作品データ
あらすじ
大富豪の娘リネット・リッジウェイは、親友のジャクリーンから彼女の婚約者サイモン・ドイルを横取りする形で結婚した。
そんなリネットとサイモンは新婚旅行でエジプトを訪れ、エルキュール・ポアロや友人ら招待客を乗せた貸し切りの豪華客船でナイル川をクルージングしていた。
ところが、その中にはリネットへの怒りが収まらないジャクリーンが乗船し、やがて船内で殺人が起こり、乗客の誰もが動機を持ちうる難解な事件の解明にポアロが乗り出すのだった。
登場人物&出演者
・エルキュール・ポアロ(演:ケネス・ブラナー)
近年の出演作に『ベルファスト』、『TENET/テネット』などがあります。
主人公。世界一の名探偵。戦争で中隊を勝利に導くが、顔を負傷して愛した女性からヒゲを伸ばす助言をもらう。
休暇を取っていたところでブークと再会し、その流れでリネットのハネムーンに参加した。
実はユーフェミアからサロメとロザリーの身辺調査を依頼され、彼女らから軽蔑された。
リネットやブークの殺害の犯人がジャクリーンとサイモンだと突き止め、二人を追い詰めた。
最後は事件が解決しても喜ぶ事がなく、ヒゲを剃ってサロメのステージを静かに見ていた。
・リネット・リッジウェイ(演:ガル・ガドット)
近年の出演作に『レッド・ノーティス』、『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』などがあります。
ヒロイン。莫大な資産を相続した大富豪。ジャクリーンの婚約を知るが、サイモンと惹かれ合って奪略婚を果たす。
金を惜しみなく使ってハネムーンを行うが、しつこいジャクリーンに対して恐怖を持つ。
ブーク経由でポアロを誘っていたが、その真意は周囲の人間を誰も信用できないと話した。
父親が多くの敵を作っていて、友人だと思っていた人間たちから恨まれる理由を持たせる。
最後は睡眠剤を飲んで寝ていたが、最初から裏切っていたサイモンに殺されてしまう。
・ジャクリーン・ド・ベルフォール(演:エマ・マッキー)
代表作に『The Winter Lake』、『Eiffel』などがあります。
リネットの親友でサイモンの婚約者。パーティでサイモンをリネットに紹介して、彼を別荘の管理人にするお願いをした。
結果的にサイモンと結婚したリネットに対して恨みを持ち、しつこく二人を追い回していた。
リネットから頼まれたポアロに何度か忠告を受け、サイモンの脚を22口径で撃ってしまう。
実は一連の殺人における黒幕で、リネットの財産を狙ってサイモン組んで三人を殺害した。
最後はポアロに計画がすべて暴かれ、証拠も突きつけられ、サイモンと自殺を図って死亡。
・サイモン・ドイル(演:アーミー・ハマー)
近年の出演作に『クライシス』、『レベッカ』などがあります。
ジャクリーンの婚約者。無職でありながらイケメンで、ジャクリーンと深く愛し合っている。
パーティでリネットと会って一目惚れして結婚して、結果的にジャクリーンを捨ててしまう。
しつこく追い回すジャクリーンを止めるようにポアロに話すが、どうにもできないと理解。
ジャクリーンを挑発して脚を撃たれ、リネットが何者かに殺害されて被害者の立場となった。
最後は黒幕のジャクリーンと組んでいた事がバレて、逃亡を考えるも彼女の自殺の道連れに。
・ブーク(演:トム・ベイトマン)
代表作に『オリエント急行殺人事件』、『スノー・ロワイアル』などがあります。
ポアロの親友。オリエント急行を運営する鉄道会社の重役だったが、退職して母親と旅をしている。
エジプトのピラミッドで凧揚げしていると、偶然にもポアロと再会して母親に紹介していた。
リネットが殺害され推理ゲームの開始と話し、ロザリーとの付き合いを母親に同意を求める。
実はリネットが殺された事を先に知っていて、ネックレスを盗んでルイーズ殺しを目撃した。
最後はポアロの尋問でジャクリーンが犯人だと言おうとして、その前に殺されてしまう。
・ユーフェミア(演:アネット・ベニング)
代表作に『アメリカン・ビューティー』、『華麗なる恋の舞台』などがあります。
ブークの母親。絵描き。息子と一緒に旅行して、エジプトのピラミッドを描いていた時にポアロと会った。
最初からポアロに対して不快感を持った態度を見せるが、息子から愛想よくと言われていた。
息子と釣り合う女性はリネットと考えていたが、実際はロザリーと付き合っていて認めず。
リネットが殺害された時にネックレスを見つけるが、ジャクリーンに息子が殺されてしまう。
最後は犯人がジャクリーンとサイモンと知り、二人が死ぬと、悲しみのまま帰る事になる。
・サロメ・オッタボーン(演:ソフィー・オコネドー)
代表作に『ホテル・ルワンダ』、『ヘルボーイ/2019年版』などがあります。
有名なブルース歌手。ジャクリーンとサイモンが婚約をリネットに話すパーティで歌を披露していた。
クルージングではポアロから歌を褒められると、彼に対して興味と好意を持つ事になる。
実は過去にロザリーがリネットから無意識な差別を受け、彼女の父親への怒りを持っていた。
リネットが殺害されてポアロの尋問を受けると、護身用の22口径の拳銃を見抜かれていた。
最後はポアロの仕事に少しガッカリするが、歌を歌っていたステージで彼と再会を果たした。
・ロザリー・オッタボーン(演:レティーシャ・ライト)
代表作に『レディ・プレイヤー1』、『ブラックパンサー』などがあります。
サロメの姪でマネージャー。叔母のマネージャーとして抜け目がなく、雇い主とは対等の立場を取っている。
頭脳明晰で正義を重要視するが、実はブークと付き合うも彼の母親から認められずにいる。
ユーフェミアがポアロを雇って身辺調査され、高評価を得るも彼を軽蔑する言葉を並べた。
実は過去にリネットから無意識に差別的な事をされるが、友人になって彼女を許した。
最後はブークを殺されてしまい、ユーフェミアと和解して、叔母と再び旅に出る事となった。
・ウィンドルシャム(演:ラッセル・ブランド)
代表作に『ベッドタイム・ストーリー』、『ロック・オブ・エイジズ』などがあります。
医師。かつてリネットに恋をしてプロポーズするも断られている。未練が残りながらもハネムーンに参加した。
リネットの検死をして悲しんで、次々と起きる殺人事件で死体の状況を調べる事になる。
実はその正体は貴族であり、その地位を捨てて医者として活動しているとポアロに知られる。
ルイーズの殺害にメスを使われ、アンドリューに疑われるもポアロに無実だと証明された。
最後はロンドンに用がなくなったとして、西アフリカで医療技術を使うとポアロに話した。
・アンドリュー・カチャドリアン(演:アリ・ファザル)
代表作に『きっと、うまくいく』、『ワイルド・スピード/SKY MISSION』などがあります。
リネットの従兄弟で財産管理人。弁護士としてもあらゆる書類を作成し、リネットの結婚で変更をしていた。
リネットとは子供の頃から一緒に育ってきたような感覚で、本物の兄妹に近い関係を持つ。
ハネムーンで気後れしながらも、書類の変更へのサインを求めるもロザリーが邪魔された。
実はリネットの財産を横領して投資に失敗していて、なんとかごまかそうと考えていた。
最後は護身用の銃をジャクリーンに奪われるが、罪に問われる事なく横領の返済を誓った。
・マリー・ヴァン・スカイラー(演:ジェニファー・ソーンダース)
代表作に『世にも憂鬱なハムレットたち』、『SING/シング』などがあります。
リネットの名付け親で後見人。労働者を労るような態度を見せるが、なぜかバワーズをこき使っている。
リネットが何者か殺害されると、バワーズの尋問に割って入ってポアロを否定していた。
バワーズが使用人ではなく、それ以上の関係であるとポアロに見抜かれて黙ってしまう。
実は共産主義の考え方を持っていて、革命が起きたらリネットの命はないという考えを持つ。
最後はリネットからの遺産が入ってくるが、ほとんどを放棄してバワーズと幸せに暮らす。
・ミセス・バワーズ(演:ドーン・フレンチ)
代表作に『ときめき捜査奮戦記/パラダイス・コネクション』、『私の婚活恋愛術』などがあります。
スカイラーの看護師で友人。ワガママに立ち振る舞うスカイラーの隣にいて、何かと手伝っている。
サイモンの脚を撃ったジャクリーンを保護し、暴走しないようにモルヒネを打っていた。
実は過去に金持ちだったが、大恐慌で財産を失い、その原因がリネットの父親だと発覚する。
ポアロの尋問では詰められると、割って入ったスカイラーとの様子から同性愛を見抜かれた。
最後はスカイラーにリネットの遺産が入ると、多くの放棄して少しだけもらうと話していた。
・ルイーズ・ブールジェ(演:ローズ・レスリー)
代表作に『ラスト・ウィッチ・ハンター』、『モーガン/プロトタイプL-9』などがあります。
リネットのメイド。長年に渡ってリネットに仕えていて、信頼を得て高価なネックレスの管理を任されている。
エジプトでのハネムーンではホテルの金庫に管理するネックレスを取って、リネットに渡す。
実は過去に婚約者がいたが、リネットの調べで借金が発覚し、金を渡されて婚約破棄された。
ポアロの尋問では婚約について聞かれ、事件当時にサイモンを見ていた事を隠していた。
最後はサイモンが犯人と知っていて強請をしたが、ジャクリーンの手によって殺害された。
感想
[個人的な評価]
本作はアガサ・クリスティの小説『ナイルに死す』が原作で、今回で三度目の実写映像化されています。
この作品は2017年に公開された『オリエント急行殺人事件』の続編として製作されています。
ハッキリ言って、前作については謎解きはそこそこで、あとは主人公のエルキュール・ポアロのキャラクターと豪華なキャストだけが魅力でした。
なので、純粋にストーリーだけで見てしまうと平凡であり、サスペンス映画としても凡作の息を出ていません。
ただ、そこにお金を注げばゴージャスに見えて、平凡で面白くないストーリーでも一定の高評価を得る事ができます。
残念ながら自分の場合、豪華なキャストよりもワクワクさせられる内容じゃない限り、そのような上辺だけのモノには惑わされません。
それを踏まえて、本作でも前作と同じように平凡で面白くないストーリーだが、本題に入るまで非常に長くて退屈です。
どうやら本作には「愛」を至上主義としてテーマに掲げていて、それによって振り回される人々を描こうとしていました。
残念ながら、その「愛」至上主義について理解できない曖昧すぎる部分で、全体的にフワッとした動機になりすぎて、こういう謎解きの作品との相性が悪いと感じました。
何よりエルキュール・ポアロの謎解きのやり方にスマートさがなく、半分ぐらい脅迫のような印象を持ってしまい、前作ほどの魅力は感じられなかったです。
そもそも、ケネス・ブラナー監督は芸術志向のタイプで、娯楽志向な自分とは相性が悪いので、どうしても本作は楽しむ事ができなかった。
ヒロイン的なポジションのガル・ガドットは美しいが、演じている役が嫌味っぽくて、あまりハマっているように見えなかった。
本題となる犯人探しについても、最初から誰が犯人でどのような計画が始まって数分でなんとなく見えてしまい、前作同様に中途半端なミスリードではワクワクできなかった。
謎解きやストーリーを無視して、本作は微妙なCGの芸術っぽい映像、ガル・ガドットやエマ・マッキーの美しさ辺りを楽しむ作品だと感じました。
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