【狂覗】RE-3771

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作品データ

公開年月 2017/07/22
ジャンル サスペンス
原作 宮沢章夫 『14歳の国』
監督 藤井秀剛
脚本 藤井秀剛
製作 藤井秀剛、梅澤由香里
製作国 日本
鑑賞方法 レンタルDVD

あらすじ

中学校教師が瀕死の状態で発見され、その犯人が同校の学生である可能性が強まっていた。
責任を押し付けられた科学教師の森は他の教師たちを招集し、体育の授業で生徒たちが教室に不在の中、秘密裏に抜き打ちの荷物検査を開始した。
5人の教師による荷物検査で彼らの知らない中学生の現実が明らかになる中、容姿端麗で成績優秀な万田という女子生徒の知られざる顔が浮かび上がっていくのだった。

登場人物&出演者

谷野十(演:杉山樹志)

代表作に『超擬態人間』などがあります。

主人公。元教師。現在は工場で働いているが、同僚と上手くいかず脅したせいで殴り倒されていた。

ちょうど来た森先生に助けられ、もう一度教師として戻るように説得され臨時として来た。
過去のトラウマが何度も襲ってくるが、誰にも言えず一人だけ抱えてやり過ごそうとした。
イジメの可能性が発覚して橋本先生と突き止めようとして、森先生たちが急に狂っていく。
最後は森先生が女子生徒を攻撃して暴走し、高所から転落死して更に状況が悪化していた。

森由紀夫(演:田中大貴)

代表作に『超擬態人間』、『猿ノ王国』などがあります。

科学教師。生活指導主任。上西先生が暴行を受けた事件から、校長と教頭から圧力を受けて抜き打ちの荷物検査をする。

過去に生徒が自殺して教師を辞めていた谷野に声をかけ、臨時教師として呼び戻していた。
抜き打ちの荷物検査を発案した当人で、事前に問題を把握する為に黙ってやっていた。
イジメの可能性が出てくると、片山先生から真実を聞いて対策を打とうとして動き出す。
最後はイジメを受ける女子生徒が暴露すると言われ、暴走するも転落して事故死していた。

橋本瑞穂(演:宮下純)

代表作に『超擬態人間』、『半狂乱』などがあります。

美術教師。担任をしておらず自由にやっている。画家になろうとしたが失敗して教師をやっている状態。

当初から抜き打ちの荷物検査に反対するが、森先生に呼びされて仕方なく参加していた。
荷物検査をせず横から文句を言うが、イジメの可能性が出てくると必死に突き止める。
過去のトラウマでおかしくなる谷野先生を追っていき、正気にさせて教室に戻っていく。
最後はイジメを受ける女子生徒が暴露すると言われ、森先生が暴走して止めるも失敗した。

菅直樹(演:桂弘)

代表作に『超擬態人間』などがあります。

数学教師。結婚していて子供を大学まで行かせたい。常に片山先生とコンビでお互いに言い合っている。

前回の荷物検査で問題のある生徒が発覚し、上西先生がホテルで女子生徒といる事を証言。
荷物検査が進んでいくうちに保身を考えていき、森先生を説得してSIMカードを破壊した。
実は自身も女子生徒と関係を持っていて、写真を撮られた事で家庭崩壊すると説明した。
最後はイジメを受けた女子生徒にバレ、暴走する森先生を止められずに突き飛ばされる。

片山さつみ(演:坂井貴子)

代表作に『超擬態人間』などがあります。

英語教師。独身を貫いている。森先生からの評判が非常に高く、管先生とは何かとお互いに言い合っている。

抜き打ちの荷物検査を自分が担当するクラスで行うが、否定する橋本先生と意見が合わず。
荷物検査を進めているうちにイジメの可能性が浮上して、当初はあり得ないと否定した。
実はすでに学級崩壊を起こしていて、マトモに授業をやっておらず森先生に真実を話した。
最後はイジメを受けているのは容姿端麗で成績優秀な女子生徒と知り、将来を案じていた。

野々村龍太(演:望月智弥)

代表作に『超擬態人間』、『半狂乱』などがあります。

過去に教師をしていた谷野の同期の教師。回想だけにしか登場せず、谷野にとって救おうとした存在であった。

とある女子生徒に一方的な片思いを抱かれ、来月には結婚する予定で言い寄られて困惑。
屋上に呼び出されて女子生徒に責められていると、谷野がやって来て一緒に止めていた。
勢い余って女子生徒を屋上から突き飛ばし、警察に連絡しようとして谷野に説得された。
最後は谷野の証言や校長たちの対応で自殺にされ、教師としての希望を失ってしまう。

上西譲(演:宇羅げん)

代表作に『半狂乱』、『猿ノ王国』などがあります。

校長室で縛られている状態で発見される。暴行を受けて傷だらけで、校長がやって来て発覚した。

女子生徒の下着を撮影した画像を掲載するブログの管理人として、校長に突き出された。
実際は容姿端麗で成績優秀な女子生徒とホテルで関係を持っていて、管に見つかっていた。
最後は問題にしたくない校長たちが警察に連絡せず、休職という形で事を収拾されていた。

感想

[個人的な評価]

評価 :2.5/5。

本作は宮沢章夫が1998年に発表した「14歳の国」をベースに実写映画化した作品です。
この作品は『超擬態人間』で知られる藤井秀剛が監督と脚本を務めています。
教室という限られた舞台であるワンシチュエーションの手法で、超低予算の自主制作映画として作られた内容となっています。
こういうタイプの作品は基本的に動きがあまりなく、せいぜい回想を挟むだけで状況はあまり変わらない場合が多い。
そうなってくると、物語に引き付けるのは登場人物たちの掛け合いであり、何かの事件を解明する為に知恵を絞っていくところだろう。
本作はまさに王道のパターンで教師たちによる抜き打ちの荷物検査によって、それまで知られていなかった生徒たちの実態が浮き彫りになっていく。
教師は「聖職」なんて呼ばれた時代があったけど、現代において非常に大変な仕事で好きじゃないとやれないような環境になっている。
モンスターペアレントなんてという言葉でプレッシャーに圧し潰される教師は決して少なくないが、そこら辺の問題に対する処理能力も個々で変わってくる。
ただ、社会について教える立場でありながら、大学卒業後に閉鎖された学校という社会しか経験していないから逆に言えば何も知らないと思います。
会社員を経て教師になる人の方が稀であり、あくまで大学からの教師というパターンだと社会経験はほぼないと言えるだろう。
だからこそ、社会経験の豊富な生徒の両親から色々と詰められ、対応できない枠から外れると教師は心を病む事が多いような気がします。
そんな本作では事前に対策を打とうとする教師たちの苦肉の策ながら、大きな問題が発覚した時の彼らの処理能力を超えた時の精神状態を描いている。
特に主人公ポジションの谷野は最初から精神的に不安定であり、そのような人物がプレッシャーの大きい教師には向いていないと分かります。
徐々に明らかとなっていくクラスのイジメと、谷野の過去におけるトラウマがリンクして大きな問題に発展して最終的に胸糞な結末を迎える。
ハッキリ言って、本作の教師たちについて同情と共感はまったくできず、特に谷野は個人的に考え方が正反対だから理解できなかったです。
低予算ながらワンシチュエーションでの工夫をしようとしているが、どうしても胸糞な展開と結末が強烈すぎて、それしか記憶に残らなかったのは残念です。

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