作品データ
あらすじ
オレゴン州のある田舎町、教師のジュリア・メドウズは教え子の一人、ルーカスが虐待を受けているのではないかと心配していた。
なぜなら、ルーカスは小動物を殺したり、町中で突然叫び出したりするという奇怪な行動からジュリアは考えていた。
そこでジュリアは保安官である弟のポールとともに調査を始めるが、その先に待っていたのは世にもおぞましい怪物との戦いだった。
登場人物&出演者
・ジュリア・メドウズ(演:ケリー・ラッセル)
代表作に『M:i:III』、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』などがあります。
主人公。カリフォルニアから地元へ帰って小学生の教師となる。過去に父親から激しい虐待を受けていた。
虐待に耐えられず地元から出ていたが、父親の死をきっかけに弟の為に帰ってきていた。
ルーカスの話しが気になって彼の家で絵を見つけ、校長に相談して父親に話しをつけさせる。
ストークスからウェンディゴの話しを聞き、惨殺死体や行方不明者との繋がりがあると察知。
最後は怪物化したフランクとエイダンを処分し、ルーカスを引き取るも弟の異変に気づかず。
・ポール・メドウズ(演:ジェシー・プレモンス)
近年の出演作に『パワー・オブ・ザ・ドッグ』、『ジャングル・クルーズ』などがあります。
ジュリアの弟で保安官。姉が家を出てもずっと地元に残っていて、誰も手を挙げない保安官を引き継いでいた。
鉱山で無惨な死体が発見され、単なる獣の仕業だとして決めつけ、行方不明者の捜索もする。
別の惨殺死体まで発見していくと、獣の仕業とは思えない状況でも理論的に考えていた。
ストークスからウェンディゴの伝承を聞いて信じず、怪物化したフランクに襲撃されて重傷。
最後はジュリアがウェンディゴたちを倒すが、実は寄生されていて徐々に変化を始めていた。
・ルーカス・ウィーヴァー(演:ジェレミー・T・トーマス)
代表作に『Dolly Parton’s Coat of Many Colors』などがあります。
ジュリアの教え子の一人。父親は覚醒剤を製造する売人であり、地元で有名となってイジメを受けている。
授業中には一生懸命紙に見ていた事を描いていて、それを物語としてジュリアの指名で話す。
父親と弟がウェンディゴの影響で怪物化し、その為に動物を捕まえて食料にしていた。
校長が監禁部屋に入って食われたせいで父親たちが逃げて、ジュリアたちに保護されていた。
最後はジュリアが父親と弟を倒して、微かに変化を見せるが、それまで彼女の保護にある。
・ウォーレン・ストークス(演:グラハム・グリーン)
代表作に『ダイ・ハード3』、『グリーンマイル』などがあります。
先住民の血を引く老年の男性。元々は地元の保安官で引退して、ポールが後任として引き継いでいる。
現在は趣味で山を散策しているが、食い散らかされた男の下半身を見つけて通報していた。
ポールたちが実際に現場にやって来ると、一緒に検視官の話しを聞いて状況を把握した。
ジュリアがルーカスの絵を見せられると、それが先住民に伝わるウェンディゴだと説明する。
最後は伝承をまったく信じないポールに警告して、ウェンディゴの倒し方を解説してくれた。
・エレン・ブース校長(演:エイミー・マディガン)
代表作に『ストリート・オブ・ファイヤー』、『ザ・ハント』などがあります。
小学校の女性校長。地元に帰って教師として小学校に来たジュリアの授業を黙って見ていた。
ルーカスの恐ろしい絵を持ってきたジュリアに対し、家庭の問題として片付けようとした。
虐待を受けた経験者であるジュリアから強く迫られると、フランクの家で話しを聞くと約束。
最後はフランクの家に行くと、監禁部屋に入ってエイダンを見るが、怪物に食い殺された。
・エイダン・ウィーヴァー(演:ソーヤー・ジョーンズ)
代表作に『グースバンプス/呪われたハロウィーン』、『ライブリポート』などがあります。
ルーカスの弟。父親のフランクが覚醒剤を調合する為に鉱山へ連れて行かれ、ウェンディゴに寄生されてしまう。
当初は父親だけに症状が現れて隔離されていたが、同じく調子が悪くなると同じ部屋に入る。
兄が外で捕まえた動物を父親が食べている中、まだちゃんとした食べ物をもらっていた。
普通の食べ物が受け付けなくなり、校長が部屋に入って父親が食い殺すと一緒に外へ出た。
最後はジュリアがウェンディゴとなった父親を殺すと、覚醒するところで処分されてしまう。
・フランク・ウィーヴァー(演:スコット・ヘイズ)
代表作に『ヴェノム』、『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』などがあります。
ルーカスとエイダンの父親。閉鎖された鉱山で仲間と覚醒剤を製造する。妻は亡くなっていて息子たちの面倒を見る。
何度も問題を起こして刑務所行きしてもおかしくないが、児童保護サービスに保護者と決定。
鉱山で覚醒剤を製造している時にウェンディゴに寄生され、家に帰ってから異変に気づいた。
自らドアに厳重なロックを付けて、ルーカスに病気だと話して絶対に開けるなと注意した。
最後はウェンディゴに乗っ取られて変化し、校長を食べたせいで完全に怪物と化してしまう。
感想
[個人的な評価]
本作はニック・アントスカの短編小説『The Quiet Boy』が原作で、彼も脚本として参加しています。
この作品はギレルモ・デル・トロやデヴィッド・S・ゴイヤーという豪華な製作陣が名を連ねています。
さすがにギレルモ・デル・トロが関わっている事もあって、劇中に登場するクリーチャーの造形はそれなりでした。
ただ、本作は個人的に一番嫌いな暗黒画面をずっと展開していて、昼間であっても薄暗いのは演出だろうと思います。
確かに重苦しい雰囲気を演出する為に敢えて薄暗くしているだろうけど、そういうのはごまかしているように感じます。
タイトルの意味は「鹿の枝角」であり、登場する怪物は先住民の間で「ウェンディゴ」となっていますが、ちょっと設定がアレンジしているようでした。
その怪物には明確な肉体がなく、魂が乗り移って転生する形となっていて、倒すには心臓をえぐり取るという感じになっています。
ずっと画面が暗黒な状態で進んでいく上に、ちゃんと怪物の姿を映さない手法に少しだけ食傷気味な印象を受けています。
父親と弟がウェンディゴの影響を受けて、長男が二人の為に動物を捕まえて食料を与えているのに、ちゃんと学校へ行っているのは少しムリがある。
そもそも、家の中が強烈な死臭を漂わせている事を考えれば、学校に行った長男から変なニオイが漂うはずなのにそれがなかった。
このように細部の表現がかなり雑になっていて、どっちかと言えば、雰囲気重視の作品になってしまっていました。
ギレルモ・デル・トロが監督をやっていたら、確実にクリーチャーをハッキリと出して暴れ回るような事をしてくれるはず。
その差を感じさせるような内容になっていて、ホラーとしても微妙であり、暗黒画面という事もあって個人的にはあまり面白い印象を持たなかったです。
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