなくなったところで恋人として仲良くしていた。
アナが精神病院から帰ってくると仲良くしようとするが、最初から嫌われていて感じ取った。
それでも努力していくも一家を惨殺した殺人鬼だと疑われ、仕方なく距離を取ろうとした。
暴走していくアナを鎮痛剤で抑え込んで家に戻ってきて、不妊症である事を告白していた。
最後は妄想が暴走となったアナに包丁で殺害され、無実であるとスティーヴンから言われた。
・スティーヴン(演:デヴィッド・ストラザーン)
近年の出演作に『ザリガニの鳴くところ』、『ナイトメア・アリー』などがあります。
アナとアレックスの父親。作家。妻が火事によって死亡し、その後は看護師だったレイチェルと付き合っている。
精神病院にいたアナが戻ってくると迎えに行くが、レイチェルと上手くいかないと知った。
アナが母親の事故死について何か知っていると言われるが、もう忘れるべきだと主張する。
レイチェルが一家を殺害した犯人だと言われるが、まったく信じようとせず彼女をかばった。
最後は妄想が暴走したアナがレイチェルを殺害して、警察に連行される娘をじっと見ていた。
・マット(演:ジェシー・モス)
代表作に『ファイナル・デッドコースター』、『人造人間13号』などがあります。
アナの男友達。パーティをしていた時にアナが嫌がって家に帰ると、母親が火事に遭って死んだと知る。
退院したアナが湖にいるところを見つけて、バイトするスーパーの商品を持って声をかけた。
実は火事のあった当日に何かを見ていて、アナに話そうとしてレイチェルに止められていた。
スーパーまで買い出しに来たアナに声をかけられると、話す為に約束を取り付けていた。
最後は翌日に事故死した状態で発見されるが、妄想が暴走したアナに殺されたと判明した。
・シルバーリング医師(演:ディーン・ポール・ギブソン)
代表作に『インビジブル2』、『しあわせはどこにある』などがあります。
精神病院に入院していたアナの主治医。火事によって母親を亡くしたショックを抱えるアナの様子を見ていた。
すでに立ち直っていると判断し、アナに何事も最後までやり遂げるべきだと助言を送った。
落ち込んでいたアナの為に退院を決断して、迎えに来たスティーヴンに引き渡していた。
最後は犯罪者として戻ってきたアナに声をかけるが、危険な状態だと知って表情が引きつる。
・エメリー保安官(演:ケヴィン・マクナルティ)
代表作に『ファンタスティック・フォー/超能力ユニット』、『アルマゲドン2011』などがあります。
マットが湖で事故死した現場に駆けつける。遺体を引き上げた状態から事故死と断定するが調査を続ける。
ショックを受けていたアナの元に立ち寄って、母親の事も知っていて懸命に慰めていた。
レイチェルが一家を殺害した犯人だとして事務所に来たアナを落ち着かせ、調べると話した。
すぐにレイチェルへ連絡して迎えに来てもらい、アナが妄想状態にあるとすぐに理解する。
最後はレイチェルの名字が変わった理由をスティーヴンから聞き、納得してアナを連行した。
感想
[個人的な評価]
本作は2003年に公開されたキム・ジウンの『箪笥』をハリウッドでリメイクした作品です。
この作品は日本で劇場未公開となり、角川エンタテイメントからDVDが発売されました。
オリジナルの方は精神が不安定な主人公の視点で物語が進む為、最初から違和感のあるような雰囲気で展開していました。
精神病院から家に帰ってきたが、普通の生活じゃなく、どこかに引っかかるような感じになってラストでネタバレされる事になる。
最終的に主人公は三重人格となって自分以外の人格が勝手に動いて騒ぎを起こすような状態になるが、残念ながら上手くコントロールできていなかったです。
ただでさえ、二重人格の視点で物語を描くと複雑になるので、それがもう一つ人格を加えると更に複雑となって鑑賞している側も混乱してしまう。
本作はさすがにそのような複雑さを排除して、分かりやすくやっているが、オチを知っているなら違和感が全部ミスリードだと分かる弱点がありました。
そこをどうやって悟られずにやっていくか気になっていたけど、三重人格を使わなかっただけでも工夫しようとする姿勢が見えました。
しかし、オリジナルでも感じた中途半端さと物足りなさを解消できておらず、全体的にホラーなのかサスペンスなのか、どっち付かずになってしまった。
題材が非常に難しい扱いになるので、上手く使いこなせれば面白い作品になるが、一歩でも間違えると微妙な内容になってしまいます。
やはり、リメイクである本作も題材の難しさを上手くコントロールできず、中途半端な感じになってしまったと思います。
そもそも終盤までミスリードの為に継母を一生懸命悪者にしようとする展開に傾きすぎて、ラストがあっさりしすぎたのは残念と言える。
それまでの伏線も非常に弱いので、主人公の単なる暴走という結果だけで違和感を解消していないのも微妙に感じてしまった。
相当複雑な仕掛けや伏線を張らないといけないタイプの作品だが、分かりやすさにポイントを置いてしまったせいで本来あるべき面白さが発揮できていないと思いました。
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