作品データ
あらすじ
エースのジウォン率いる自転車ロードレースの強豪「チーム・ラディアント」にアイシスとして所属する事になったミンとティエン。
ミンとティエンはお互いに切磋琢磨しながら友情を深め、次第にチームの主力として頭角を表して成長していた。
ライバルチームの妨害に屈せず台湾各地で連戦を繰り広げるが、チームの資金難からジウォン、ミン、ティエンの三人は別のチームに移籍して競い合う事になるのだった。
登場人物&出演者
・チウ・ミン(演:エディ・ポン)
代表作に『グレートウォール』、『おじいちゃんはデブゴン』などがあります。
“レディエント”のアシストとして合格した選手。爆発的なスピードと積極的な立ち回りを得意にしている。
チームの指示を無視した勝利に対し、ジウォンから注意を受けるもほとんど気にしなかった。
シーヤオと付き合うもチームメイトのせいで負けて、ブチ切れて暴れて謹慎処分を下される。
浮気してシーヤオとも別れるが、チョンの計らいで新たなチームが結成しティエンと再会。
最後はゴビ砂漠でのレースでチョンに勝利し、憧れの選手のアシストとして世界へ羽ばたく。
・チウ・ティエン(演:ショーン・ドウ)
代表作に『サンザシの樹の下で』、『ボルケーノ・パーク』などがあります。
“レディエント”のアシストとして合格する。持久力と上り坂に強いが、爆発的なスピードが出せない欠点を持つ。
消極的で慎重な性格ながらシーヤオに一目惚れし、親友のミンと取り合いするも負けていた。
別のチームにエースとして移籍するも欠点のせいで勝てず、薬物に手を出して追放される。
チョンの計らいで新たなチームが結成され、借金を抱えるもミンのおかげで再起を果たした。
最後はゴビ砂漠でのレースでチョンに勝利し、欠点を克服する為に孤独な練習に励んだ。
・ホアン・シーヤオ(演:ワン・ルオダン)
代表作に『ライズ・オブ・ザ・レジェンド/炎虎乱舞』、『いつか、また』などがあります。
“レディエント”と同じスポンサーの女性チーム“ヴァルゴ”に所属する選手。復帰を目指して練習する。
有望な選手だったが肺の病気で休むが、早くも復帰してミンとティエンに一目惚れされる。
ミンと付き合うようになるも新たなチームに移籍した彼のトラブルと浮気で裏切られていた。
励ましてくれたティエンも薬物使用で姿を消し、ケガするとミンのおかげで復活を遂げる。
最後はボートの選手として再起を果たし、復帰した戻ったティエンと再会して喜んでいた。
・チョン・ジウォン(演:チェ・シウォン)
代表作に『墨攻』、『ドラゴン・ブレイド』などがあります。
“レディエント”のエース選手。総合的なバランスと爆発力を持ち、勝てせてもらえるアシストを探していた。
ミンの爆発力に感心するも有り余る力での暴走を予言し、彼に何度も警告して言い聞かせた。
資金難でチームが解散をチェンから聞くが、引き留めようとするも説得されて移籍を決意。
エージェントが勝手にミンのチームメイトを買収した事に激怒し、真の勝利じゃないと知る。
最後は新たなチームを結成させてミンとティエンと競り合うが、最終的に負かされてしまう。
・チェン・イーチャオ(演:オーヤン・ナナ)
代表作に『ポリス・ストーリー/REBORN』、『ビューティフル・アクシデント』などがあります。
“レディエント”の副監督でメカニックも担当する。チョンに片思いをしているが、他の男にも目移りする。
新しくアシストとして入ってきたミンに注目し、彼の適当な整備に対して何度も注意した。
優勝パーティで女性選手がチョンにちょっかいを出すと、それを見て嫉妬に駆られ邪魔した。
資金難によってチームの解散が決定的になってしまい、ガッカリする父親を涙目で見ていた。
最後はチョンの計らいで資金集めして新たなチームが結成され、採用され再会を果たした。
・チェン(演:アンドリュー・リン)
代表作に『レディ・ウェポン』、『RESET/リセット』などがあります。
“レディエント”の監督。絶対的なエースのチョンを引き立てるアシスト役にミンとティエンを新たに迎える。
作戦の立案をティエンに任せ、爆発力のあるミンをチョンのアシストにしてポイントを稼ぐ。
上のステージに行けそうなところまで行くが、資金難によって仕方なくチームを解散する。
チョンはもっと上を目指せる存在として彼を説得し、自身は自動車会社に就職して引いた。
最後はチョンにより新たなチームの監督に就任し、娘とともにミンとティエンを出迎えた。
感想
[個人的な評価]
本作は『第28回東京国際映画祭』のワールド・フォーカス部門で「破風」というタイトルで上映されています。
この作品は『クリミナル・アフェア/魔警』や『激戦/ハート・オブ・ファイト』で知られるダンテ・ラムが監督と脚本を務めています。
いわゆる典型的なスポ根映画であり、少年漫画のような「友情・努力・勝利」を惜しげもなく詰め込んだ作品となっています。
そこに恋愛と挫折を入れてしまうと、些か詰め込みすぎて器から溢れるぐらいにてんこ盛りな内容になりました。
そのせいで時系列がかなり適当になっていて、本来なら時間を使って描くべき部分を一瞬で展開させているから共感よりも混乱を生んでしまう。
なので、恋愛と挫折、それに薬物での問題は確かにあるだろうけど、それを本作に入れる必要性はあまりなかったと思います。
圧倒的な描写が本題となるロードレースに集約されており、ここにもっと集中して物語を描いて欲しかったです。
どうしても人間ドラマを入れたいが為に中途半端となってしまい、そのせいで本題と関係から空気な存在になってしまった。
やはり、主人公たちが繰り出す男の友情が結ぶ勝利こそが最大の盛り上げポイントだと分かっているならば、テンポを悪くする人間ドラマをもう少し抑えて欲しかった。
こういう作品では最終的な勝利を得る為の積み重ねが必要で、登場人物たちも成長していく過程も描かないといけない。
その中で恋愛や友情が関わってくると、あまり入れ込みすぎると本来あるべき目的が観ている側としても見えてこない場合がある。
本作はギリギリのところで踏みとどまっているが、せっかくのロードレースでの競い合いが一番面白かったからもっとやって欲しかったです。
どっちかと言えば、映画よりもドラマに向いているプロットであって、個人的には決して満足できるような内容じゃなかったです。
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