作品データ
あらすじ
ある日、エンジニアの後藤裕一、団体職員の甲斐麻子、フリーターの越智真司、中学生の宇野千陽、整備士の井手寛、会社役員の安東和正の6人が謎の立方体で目を覚ます。
6人は年齢も性別も職業もバラバラで、閉じ込められた理由も誰も分からずに困惑する。
それでも懸命に暗号を解いて出口を探す6人だが、そんな彼らをいくつもの殺人トラップが待ち受けるのだった。
登場人物&出演者
・後藤裕一(演:菅田将暉)
近年の出演作に『キネマの神様』、『キャラクター』などがあります。
東京都出身の29歳のエンジニア。目を覚ますと、声をかけてきた真司に起こされ、千陽が同じ部屋にいると知る。
隣の部屋から寛と麻子がやって来て、挨拶を交わすと、靴をヒモで結んで試しで投げ入れる。
大丈夫だと思った部屋のトラップが発動し、パニックになったせいでみんなを危険にさらした。
実は過去にイジメを受けていた弟の飛び降り自殺を止められず、そのせいでトラウマとなる。
最後は皆殺しにしようとした真司と争って部屋に残るが、重傷を負いながらも生き残っていた。
・宇野千陽(演:田代輝)
代表作に『四月は君の嘘』、『稲垣家の喪主』などがあります。
神奈川県出身の13歳の中学生。裕一が目を覚ました時には真司といて、一言もしゃべらずに座っていた。
みんなに従って次の部屋に行っていたが、その時に数字の事を知って何か引っかかっていた。
死の危機を脱してから裕一としゃべるようになって、部屋の数字についての規則性を発見した。
実は学校でイジメを受けていて、大人を信じられないと宣言するが、裕一だけは違うと話す。
最後は麻子と出口に繋がる部屋に入っていき、身代わりになった裕一の為に元の世界に戻った。
・甲斐麻子(演:杏)
近年の出演作に『とんび』、『オケ老人!』などがあります。
出身地不明の37歳。裕一たちがいる隣の部屋からやって来ると、すぐに彼らが何者か聞いてから自己紹介した。
唯一の女性ながら物怖じしない性格で、寛が確認する部屋になんの疑いもなく入っていった。
靴による確認が通じなくなってきて、今度は裕一と千陽による素数での回避について聞いた。
真司を止めた裕一の犠牲に千陽と悲しんでいたが、出口に繋がる部屋にたどり着いていた。
最後は千陽を見送ると、実は立方体とリンクしていて、次なる挑戦者たちの前に何者か尋ねた。
・越智真司(演:岡田将生)
近年の出演作に『ドライブ・マイ・カー』、『Arc/アーク』などがあります。
千葉県出身の31歳のフリーター。目を覚ました裕一に声をかけて、寛や麻子にも笑顔で状況を話していた。
寛の威圧的な態度からへりくだり、和正が会社役員だと分かって萎縮するような態度になる。
音によるトラップで和正が死にそうになると、上から目線で責められたせいで殺しに目覚める。
裕一たちと分断されて和正を別の部屋で殺害して、再び彼らと合流を果たすも死を望んでいた。
最後は裕一たちを殺そうとトラップの部屋を選ぶが、背後からトラップを受けて死亡した。
・安東和正(演:吉田鋼太郎)
近年の出演作に『孤狼の血/LEVEL2』、『今日から俺は!!劇場版』などがあります。
愛知県出身の62歳の広告代理店の役員。部屋で一人だけいて、裕一たちがやって来ると嬉しそうに声をかけた。
最初はスタッフだと勘違いしていたが、違うとすぐに分かってガッカリした様子になっていた。
人を裏切ってき嫌われてきた人生を歩み、若者への嫌悪感を持ち、真司を特に毛嫌いしていた。
真司のせいでケガした事から堂々とクズ呼ばわりして、寛が死んで諦めたような状態になる。
最後は裕一たちと分断され、別の部屋に行くが、一緒にいた真司によって殺されてしまう。
・井手寛(演:斎藤工)
近年の出演作に『シン・ウルトラマン』、『愛のまなざしを』などがあります。
福岡県出身の41歳の整備士。靴をヒモで縛って次の部屋に投げ入れ、トラップを見極めて進んでいた。
裕一たちと合流しても名前を適当に名乗ってから、淡々と靴を部屋に投げ入れて侵入していた。
靴による確認が通じなくなったと知って、裕一と千陽による素数を見つける方法に従った。
過去に弟を見殺しにした裕一の様子を察知するが、いち早く元の世界に戻ろうと焦っていた。
最後はトラップの部屋に落ちた裕一と千陽たちを助けたが、照射されたビームを食らって死亡。
・最初の男(演:柄本時生)
近年の出演作に『バイプレイヤーズ/もしも100人の名脇役が映画を作ったら』、『BLUE/ブルー』などがあります。
ボサボサの白髪混じりの男。立方体で一人目覚めると、状況を把握できずに次の部屋に侵入した。
部屋に着地して様子を見ていたが、トラップの音が発動するのを聞いて焦りを見せていた。
最後は背後から四角の刃物で胸を貫かれ、裕一たちの前に死体が落ちて立方体の危険性を示す。
感想
[個人的な評価]
本作は1997年に公開されたヴィンチェンゾ・ナタリの同名作品のリメイクとなります。
この作品はヴィンチェンゾ・ナタリの公認リメイクだが、設定は日本独自となっています。
オリジナルであるヴィンチェンゾ・ナタリ監督の作品について、公開当初は低予算ながら斬新な設定が大ヒットに繋がりました。
その後、シリーズ化されて立方体の正体が明らかになっていき、更に亜種の映画も多く作られるぐらいの人気となりました。
そして、なぜか日本で公認のリメイクとなったが、最初から不安しかない状態で期待はまったくしなかったです。
やはり、日本ではグロテスクな描写が限界があって、そもそも出演者の顔ぶれで集客する邦画との相性が非常に悪いです。
オリジナルが持つグロテスクな描写と、個人主義のアメリカだからこそ緊張感のある人間干剣が絶妙なバランスを持ってました。
それに対して、日本の場合はグロテスクな描写がマイルドになっていて、全体主義に近い日本の人間関係では微妙な展開になっていました。
何より登場人物たちの背景が非常にバランスが悪く、主人公とも言える菅田将暉のキャラクターが優遇されすぎたと思います。
共通のテーマとして社会に抑圧される若者、イジメを受ける人間の心理など、なんとか作品の中心に置こうとしていました。
ただ、これについても空回りしているような感じで、途中で岡田将生がサイコパスになる展開もまた薄っぺらい印象しかなかったです。
仮に本作がオリジナルだったとしたら悪くないかもしれないが、所詮は二番煎じにもならない残念な作品としか言えないだろう。
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