作品データ
公開年月 | 2017/11/23 |
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ジャンル | アクション |
原作 | なし |
監督 | ウーバイ・フォックス、アグス・ペストル |
脚本 | ベビー・ハシブアン |
製作 | サルホノ・ストリスノ |
製作国 | インドネシア |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
インドネシの大都市バタヴィアシティは近年、犯罪組織の多様性により暴力で支配されていた。
この街で女優を夢見てカフェのウェイトレスとして働くスリヤマはある日、得意の武術シラットで悪漢を倒し、その場に居合わせたプロデューサーにスカウトされる。
プロデューサーは「ヴァレンタイン」というヒーロー映画を撮っていて、スリヤマはその考えに共感して自警活動を始めるのだった。
登場人物&出演者

代表作に『Mereka Yang Tak Terlihat』、『Sabar Ini Ujian』などがあります。
主人公。大学中退してウェイトレスをする。母親から心配され、兄に助けてもらう。
ヴァレンタインの主演としてボノにスカウトされ、自警活動をしながら人気を得ていく。
父親を失った悲しみを未だに引きずっていて、将来を心配する母親といつも衝突している。
シャドーの三人娘と戦うが、あまりにも無茶するボノについて行けず降りようとした。
最後はシャドーを止めようとするが、事実を知らされて何もできず、自警活動を決意する。

代表作に『ラストサマー2』、『ミス・エージェント』などがあります。
犯罪が増加するバタヴィアシティを救うべく、スーパーヒーローの誕生の企画を立てる。
プロデューサーに映画製作を拒否されるが、スリと出会った事で彼女を抜擢する。
実は過去に妻と娘をギャングによって殺され、自身も左足を失って義足となっていた。
スリに無茶をさせた事で拒否をされてしまうと、昔の事を思い出しながら街を歩いていた。
最後はチンピラに襲われていた親子を助けようとするが、撃たれて呆気なく死んだ。

代表作に『Garasi』、『The Wedding & Bebek Betutu』などがあります。
オネエのスタイリスト。ボノとは古い知り合いで、ヴァレンタイン候補を求められた。
たまたまカフェでスリが悪漢を倒してヴァレンタインにして、簡易な衣装を用意した。
急遽のデザインでスリからクレームを入れられ、現場にカメラを持つもビビっていた。
スリに無茶をさせたボノの過去を知っていて、それが原動力だと彼女に話していた。
最後は死んだボノの遺志を継ごうとしたスリの為に、新たな衣装とバイクを与えた。

代表作に『Batas』、『Wanita Tetap Wanita』があります。
警察官。ウンブラとは友人で一緒に切磋琢磨している。警視監の部下としてついて行く。
シャドーによって街が荒らされる中で対処できず、ウンブラと訓練を積んでいた。
外国の王子がやって来るが、チームは参加せずに匿名の手紙を受け取って調べていた。
USBのデータから警視監が過去にやっていた悪事を知って、ウンブラの復讐を知る。
最後はウンブラの復讐を止めようとするも失敗するが、代わりに勲章をもらっていた。

代表作に『Syahadat Cinta』、『Ular Tangga』があります。
スリの兄で警察官。過去に父親が自殺して、残された母親や妹を大切にして守ろうとする。
大学を中退して女優を目指していたスリに理解を示し、文句を言っていた母親を宥める。
父親が自殺した現場にいち早く駆けつけ、そこに置いてあったメモ書きの遺書を隠した。
実はバタヴィアシティに恐怖を与えたシャドーであり、シャムスルの罪を暴こうとした。
最後はヴァレンタインを止め、シャムスルの悪事を暴露して殺し、自身も撃たれて死亡。

代表作に『Catatan Si Boy』、『Sajadah Ka’bah』があります。
バタヴィアシティ警察の警視監。シャドーによって街を荒らされる事に憤慨している。
自分が絶対的な正義として部下を引き連れて喝を入れるが、マスコミは無視する。
実は過去にこっそりと押収した武器を売って金を儲け、スリとウンブラの父親を殺害した。
真実を知ったウンブラがシャドーとして復讐しようとして、テレビの前で暴露させた。
最後は人質となってウンブラの決意によって、抵抗もできずに頭を撃ち抜かれて死んだ。
感想
[個人的な評価]
本作はインドネシア初のスーパーヒーロー映画となります。
アジアで発売されるコミックのシネマティック・ユニバースの第1弾として作られています。
ハッキリ言って、原作がコミックとは思えないほどに脚本の穴が多すぎると感じました。
まず、なんと言っても主人公のスリがヴァレンタインになる理由があまりにも強引すぎる。
ご都合主義にもほどがあるような展開で、もう少し工夫できないのかと思ってしまうほどに強引すぎると感じました。
次にヴァレンタインとなるスリの強さだが、武術を体得しているのだが、別にずっと鍛えているワケじゃないから説得力に欠ける。
何か特殊な能力や特異体質があるなら分かるけど、ただ武術を習って女の子で、体格に恵まれているという感じじゃないから強さを感じない。
更にインドネシアの武術である「シラット」を使っているが、達人で世界的に有名なイコ・ウワイスとは比較にならないほど迫力がない。
主人公のスリがヴァレンタインになっても武術の訓練をしているが、あまりにも片手間すぎて逆効果を生んでいる。
あとは付け焼き刃の手錠を投げる技術を鍛えるが、特に象徴するような武器にならず、なんの意味もないような印象を持ちました。
そして、最大の問題としてラストでの展開でヴァレンタインである意味がないどころか、物語の根幹とほとんど関わっていない。
普通なら過去の因縁などが関わってくるが、なぜか兄がすべてを背負ってしまい、ヴァレンタインとしての意味が失われ、ラストでは棒立ちしていました。
どう考えても兄を主人公にするべきで、ヴァレンタインが主人公である必然性がオマケ程度で物語の中心にいなかったのが致命的でした。
アメコミをマネようとしただけな印象しかなく、主人公の必然性、シラットの意味合いなどはまったく溶け合っていなかったです。
アジアのシネマティック・ユニバースをするつもりだが、第1弾がこれならば、残念ながら失敗すると思います。
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