作品データ
あらすじ
ある日、ロス市警のハンクは強盗犯との激しい銃撃戦の末、相棒を失い、犯人に逃げられた上に上官への直訴も虚しく担当を外されてしまう。
パトロール中のハンクは挙動不審な男アールと出会い、二人のやり取りは次第に口論へ発展して勘違いした市民に通報される。
警察をクビになったハンクはアールが勤める警備会社に就職すると、相棒殺しの犯人を追う中で協力していくのだった。
登場人物&出演者
・アール・モンゴメリー(演:マーティン・ローレンス)
近年の出演作に『バッドボーイズ/フォー・ライフ』、『ビーチ・バム/まじめに不真面目』などがあります。
主人公。警察学校で訓練を受けていたが、無茶な事をして教官を怒らせた事で追い出されてしまう。
車のキーを取ろうとしてハンクに泥棒に間違えられ、結果的に彼を刑務所送りにしてしまう。
警備会社に就職して倉庫番をするが、ナッシュを見つけたハンクと合流して協力する事に。
ハンクが相棒を殺した犯人を探していると知り、本心で協力をしてナッシュを追い詰める。
最後は汚職警官のマクダフ刑事を突き止め、ハンクと倒し、念願だった警察官となった。
・ハンク・ラファティ(演:スティーヴ・ザーン)
代表作に『はじまりの旅』、『猿の惑星:聖戦記』などがあります。
ロス市警の巡査。パトロール中に通報を受け、倉庫でナッシュたちを見つけるも相棒が撃たれて死亡した。
車のキーを取ろうとしたアールを泥棒と間違え、暴行した容疑で有罪になって人生が壊れる。
独自に調査してナッシュを見つけると、同じ警備員だったアールと再会して協力する事に。
マクダフ刑事が汚職警官だと知って、すぐに上司であったワシントン警部補に報告した。
最後は汚職警官のマクダフ刑事とナッシュを倒し、表彰されて見事に警察官として復職した。
・デニース(演:ロビン・リー)
代表作に『最後の恋のはじめ方』、『7つの贈り物』などがあります。
ハンクの恋人で黒人。ハンクがアールに暴行を働いて、有罪判決を受けた事で別れを告げていた。
ナッシュたちから奪ったバンを車庫に隠され、ハンクがやって来るも謝罪を一切受け入れず。
アールの適当な証言のせいでハンクの疑いが晴れず、結局は二人を家から追い出す事になる。
ハンクが撃たれたアールを連れてくると、治療している段階で間違いだと知って和解した。
最後は警察官に復職して汚職警官を逮捕して表彰を受けるハンクを誇らしく見守っていた。
・ワシントン警部補(演:ビル・デューク)
近年の出演作に『クライム・ゲーム』、『ハイ・フライング・バード/目指せバスケの頂点』などがあります。
ロス市警の刑事でハンクの上司。ハンクの相棒が殺害されると、彼を捜査から外してマクダフ刑事に任せた。
ハンクがアールに暴行を働いた事を許さず、マクダフ刑事の言葉で彼を有罪にする事を許す。
勝手に捜査をしていたハンクたちを一度捕まえるが、正当防衛だと証明されて釈放した。
マクダフ刑事がナッシュと繋がっていて、消えたハイテク合金を持ち出した事を知って協力。
最後はマクダフ刑事に誘拐されるが、ハンクとアールの反撃で助かり、彼らを警察に迎えた。
・マクダフ刑事(演:コルム・フィオール)
近年の出演作に『アンブレラ・アカデミー』、『ハウス・オブ・カード/野望の階段』などがあります。
ロス市警の刑事。相棒が殺されたハンクが捜査から外され、その代わりとして担当を任されていた。
アールを暴行した容疑を課せられたハンクを擁護せず、有罪になるように裏工作をしていた。
その正体はハイテク合金を盗んだナッシュと手を組んで、取引で莫大な金を得ようとした。
ワシントン警部補から問い詰められると逆に誘拐し、ハンクとアールを追い詰める事になる。
最後は反撃したハンクとアールと銃撃戦になると、運悪く弾丸が当たって呆気なく死亡した。
・ナッシュ(演:エリック・ロバーツ)
近年の出演作に『アルマゲドン2020』、『ロード・オブ・モンスターズ』などがあります。
クラプス国際航空宇宙のハイテク合金を盗み出し、ビール樽に変えて売り捌こうとしていた。
倉庫から持ち出す時に通報を受けたハンクたちに見つかり、彼の相棒を射殺して逃亡した。
警備員になったハンクに再び倉庫の荷出しで襲撃を受け、反撃してなんとか逃げ出した。
実はマクダフ刑事と裏で繋がっていて、ハンクとアールに奪われたビール樽の取引に来る。
最後はアールを追い詰めるが、ハンクがクレーンで足場を飛ばされ、着水して死亡した。
感想
[個人的な評価]
本作は『ビッグ・ダディ』などで知られるデニス・デューガンが監督を務めています。
この作品は主演を務めるマーティン・ローレンスが製作総指揮としても参加しています。
アメリカの長い歴史の中で、白人と黒人の間にある人種差別は現代であっても緩和するどころか問題が大きくなっています。
更に今はマイノリティの人々を意識したポリティカル・コレクトネスへの配慮が以前よりも大きくなっています。
そのせいで現実社会に限らず、映画業界でも白人や黒人、それにアジア系などの扱いが非常にセンシティブになってしまっています。
そんな本作は2003年に公開されていますが、今よりはまだマシだと言える世の中でした。
しかしながら、本作から分かるように、主人公であるマーティン・ローレンスを代表とする黒人が非常に有利な状態になっている。
逆にスティーヴ・ザーンを代表にした白人が悪者扱いになっていて、現代に繋がるポリコレ配慮の兆しが見えるような感じです。
本作ではマーティン・ローレンスが演じるアールがお調子者で、典型的な軽い感じの黒人となっていて、完全なる被害者という立場になっている。
でも、実際は白人であるスティーヴ・ザーンが演じるハンクについて、多少やりすぎた部分があっても、アールに人生を一度壊されています。
これはあまりにも理不尽であり、その裏に汚職警官の問題があっても、人種間の問題で一方的に白人が迫害されるのは意図的に見えてしまう。
デニス・デューガン監督は白人であるが、まるで黒人を優位に表現するスパイク・リー監督の作品だと思わせるほどでした。
個人的に白人と黒人の間にある人種差別はよく分かっていないが、本作でずっと意図的な黒人を善人、白人を悪人にしている展開は好きじゃないです。
バディ映画の基本として最初はお互いに争うが、共通の目的で友情が芽生えていく王道のストーリーだが、どうにも意図的なパワーバランスに納得できなかった。
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