作品データ
あらすじ
有名な作家であるクロスターの著書をパソコンに打ち出すバイトをしていたルシアナ。
勘違いからクロスターからセクハラを受けたルシアナは彼を訴え、世界一短い調停で勝利を得た。
しかし、その後からルシアナの家族は不審死を遂げていき、すべての元凶は妻と娘を失ったクロスターだと突き止めるのだった。
登場人物&出演者
・ルシアナ・ブランコ(演:マカレナ・アチャガ)
代表作に『En las buenas y en las malas』、『Father of the Bride』などがあります。
主人公。女子大生。クロスターの原稿をパソコンに打ち出すタイピングの仕事をしている。
クロスターの家族と仲良くしていたが、誘拐していると勘違いされてセクハラで辞める。
世界一短い調停で金を小切手を受けるが、そこから10年をかけて両親と二人の兄が殺される。
妹のヴァレンティナを守っていたが、すでにクロスターの手に落ちているとして危険視する。
最後はエステバンに頼んでクロスターと直接会い、妹の安全を約束させて飛び降り自殺した。
・エステバン・レイ(演:フアン・ミヌヒン)
代表作に『愛と情事のあいだ』、『2人のローマ教皇』などがあります。
新聞社の雇われライター。過去に小説家を目指していて、ルシアナのタイピングで原稿を仕上げていた。
クロスターに作品を送って評価を得ようとしたが、連絡をもらえずライター業に転職した。
家族が殺されたルシアナから連絡をもらい、クロスターの悪事を暴く記事を依頼されて承諾。
クロスター本人に接触して証言を得て記事を書くが、個人的な恨みだと発覚してクビになる。
最後はクロスターにルシアナを会わせるも彼女が自殺し、彼の復讐が完成した事を知った。
・ヴァレンティナ・ブランコ(演:オルネラ・デリア)
代表作に『Los sonámbulos』、『La chica mas rara del mundo』などがあります。
ルシアナの妹。両親や二人の兄、ルシアナと普通の家族の中で生活し、何不自由ない日々を送っていた。
ルシアナがクロスターをセクハラで訴えてから、兄や両親が立て続けに死ぬも何も知らず。
クロスターが犯人だとして常に姉がずっと一緒にいて、思春期になって煩わしくなっていた。
兄が犯罪者に撲殺され、母親も放火魔のせいで施設とともに燃えて悲しみのどん底に落ちる。
最後は姉まで自殺を遂げたが、同じ境遇として近づいたクロスターに妻として迎えられた。
・ルシアナの母親(演:ロミナ・ピント)
代表作に『Vuelve』、『Fermín glorias del tango』などがあります。
夫や二人の息子、二人の娘に囲まれて幸せに暮らしている。家は自然の中にあってキノコなどを採集して料理にする。
泣きながら帰ってきた娘を心配すると、クロスターからセクハラを受けたと知って行動した。
弁護士に相談してセクハラでクロスターを訴えると、世界一短い調停で大金を手に入れた。
いつものように採集したキノコのパイを食べるが、中毒になって言葉が話せなくなった。
最後は放火魔によって施設が燃やされてしまい、結果的に逃げられず犠牲となってしまう。
・メルセデス(演:モニカ・アントノプロス)
代表作に『ブエノスアイレスの殺人』、『ノートブック/愛するあなたへ』などがあります。
クロスターの妻。過去に有名なバレエダンサーだったが、背骨をケガしたせいで二度と踊れなくなって辞めていた。
バレエダンサーとしての人生が絶たれたショックを受け止められず、うつ病となっていた。
娘が生まれても精神状態が不安定のまま入院していて、夫にほぼ育児を任せる事になった。
入院生活が長かったせいで娘と上手くいかず、外出しても帰ってくるとイライラがピークに。
最後は夫がセクハラで訴えられと知り、娘を溺死させ、そのままオーバードーズで死亡した。
・クロスター(演:ディエゴ・ペレッティ)
代表作に『見知らぬ医師』、『ミリオンダラー・スティーラー』などがあります。
アルゼンチンを代表する有名な作家。思いついたストーリーをルシアナにタイピングさせて原稿を作る。
ルシアナから誘惑されていると勘違いしてセクハラし、当初は認めなかったが訴えられた。
訴状を見た妻の精神が不安定になって娘がバスタブで溺死し、彼女も薬を大量服用して死亡。
家族を奪ったルシアナに恨みを募らせ、黒幕となって彼女に同じ苦しみをずっと与えていた。
最後はルシアナが妹の安全を約束させて自殺されるが、すでに自分の妻に迎えようとした。
感想
[個人的な評価]
本作はNetflixで独占配信された作品となります。
この作品はギジェルモ・マルティネスの小説『ルシアナ・Bの緩慢なる死』を実写映画化しています。
珍しいアルゼンチン産のサスペンス映画となりますが、小説が原作という事で複雑に設定が絡まっています。
相変わらずNetflixの邦題にまったくセンスがなく、あまり魅力的に感じさせないのはワザとじゃないかと思わせる。
だからと言って、中身が超絶に面白いというワケじゃないから、何かとタチが悪いような印象しか持たないのは問題である。
Netflixのオリジナル映画というのは邦画と同じく、10本のうち1本か2本に当たりがあればという感じで、今回は微妙な感じになりました。
主人公と雇っていた作家との復讐劇がメインテーマになるけど、直接的な描写はなく、ミスリードを狙うような構成は悪くないと思いました。
ただ、上記のように直接的な描写がない事もあって、客観的に物語を見る事しかないから、ミスリードを狙いやすいのは分かる。
そのまま物語の顛末が最後に語られると思っていたら、まさかの直接的な答えがなく、散りばめられた伏線から判断するようなオチでした。
しかも、罰するべき人間が圧倒的有利な立場で生きが長らえた上に、戦利品まで手に入れるオチにモヤモヤ感がずっと残っていました。
結局、主人公を悪者にしようとするミスリードがラストで被害者だと判明し、逆恨みの復讐を仕掛けた作家の方が勝利する胸糞な終わり方はどうしようもない。
何より主人公の家族が次々と死んでいくが、直接的な描写がなく結果しか見せないので、作家がどれだけの恨みを込めた心情が伝わってこない。
やはり、これは小説ではなく映画であるから、映像で見せないといけないと思うし、それを敢えてやらなかった演出は逆効果を生んだと思います。
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