作品データ
あらすじ
病気の娘の手術費を稼ぐため仕事をかけ持ちする柔道館の館長ジャンスは、密入国犯を追う熱血警官テジンが襲われた事件に巻き込まれて負傷する。
意識不明に陥ったテジンは幽体離脱し、その姿が見えるジャンスだけという事態になる。
テジンはジャンスを通じて密入国犯の捜索を手伝わせ、人間と幽霊によるコンビで犯人たちを追い詰めるのだった。
登場人物&出演者
・チェ・ジャンス(演:マ・ドンソク)
近年の出演作に『守護教師』、『悪人伝』などがあります。
主人公。柔道館の館長。元国家代表で海兵隊まで所属したが、なぜか幽霊だけは怖い。
重病の娘のドナーが見つかって誰よりも喜び、資金の為ならば道場を売る覚悟がある。
過去に人助けをしたせいで妻を亡くし、それ以来、他人を助ける事をしなくなった。
人相が悪いせいでテジンに疑われるが、実は無関係で、彼の姿が見える事から協力する。
最後はテジンの心臓をもらい、独り身のヒョンジの面倒を見て、他人を助けるようになる。
・カン・テジン(演:キム・ヨングァン)
代表作に『チャ刑事』、『君の結婚式』などがあります。
熱血的な警官。休日であっても出勤して犯人逮捕の為にいつも街中を走り回っている。
恋人のヒョンジから飽きられており、ケガする度に怒られるもすぐに仲直りしている。
ヒョンジと結婚したいが、彼女の家を取り戻すまでできず、毎日必死に働いている。
人身売買のデータを手にしたせいで意識不明にされ、幽体の状態でジャンスと協力する。
最後はヒョンジと別れを告げ、自分の心臓をドギョンに渡し、彼らを密かに見守っていた。
・ホン・ヒョンジ(演:イ・ユヨン)
代表作に『アトリエの春、昼下がりの裸婦』、『マリオネット/私が殺された日』などがあります。
テジンの恋人。普段は鮮魚店で働いている。家を取り戻すまではテジンとの結婚はお預け。
いつもケガして帰ってくるテジンに心配を取り越して、もう呆れて怒るも仕方ないと考える。
テジンが意識不明の重体になってしまい、毎日のように声をかけて目覚めるのを待った。
実は妊娠していて、テジンの婚姻届を見つけると自分の名前を書き込んで夫婦となる。
最後はテジンとの別れを告げられ、取り戻した家で生まれてくる赤ん坊と幸せに暮らす。
・チェ・ドギョン(演:チェ・ユリ)
代表作に『殺人の輪廻』などがあります。
ジャンスの娘。心臓病を患っている。運動を禁止されているが、いつも隠れてやっている。
他人は他人と考えるジャンスと違い、困っている人を見かけるとすぐに助けてしまう。
自分の病気を理解しているが、時にはムリをしてしまい、ジャンスに心配される事が多い。
母親の絵を小屋で描いていたが、発作を起こし、テジンのおかげでなんとか助かった。
最後はテジンから心臓をもらって運動ができるようになり、ヒョンジの家に遊びに行く。
・ジョンシク(演:チェ・グィファ)
代表作に『The NET/網に囚われた男』、『英雄都市』などがあります。
テジンの先輩警官。きちんと職務を果たすテジンと違い、かなり適当で雑な仕事をしている。
ギャンブルで多額の借金を背負ってしまい、その際にチョン社長に肩代わりしてもらった。
その後、違法で女性たちに売春させるチョン社長に何も言えず、犯罪を黙って見過ごす。
テジンが手がかりを掴んでチョン社長に報告するが、意識不明にした責任を感じていた。
最後は罪滅ぼしとしてヤン警視を盗聴し、ジャンスの無実を証言し、一緒に逮捕された。
・チョン・プンギ(演:ジェイホウ・ヘオ)
代表作に『トガニ/幼き瞳の告発』などがあります。
コリアのナイトクラブを経営している。ボスである父親に頭が上がらず、いつも怒られる。
借金のある女性たちを強引にナイトクラブへ連れて行き、売春などをさせて儲かっている。
ギャンブルで借金だらけのジョンシクを助け、その恩を使って平然と犯罪をしている。
人身売買の現場を映したデータが流出し、テジンと意識不明にして、ジャンスを狙う事に。
最後はヤン警視から用なしにされ、これまでの犯してきたすべての罪を被せる為に殺害した。
・ヤン警視(演:チュ・ジンモ)
代表作に『うつせみ』、『王様の事件手帖』などがあります。
町の平和を守っている警察の偉い人。実は裏でチョン社長と繋がって犯罪に手を染めている。
基本的に悪事をするのはチョン社長で、その裏から糸を引いて利益の金だけを手にする。
立場としてチョン社長より上であり、彼の部下ですら命令に従ってくれるだけの存在である。
ジョンシクが逆らおうとして彼を咎め、チョン社長との衝突を簡単に収拾させていた。
最後はジョンシクの盗聴で罪が暴かれてしまい、テジンとジャンスの手柄で逮捕された。
感想
[個人的な評価]
本作は「のむコレ3」にて上映された作品となります。
この作品は『ペパーミント・キャンディー』のキム・ソンジンが脚本と製作を務めています。
最近は勢いに乗っているマ・ドンソクの主演作であるが、相変わらずの似たような役柄で少しばかり食傷気味である。
今回の設定は柔道館の館長で、元国家代表で元海兵隊という箔をつけているが、他人に興味がない点では今までと少しだけ違う。
いつも孤独に戦うマ・ドンソクですが、今回はタイトルが示すように相方がいて、一緒に事件を解決していきます。
ただ、韓国の警官はみんな裏社会との関係があるのか、一般人である主人公が悪者を倒すパターンは多すぎる気がします。
マ・ドンソク単独で物語を進めておらず、テジンを演じるキム・ヨングァンがかなりの部分でドラマを担っています。
ちょっとばかり『ゴースト/ニューヨークの幻』に近いような雰囲気で、そこにマ・ドンソク兄貴が加わっているような感じです。
とにかく、主人公のジャンスが背負う過去と、現在起きているテジンの状態はあまりに切なくて悲しい結末しか用意されていない。
単純にテジンが助かると思ったら、そのまま死んでしまうので、これから幸せを掴もうとした彼と恋人の展開は非常に悲しい。
特にテジンの恋人を演じたイ・ユヨンの演技が素晴らしく、ラストで別れを告げられるシーンから悲しみが充分に伝わるほどの熱演でした。
結局のところ、テジンは死んでしまうが、ジャンスの娘が彼の心臓をもらって元気になり、ヒョンジも生まれてくる赤ん坊と取り戻した家で暮らす幸せを得ています。
ただ、ジャンスとヒョンジの関係が希薄すぎて、テジンの頼みであっても彼女を守るのは少しキツい条件じゃないかと感じた。
途中で回想が入ってテンポが悪くなってしまうのは残念で、マ・ドンソクにあまりドラマ部分を与えられなかったのは少し物足りなかったです。
それでも、韓国映画らしいストレートな感情表現が爆発したラストはとてもいいし、何より演技のレベルが高いという点も良かったです。
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