作品データ
公開年月 | 2002/11/01 |
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ジャンル | ホラー |
原作 | なし |
監督 | ダニー・ボイル |
脚本 | アレックス・ガーランド |
製作 | アンドリュー・マクドナルド |
製作国 | イギリス |
鑑賞方法 | 購入DVD |
あらすじ
怒りを抑制する薬の開発中のとある霊長類研究所に、動物愛護の活動する人々が夜な夜な侵入していた。
精神を冒し即効性の怒りを発するウイルスに感染した実験用のチンパンジーが、侵入した動物愛護活動家たちに解放されてしまう。
その28日後、交通事故で昏睡状態だったジムは、誰もいないロンドン市内を歩くと、そこにはウイルスに感染した人間と遭遇するのだった。
登場人物&出演者

近年の出演作に『インセプション』、『サイコリバース』などがあります。
主人公。自転車メッセンジャー。仕事中に交通事故で昏睡状態になり、その後に目を覚ます。
状況が分からないまま教会に行くと、感染者に襲われて逃げると、セリーナたちが助ける。
救いを求めていたフランクとハンナと合流して、ラジオで軍が救助していると知って向かう。
女が目的だと分かって逃げようとするも捕まり、運良く脱出してセリーナたちを助け出す。
最後は少佐に撃たれるもセリーナの治療で回復し、救助する戦闘機を見かけて助けられた。

近年の出演作に『おじいさんと草原の小学校』、『ニンジャ・アサシン』などがあります。
ヒロイン。薬剤師の女性。マークとともに生き残り、何も知らないジムを助けてくれた。
生き残ればいいという考えで、感染したら即座に殺す覚悟を持つも実は救いを求めている。
ジムとハンナ親子との出会いで考え方を改めるが、フランクが感染して殺されると悲しむ。
軍が女を目的にしていたと知るが何もできず、苦しまないようにハンナに安定剤を渡す。
最後は反撃したジムのケガを治療し、ハンナたちと戦闘機からの救助を受けて生還をはたす。

代表作に『がんばれ、リアム』などがあります。
ヒロイン。ロンドン市内のマンションに父親のフランクと二人で生き延びていた。
セリーナが悲観的な考え方を主張すると、真っ向から間違っていると強く否定していた。
軍の助けが必要だと発言し、目的地まで向かいわ車の運転とタイヤ交換までできるとみせる。
フランクが感染して軍が目の前で射殺してショックを受け、セリーナから安定剤をもらう。
最後は反撃したジムのおかげで助かり、三人で戦闘機にメッセージを見せて生還を果たす。

近年の出演作に『ハリー・ポッターと死の秘宝PART1』、『グリーン・ゾーン』などがあります。
ハンナの父親。ロンドン市内のマンションで生き残り、感染者への対策も施していた。
悲観的なセリーナの言葉を認めながら、ラジオで聞いた軍の保護に頼るべきとして行動する。
タクシーで目的地まで向かい、無茶をするも途中でスーパーで食料を調達して充実する。
悪夢を見ていたジムを安心させるなど、父親的な存在として全員を支える事になっていく。
最後は目的地がもぬけの殻で絶望し、感染すると隠れていた軍によって射殺されてしまう。

代表作に『落下の王国』、『アリス・イン・ワンダーランド』などがあります。
豪邸を要塞化して籠城する英国陸軍の二等兵。気が弱く、みんなの為に料理を作っている。
ジムたちを保護した歓迎の意味を込めてオムレツを作るが、腐った卵を使って怒られた。
実は将来に悲観して自殺しようとしたが、少佐に希望を与えられた事で思い留まった。
ジムの反撃で感染者が建物内に解き放たれ、キッチンに隠れてなんとかやり過ごしていた。
最後は逃げようとしたところで出会い頭にジムにナイフで刺され、少佐の前で死んでしまう。

代表作に『チャールズ・ディケンズの骨董屋』、『UKギャングスター/イギリスで最も恐れられた男』などがあります。
豪邸を要塞化して籠城する英国陸軍の伍長。傲慢で感染者を撃ち殺す事に快感を得ている。
当初からセリーナに目をつけて、感染者の大群を倒すと彼女のナタを取ってセクハラする。
ファレルに殴り倒されるが、すぐに仲裁した少佐に従って門のチェックをする為に出る。
銃殺じゃなくナイフでファレルを殺そうとしたが、ジョーンズが殺してジムを逃してしまう。
最後はセリーナを助ける為に乗り込んだジムに奇襲され両目を指で潰されて死亡した。

代表作に『猟人日記』、『家族の庭』などがあります。
豪邸を要塞化して籠城する英国陸軍の軍曹。少佐たちの考えと反対して意見を言っている。
ジムたちがやって来て盛り上がる中で、一人だけ納得できない表情で食事も手をつけない。
再建を考える少佐の意見がおかしいと主張するが、誰からも賛同を得られずに孤立していた。
女を欲しがるミッチェルに反抗して捕まり、一緒にいたジムに世界を滅んでいないと話す。
最後はミッチェルたちに連れ出され、ナイフで殺されるところでジョーンズに射殺された。

近年の出演作に『アメリア/永遠の翼』、『G.I.ジョー』などがあります。
豪邸を要塞化して籠城する英国陸軍の少佐。ラジオで生存者を募るメッセージを送る。
部下が保護した三人を出迎えると、歓迎する意味での食事をするも卵が腐っていたと台無し。
未来へ絶望した部下を思い留まらせる為、女を約束してラジオで呼びかけて再建を考える。
反抗する軍曹や企みに気付いたジムの排除をさせるなど、マトモな判断がもうできない。
最後はジムに銃弾を浴びせるが、ハンナによって感染者に引きずり出されて感染させられた。
感想
[個人的な評価]
本作は『第30回サターン賞』にて最優秀ホラー映画賞を受賞しています。
いわゆる感染系ホラー映画の頂点にして、その存在感を広めた作品と言えるだろう。
世間ではゾンビ映画として認知されているが、正確には感染系ホラー映画です。
その違いは生きるている人間がレイジウイルスに感染しているだけで、人を食べたり、撃たれても死なないゾンビとは違います。
あくまで感染を広げるだけで人間が持つ三大欲求すら排除されているので、肉体が餓死してしまうとそれで終わりになります。
ただ、凶暴化した人間は容赦がなく、元々生きているから全力疾走で追いかけるのは当然。
本作は単なるサバイバルじゃなく、ちゃんとした人間ドラマがあって、絶望の中で希望を見出す展開は上手く作り込んでいる。
主人公が誰もいないロンドンを歩くシーンは衝撃的で、日本だと渋谷交差点に誰もいないような感じだろうと思います。
それと親子の絆から希望を見出すが、それが壊れてしまう悲劇なんかも上手く演出できていると思いました。
レイジウイルスがなんでも奪うという表現を残酷なまでにしているのも興味深いです。
人によって人類は立ち直れないダメージを受けているとか、自分たちが新たな世界を再建するとか、実は被害がイギリスだけで他国は封じ込めているなど、違った考え方が交錯する中で自分の考えも加える事ができる。
主人公がラストで急に覚醒するのは少し強引なかもしれないが、その気になれば相手がプロであっても反撃できる怖さも伝わります。
本編ではハッピーエンドになっていますが、特典映像ではバッドエンドが収録されていて、あの救われない雰囲気はなんとも言えないぐらい絶望的でした。
やはり、主人公たちにはハッピーエンドで終わって欲しいという気持ちがあるから、その選択は正しかったです。
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