作品データ
あらすじ
みんな憧れるヒーローになりたいと願っているロンとイェンの親友コンビ。
同じ頃、香港の街中で正体不明の怪物が住人たちを次々とゾンビへと変身させてしまう。
爆発的な感染力で広がるゾンビの群れに、ロンとイェンは英雄になれるチャンスと考えて撃退するべく立ち上がるのだった。
登場人物&出演者
・ロン(演:マイケル・ニン)
代表作に『九龍猟奇殺人事件』、『宵闇真珠』があります。
主人公。ヒーローに憧れて妄想をいつも巡らせている。服役する父親を嫌っている。
広東オペラの劇場を経営するシャンの世話になるが、閉鎖が決まって失業が決定する。
シャンエから取材を受けると、テコンドー選手のイーシェンのファンだと話した。
父親と再会するも認めなかったが、助ける為に時間稼ぎをした事で和解を果たした。
最後は重傷を受けてチキンに追い詰められるが、勇気を出して立ち上がって戦おうとする。
・イェン(演:ルイス・チョン)
代表作に『イップ・マン/継承』、『燃えよデブゴン/TOKYO MISSION』などがあります。
ロンの相棒で親友。シャンが経営する広東オペラの劇場で一緒に小道具を作っている。
異常なまで腹筋にこだわっていて、常に筋トレするもナルシストシャンエを気に入った。
何かとシャンエを誘おうとするも拒否されるが、それに気づかずにアプローチを続けた。
シャンエが持っていた機械を拾い、シャンから受け取った剣を手にして再会を果たす。
最後はロンが時間稼ぎの為に犠牲を買って出ると、イーシェンとともに香港を脱出する。
・シャンエ(演:シェリー・ニャン)
代表作に『狼たちのノクターン 夜想曲』、『ロスト・レジェンド/失われた棺の謎』などがあります。
シャンの姪。大学で超常現象を専攻。特殊異常活動捜査班「SAAS」の会員を務めている。
広東オペラでヒーロー役をやろうと演舞をするが、シャンから女にはできないと言われる。
閉鎖される広東オペラの記録をカメラで撮影し、なぜかイェンに惚れられてしまう。
ゾンビが香港で発生すると喜々として会員と連絡を取り、単独で調査をやっていく。
最後はロンたちと合流を果たし、イェンが拾った機械でゾンビを倒し、別の何かを見つける。
・シャン(演:キャリー・ン)
代表作に『友は風の彼方に』、『金魚のしずく』があります。
シャンエの伯母。チャンの父親で弟が亡くなって保護者となる。交通事故で片足不自由になっている。
ヒーロー役の演舞をするシャンエに女の役じゃないと話し、何かと心配している。
出所したウィンがやって来ると、忘れようとした過去を思い出して彼を追い出してしまう。
再び訪れたウィンの償いを聞いて、気を使った彼によって久々に外へ出て海を見た。
最後はイェンに家宝の剣を渡し、ゾンビ化するウィンに歌を捧げるもチキンに殺された。
・イーシェン(演:ヴィーナス・ウォン)
代表作に『少女たち』、『借金取りとマネージャー』などがあります。
有名なテコンドーの女性選手。雑誌を飾るほどの実力者で多くのファンを持っている。
結婚式の直前に新郎から拒否するメールをもらい、ゴミ置き場で泣き崩れていた。
ロンたちに見つけられて助け出されるが、ずっと無気力で容赦なく蹴りを見舞った。
絶望して死のうとしたが、ファンであるロンからの強い説得力から立ち直った。
最後はロンが時間稼ぎの為に残ると、仕方なくイェンと香港を脱出しようとする。
・ウィン(演:アレックス・マン)
代表作に『スカイ・ボンバー/空対地!白昼の市街戦』、『狼たちの伝説/亜州黒社会戦争』などがあります。
ロンの父親。15年間の服役を終えて出所した。借金の取り立てするも相手が亡くなっていた。
実は15年前にロンの治療費を手に入れる為、交通事故の責任を引き受けて服役していた。
一度はシャンに断られて追い出されるが、二度目はドアを修理して彼女を外へ連れ出した。
劇場に大量のゾンビに襲撃されると、首筋を噛まれ、それを見たロンと和解を果たした。
最後はゾンビ化が進んでしまい、ロンたちを逃がす為に時間稼ぎをして卵と自爆した。
感想
[個人的な評価]
本作はユーイーの漫画『今晚打喪屍』を原作として実写映画化されています。
監督を務めるアラン・ローにとって長編映画デビュー作となります。
今ではかなり少なくなった香港単独の作品で、かなり独特な世界観となっています。
漫画が原作という事で冒頭はアニメーションとなっているが、設定や世界観の説明はまったくしていません。
そのままアニメーションとしての世界観なら分かるが、物語が本格的に始まると実写となって説明不足が目立ちます。
まず、人間をゾンビ化させるチキンの着ぐるみの意味が分からないし、その後もまったく説明がなくてワケが分かりません。
当然のように主人公たちを襲っていきますが、生んだ卵を人間の頭部に当てると一瞬にして骸骨にさせる効果もよく分からない。
とにかく、本作は説明不足がずっとあるクセに、本題へ入るまで余計な人間ドラマを永遠と見せられます。
これが物語に対して深みを与えているワケじゃなく、バッサリとカットしても進行に問題がない時点で意味がありません。
余計な人間ドラマを展開させたせいで100分を超えてしまい、ゾンビ映画として致命的な状況になっています。
色々とやりたいのは分かるけど、できる事とできない事を明確にして、物語を作っていない時点で三流だと分かります。
同じ香港産のゾンビ映画を鑑賞するならば、まだ『香港ゾンビ』の方が有意義な時間を楽しめるかと思います。
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