作品データ
あらすじ
写真部に所属する女子高生の月子は、友人の佳恵と帰宅途中、同じ学校に通う姉の富江が自身の憧れの先輩と連れ立つところを目撃する。
男を誘惑する姉に月子は激しく嫉妬するが、彼女の美しさに陶酔して、カメラでシャッターを切り続けてしまう。
その時、富江は建設中のビルから落下してきた鉄骨に貫かれ死亡するが、1年後の誕生日に死んだはずの彼女が帰ってくるのだった。
登場人物&出演者
・月子(演:荒井萌)
代表作に『トワイライトシンドローム/デッドゴーランド』、『上京ものがたり』があります。
主人公。女子高生で写真部に所属している。カメラを常に持って写真を映している。
姉である富江に対してコンプレックスを持っていて、どうしても負い目を感じている。
富江が目の前で死ぬが、1年後に再会を果たしても態度が曖昧で両親の変貌に戸惑う。
実は夢の世界にいて、目を覚ました事で富江という存在は幻だったと気がついた。
最後は現実に戻ってくると、侵食する富江との融合を許可し、会社員の男に殺された。
・富江(演:仲村みう)
代表作に『制服サバイガール』、『テケテケ2』があります。
月子の姉。女子高生。魅力的で月子が憧れている先輩の俊夫と仲良くして嫉妬させる。
工事現場から落下した鉄骨に刺されて死亡するが、1年後に何事もなかったように戻った。
両親を魅了していくも殺されて体をバラバラにされるが、首だけになって父親を動かす。
あらゆるところに増殖して月子の周りを次々と侵食し、すべてを奪おうとしていく。
最後は夢から目覚めた月子との融合を迫り、彼女が会社員の男に殺されると笑っていた。
・佳恵(演:多田愛佳)
代表作に『×ゲーム2』、『寄生侵略/PARASITE WAR』などがあります。
月子の親友。いつも月子と二人で行動して、写真を撮っているモデルになっていた。
姉である富江に月子が声をかけられると、圧倒的な魅力を持つ事に聞かされれる。
1年後に富江が復活を果たしても何も知らず、月子が持ってきた弁当箱を探し当てる。
富江に侵食された弁当箱から体を融合させられ、柔道部員たちに首を切り落とされた。
最後は現実に戻った月子の前に出るが、ムカデ富江によって体を切断されて死亡した。
・敏夫(演:大和田健介)
代表作に『ごくせん THE MOVIE』、『脳男』があります。
月子や富江が通う高校の男子高生。柔道部の部長。富江と付き合っているような雰囲気。
富江が亡くなってから月子とも会話しなかったが、写真を撮るとして柔道部に招いた。
復活した富江と再会を果たすと、信じられないような態度になって月子を無視する。
当然のように月子など眼中になく、再会した富江と一緒に行動するようになっていた。
最後は現実に戻った月子の前に出るが、ムカデ富江によって全身を食われて死亡した。
・飯塚喜美子(演:川上麻衣子)
代表作に『うれしはずかし物語』、『でべそ』があります。
月子や富江の母親。夫と同じく富江がなくなって落ち込むが、月子を擁護していた。
1年後に誕生日で復活して帰ってきた富江を見て喜び、ずっと抱きついていた。
富江の命令で罰を与える夫の指示を受けて、月子が動かないように体を掴んでいた。
首だけの富江の命令で夫に絞め殺され、そのまま代理として体を合体させた。
最後は現実に戻った月子の前に出るが、ムカデ富江によって股間を食われて死亡した。
・飯塚政史(演:大堀こういち)
代表作に『シコふんじゃった』、『さそりとかゑる』などがあります。
月子や富江の父親。富江がなくなって落ち込んでいたが、月子をなんとか認めようとする。
1年後に誕生日で復活して帰ってきた富江に抱きつき、食事する彼女の髪を舐めていた。
富江に少しだけ反抗的な態度を出した月子に、命令を受けて暴力で仕返しをさせられた。
家を出ていこうとした富江を殺し、バラバラにするも首だけになった彼女の命令を受ける。
最後は現実に戻った月子の前に出るが、ムカデ富江によって首筋を噛まれて死亡した。
感想
[個人的な評価]
本作は『富江』シリーズの第8作目となります。
どうやら本作はこれまでシリーズで最も原作に近いと評価された作品と言われています。
正直言って、本作でその評価が最も感じられるの「富江」を演じた仲村みうです。
個人的には中国のコスプレイヤーが再現した「富江」が一番だが、実際に動く映像では仲村みうがダントツでした。
元々、仲村みう自体がどこかメンヘラ的なイメージがあって、これはちょうど富江というキャラクターにマッチしていると思います。
その重なったイメージから原作に最も近いと言われているのだが、問題は監督を務める井口昇だと思います。
井口昇監督は数々のインディーズ邦画で多くの作品を作っていますが、どれも血飛沫やエログロな描写が激しいです。
確かに原作ではグロテスクな描写があるらしいけど、これまで鑑賞してきた作品の中で圧倒的に血の量が多い。
これは完全に井口昇監督の特徴であって、残念ながら「富江」シリーズとしては少しやり過ぎな印象を持ちました。
更に「富江」というキャラクターから脚色しすぎていて、特にラストの展開は完全に井口昇ワールドになってしまいました。
本当なら仲村みうで従来通りの直接手を下さず、周囲の男たちを魅了して代わりにやらせる手法にした方が良かったと感じた。
せっかく富江にイメージが一番近い仲村みうを使っているので、もっと原作に忠実な展開をみせて欲しかったです。
ただ、落ち込んでいたシリーズの中でマシな出来になっていただけに、これだけで終わらせたのは残念としか言えなかったです。
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