作品データ
あらすじ
人の凶暴性を増幅させる「DMZウイルス」が北朝鮮から全世界へ広がる中、唯一治療に成功したチョン博士を誘拐した男が脅迫ビデオをCIAへ送りつけられる。
CIAの捜査官たちは男が泊まるモーテルまで追い込むが、目を覚ました彼は時には記憶の一切をなくし、かかってきた電話から名前が「カーター」だと知る。
捜査官を振り切ったカーターは韓国の国家情報院のチェと会い、ウイルスの治療薬となれるチョン博士の娘ハナを北朝鮮へ送る任務を与えられるのだった。
登場人物&出演者
・カーター・リー/マイケル・ベーン(演:チュウォン)
代表作に『ハート泥棒を捕まえろ!』、『あいつだ』などがあります。
主人公。後頭部に十字の手術痕、耳に通信機を埋め込めれ、記憶の一切をなくしている素性不明の男。
通信機からハンの言葉を信じて動き出し、CIAをなんとか撒きながらハナを救出していく。
CIAのアグネスから本名がマイケル・ベーンだと聞かされ、疑心暗鬼になるもハンを信じた。
北朝鮮に入るとキム中将の裏切りに遭うが、ハンとの協力で娘とハナたちを救い出し脱出。
最後はキム中将と追手たちを倒し、列車が国境へ向かうも橋が何者かに爆破されてしまう。
・ハナ(演:キム・ボミン)
代表作に『出国/造られた工作員』、『君の誕生日』などがあります。
ヒロイン。「DMZウイルス」の治療に成功したチョン博士の一人娘。血液には治療薬を作れるワクチンとなる。
CIAに捕まっているところをカーターに助け出され、父親が待つ北朝鮮まで行く為に従った。
途中でCIAの邪魔や北朝鮮の裏切り者に捕まるが、その度にカーターに助け出されていた。
北朝鮮に入って父親と再会し、キム中将の裏切りを振り切ったカーターにまた助けられる。
最後はカーターたちの活躍でキム中将たちが倒され、列車が走る橋の先を爆破されてしまう。
・ハン・チョンヒ(演:チョン・ソリ)
代表作に『工作/黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男』などがあります。
朝鮮労働党の体外連絡部の副部長。ハナを北朝鮮に送り届ける為に志願したカーターに通信機で連絡を取る。
記憶をなくしたカーターが疑心暗鬼になる中、的確な指示でCIAから逃げるように導いた。
ハナを救出して北朝鮮に入ったカーターの前に現れるが、キム中将の裏切りで捕縛された。
実はスパイとして北朝鮮へ来たカーターと結婚し、娘が生まれるもキム中将により感染した。
最後はチョン博士とハナを助け出し、娘が治療薬で治るが、列車の橋が爆破されてしまう。
・チョン・ビョンホ博士(演:チョン・ジェヨン)
代表作に『シルミド』、『彼とわたしの漂流日記』などがあります。
ウイルス学者。「DMZウイルス」の治療薬開発に成功し、感染していた娘のハナに投与して見事に治していた。
発生源である北朝鮮の新義州生物化学兵器研究所へ向かう途中、CIAの襲撃に邪魔された。
娘がCIAに捕らわれてしまうが、自身は無事に目的地へ到着して電話で待っていると話した。
北朝鮮の研究所に娘がやって来ると、すぐに治療薬を作ってカーターの娘に投与した。
最後は研究所を脱出してハンと行動し、キム中将が倒され、列車の橋が爆破されてしまう。
・キム・ドンギュ(演:チョン・ヘギュン)
代表作に『恐怖タクシー』、『消えた時間』などがあります。
韓国の国家情報院対北戦略チームの室長。北朝鮮へカーターとハナを送る飛行機で警護を担当する。
ハンから疑われるような態度を見せられるが、すぐにカーターへ頼るように指示を与えた。
北朝鮮の軍人や海外のレポーターも同乗する中、負傷したカーターたちの治療を優先させた。
パイロットがウイルスを発症した処分を考えるが、北朝鮮の軍人たちに止められてしまう。
最後は裏切り者だったリ・チョルジュの右肩を撃ち抜くが、揉め合いの末に射殺された。
・アグネス(演:カミーラ・ベル)
代表作に『ストレンジャー・コール』、『紀元前1万年』などがあります。
CIAの女性エージェント。監禁されていたハナを助け出して逃走していたカーターを局長と追い詰めた。
カーターがマイケル・ベーンで元CIAだと話し、顔を整形しているがDNA鑑定をする説明した。
記憶がなくなっているカーターが疑心暗鬼になる中、奥歯に仕掛けた爆弾で逃げられた。
ハンの言葉を信じるべきじゃないと話し、彼女の指示を無視させてバスで説明しようとした。
最後はハンたちのチームにより狙撃を肩に受けるが、カーターたちをそのまま逃した。
・リ・チョルジュ(演:ユ・デヒョン)
本作が長編映画デビュー作となります。
北朝鮮の軍医。北朝鮮にカーターとハナを送る飛行機に同乗し、ケガを負った二人の簡単な治療を施した。
パイロットが「DMZウイルス」を発症した事で機内がパニックになる中、ハナを連れ出した。
貨物室に待機していたが、指示を受けたカーターがやって来ると正体がバレて争っていた。
あとから来た室長に肩を撃たれると、アメリカに付いた方がマシとして裏切りを宣言した。
最後は墜落する飛行機からハナを抱えて飛び出したが、追いかけたカーターに倒された。
・キム・ジョンヒョク(演:イ・ソンジェ)
代表作に『ナタリー/絡みつく愛の記憶』、『公共の敵』などがあります。
北朝鮮の軍人で中将。「DMZウイルス」の治療薬を作る為にハンの作戦に賛同してカーターをバックアップする。
北朝鮮にハナを連れて来たカーターを出迎えるが、すぐに裏切ってハンたちを捕縛していた。
韓国だけじゃなく、アメリカも一緒に倒そうとする考えを持ち、独断で作戦を中断させた。
カーターとハンたちによってハナが連れ出されると、部下を使って必死に追わせていく。
最後は国境を越える列車までヘリで追撃するが、カーターの反撃によって倒されてしまう。
感想
[個人的な評価]
本作はNetflixで独占配信された作品となります。
この作品は『殺人の告白』や『悪女/AKUJO』で知られるチョン・ビョンギルが監督と共同脚本を務めています。
本作はNetflixのオリジナル映画でありながら、かなりの意欲作となっていて、まさに作家性を発揮する特徴を強く出していました。
監督のチョン・ビョンギルは『悪女/AKUJO』でワンカット風のアクションで強烈なインパクトを残しました。
その気持ちよさをチョン・ビョンギル監督は更に本作で昇華させ、全編においてほとんどアクションシーンで占める作品となりました。
冒頭からトップギアに入れた状態で車を走らせ、途中で一瞬だけ休むが、基本的にトップスピードに乗せたような展開がずっと続いています。
更にカメラアングルに強いこだわりがあって、視点が目まぐるし変わっていき、従来のアクション映画とは違った演出になっています。
主人公は圧倒的な強さで大勢を相手にケガ一つせず、一方的に倒しておきながら、ほとんど息を切らせない超人となっていました。
本作はリアルではなく、ファンタジーの領域となっていて、常識で考えちゃいけないタイプのアクション映画だと言えるだろう。
ストーリー性やドラマ性はオマケ程度であり、物語のほとんどアクションに振り切った実験的な作品は間違えなく印象に残ります。
ただ、大きな問題として視点が目まぐるし変わるせいで画面酔いする可能性が高く、映像の情報量が多いせいで処理するだけで疲れてしまいます。
しかも、一つひとつのアクションがワンカットの長尺になっているせいで、一気に鑑賞しようとすると相当疲労を感じてしまう。
完全なるチョン・ビョンギル監督の自己満足になっていて、観ている側を置いていくような内容は人を選んでしまうと思います。
しかも、上映時間が2時間を超えてしまっているが、こういう作品はせいぜい90分が限界だと思います。
もう少し時間をカットしてスリムな内容にしてくれたら、本作は満足できただけに、ちょっとチョン・ビョンギル監督が暴走したような感じでした。
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