作品データ
あらすじ
クリスマス前日、バートは友人であるラジとタイたちとクラブに行き、ヤスミンとイヴという女の子と知り合いになる。
五人は一台の車に乗り込み、片田舎にあるイヴに家へ遊びに行くが、そこはおかしな住人だらけの村だと判明する。
イヴの紹介された使用人ジョセフには妊娠中の妻がいて、彼から送られる視線には不気味な雰囲気をバートは感じ取るのだった。
登場人物&出演者
・ジョセフ(演:ヴァンサン・カッセル)
近年の出演作に『誰かの幸せ』、『アンダーウォーター』などがあります。
エーヴの使用人。ずっと笑顔を見せているが目は笑っていない。住み込みで妻とともに屋敷で仕事している。
屋敷に向かうエーヴを乗せたラジの車と合流し、挨拶するとバートの目を気に入っていた。
バートに姪のジャンを紹介し、みんなで温泉まで行くも地元の若者が合流して台無しとなる。
屋敷でヤギを潰して食事に出すと、ある恐れ知らずの男について語るも実は自身の話だった。
最後は逃げたバートが戻って両目を手に入れ、生まれたばかりの赤ん坊を囲んで喜んでいた。
・バート(演:オリヴィエ・バルテレミィ)
代表作に『ラルゴ・ウィンチ/裏切りと陰謀』、『ハッキング・アイ』などがあります。
チンピラ三人組の一人。クラブですでに酔っていて、女の子に手を出したせいで頭をビンで殴られて追い出された。
病院に行く事を拒否して、エーヴが家まで案内する事になってラジの車に乗り込んでいった。
道中でジョセフに遭遇すると、なぜか気に入られ何かと声をかけられるも当然のように拒む。
ジョセフの飼い犬が暴走して自分の愛犬が殺され、呆然とする中でラジに言われて車で逃走。
最後はヤスミンを置いていけないと屋敷に戻り、両目を抉られ悪夢で目を覚ましてしまう。
・ラジ(演:ラジ・リ)
代表作に『ワールド・イズ・ユアーズ』、『レ・ミゼラブル』などがあります。
チンピラ三人組の一人で黒人。信仰心があって神の冒涜を許さない。ヤスミンとは友達以上恋人未満という関係にある。
バートが店を追い出されてしまい、二次会をエーヴの家にすると決めると車で向かっていく。
道中でジョセフに遭遇するが、特に何かを思う事がなくエーヴの家に迷わず到着していた。
実は他に女がいてヤスミンといい感じになるが、ジョセフの暴走で危うく殺されけてしまう。
最後は気絶したタイを車に運び、ジョセフを轢いてからヤスミンとバートを置いて逃げた。
・タイ(演:ニコラス・ル・パタン)
本作が長編映画デビュー作となります。
チンピラ三人組の一人でベトナム系の坊主頭。他人からバカにされる事を許さず、いつもバートを小バカにしている。
ヤスミンに奢りで酒を頼むも拒否されると、すぐに来たエーヴを見て下半身が反応する。
エーヴといい感じになるもバートが店から追い出され、仕方なくエーヴの家までやって来た。
なんとかエーヴとイチャイチャしようとするが、帰りたいバートの提案をすぐに却下した。
最後はラジの首を締めるジョセフを止めるが、一方的に殴り倒され気絶したまま無事に脱出。
・ヤスミン(演:レイラ・ベクティ)
代表作に『きらきらしてる』、『スーパーヒーローへの道』などがあります。
クラブでバーテンダーのアルバイトしている。アルジェリア出身で多少のアラビア語ができるという。
ラジとは友達以上恋人未満という関係で、エーヴに誘われて一緒に田舎村へ遊びに行った。
エーヴの家にやって来ると、豪勢な屋敷に驚きながらもジョセフには特に何も感じなかった。
ジョセフがラジの首を絞めていたところを見てパニックになり、救急車を見かけて追った。
最後は慌てて逃げ出したラジの車が通り過ぎて、見捨てられたと知ってどこかへ消えた。
・エーヴ(演:ロキサーヌ・メスキダ)
代表作に『アデュー、ぼくたちの入江』、『ラバー』などがあります。
クラブにいた美女。ヤスミンとは顔見知りで、下半身で動いていたタイを見て積極的に話しをしていた。
問題を起こしてクラブを追い出されたバートたちに、自分の家まで誘って田舎村まで向かう。
道中でジョセフと合流して家に到着し、両親が人形工場をしていると説明して彼らを迎えた。
タイから積極的なアプローチを受け、合流したバートと三人で始まろうとして悲鳴を聞いた。
最後は暴走するジョセフに突き飛ばされるが、生まれた赤ん坊をみんなで囲んで喜んでいた。
・ジャン(演:ジュリー=マリー・パルマンティエ)
代表作に『エヴォリューション』、『アルゴンヌ戦の落としもの』などがあります。
ジョセフの姪。村に戻ってきたジョセフを見かけると、すぐに笑顔を浮かべてバートをじっと見ていた。
バートが下心満載で見てくると、嫌がる事をせずジョセフに紹介されると歓迎していた。
温泉が湧く洞窟まで来て、入ろうとしないバートにちょっかいを出して彼を中に落とした。
肩車された状態でバートたちと対決すると、勢いで頭皮ごと髪の毛をむしり取って怒られた。
最後は屋根裏部屋でバートたちを驚かせ殴られ、頭から血を流しながらエーヴに看病される。
感想
[個人的な評価]
本作はグラフィック・アートの鬼才と呼ばれたキキ・ピカソの娘、キム・シャピロンが監督と共同脚本を務めています。
この作品は主演を務めるヴァンサン・カッセルが製作としても参加しています。
似たような作品に『変態村』なんかありますが、その系統だと思ったら、まったく違うような内容になっていました。
まず、田舎村であるけど、物語の大半は屋敷で起きている事だから少しムリがありました。
次に「変人」という意味では合っていて、物語の中でイメージを付けようと何度もセリフに出てきていました。
しかし、変人というよりサイコに近いような印象であり、その正体が悪魔崇拝者と分かってくると意味が伝わってきます。
なんと言っても、主演で製作としても参加しているヴァンサン・カッセルが縦横無尽の活躍をしていました。
むしろ、ヴァンサン・カッセルじゃないと作品として埋もれてしまうぐらい、ストーリーや設定について魅力が一切ありません。
田舎村にやって来る若者(バカ者)たちの言動がチンピラに近い感じで、ずっと粋がってケンカ腰な感じでイメージが非常に悪いです。
その為、彼らがどんな状況に追い込まれても同情する余地がなく、自業自得のようにしか感じられないです。
これは狙っているやっているだろうけど、若者たちが襲われて逃げる様子を見せても同情が湧かないから緊張感がほぼない。
次にエログロな描写もフランス映画という事で容赦がないようで、実際はかなり抑え気味で少し地味な印象を持ってしまう。
ネズミがカラスに食い散らかされるシーン、大量のバッタがベッドの上にあるシーンなどリアルに気持ち悪いと思わせるだけで、直接的に物語とは関係ないです。
なので、ストーリーの面白さは皆無であり、あくまでヴァンサン・カッセルの怪演だけで持っているような作品でした。
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